「セキュリティのため、1日1回スマホの電源を切って」豪首相が国民に呼びかけ

iPhone14 Pro 電源オフ
 
オーストラリアの首相が、サイバーセキュリティ対策として、毎日1回、スマートフォンの電源を切って再起動するよう国民に呼びかけています。いったん電源を切ることで、バックグラウンドでユーザーの情報を不正に取得するアプリの動作による影響を最小化できます。アメリカの専門機関も、ハッキング対策として定期的な電源オフを呼びかけています。
 

■3行で分かる、この記事のポイント
1. オーストラリアの首相が国民に、1日1回はスマホの電源を切るよう呼びかけている。
2. ユーザーを追跡する悪意あるアプリやプロセスを終了させる効果。
3. 引き続き、パスワード管理やアプリからの要求にも注意を。

「毎晩、歯磨きの間にでも再起動を」

オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は現地時間6月23日、国家サイバーセキュリティアドバイザーの就任を発表した際、「毎晩、歯磨きをしている5分間だけでもいい」と、毎日スマートフォンの電源を切るよう、国民に呼びかけています。
 
スマートフォンを定期的に再起動することで、バックグラウンドで動作しユーザーを監視する悪意のあるアプリやプロセスを強制的に終了させることができ、サイバーセキュリティ上のリスクを抑える効果がある、とシドニー工科大学のサイバーセキュリティ専門家、プリヤダーシ・ナンダ博士は述べています。
 
なお、2020年にも、アメリカの国家安全保障局(NSA)がモバイルデバイスをハッキングから守るセキュリティ対策のひとつとして、週に1度はスマートフォンの電源を切るよう呼びかけています。

一般的なセキュリティ対策も引き続き重要

スマートフォンの電源を切ることは、政府機関が人権活動家やジャーナリストなど特定の個人を標的にしたPegasusのような高度なスパイウェアには効果が薄く、完全な対策とは言えないものの、ユーザーがサイバーセキュリティを意識するうえで効果がある、とニューサウスウェールズ大学のアラシュ・シャガヒ博士はコメントしています。
 
シャガヒ博士は、スマートフォンの再起動だけで安心せずに、パスワードが盗まれないようにする、インストールするアプリに注意を払う、アプリが許可を要求する内容を確認する、といった一般的な対策も重要だ、と語っています。

iPhoneの電源を切る方法

iPhoneの電源を切る方法は、ホームボタンの有無で異なります。
 
ホームボタンのない、Face ID搭載iPhoneの場合、サイドボタンとどちらかの音量ボタンを同時に長押しします。
 
ホームボタンのあるiPhoneでは、サイドボタンを長押しします。
 
Apple 「iPhoneのオン/オフを切り替える」
 
いずれのモデルでも、「設定」アプリから「一般」>「システム終了」でも電源をオフにできます。
 
 
Source:The Guardian via 9to5Mac
Photo:Apple
(hato)


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