日本政府は、デジタル田園都市国家構想総合戦略において、2025年度までに約50か所、2027年度までに約100か所以上での無人自動運転移動サービスの事業化を目標としています。
この達成に向けて、産官学が連携し、全国各地での実証実験や制度設計、EV開発を推進する一方、市場では一般公道での走行が可能なレベル4水準(*1)の自動運転EVの調達が難しい状況が続いているようです。
道路運送車両法で定められる保安基準に適合する自動運転EVの需要が急速に高まるなか、株式会社ティアフォー(以下、ティアフォー)は、自動運転機能に対応した電気自動車の生産を加速させる新たなソリューション「ファンファーレ」の提供を開始しました。
*1…特定条件下での自動運転機能が可能なレベル4の保安基準を満たしていること
顧客ブランドでの自動運転EVを生産可能に
ファンファーレは、顧客が自社ブランドを通じてレベル4水準の自動運転EVを製品化・販売・利用できるよう支援するソリューション。
具体的には、ティアフォーが開発したEVをホワイトレーベル製品として提供し、顧客が自ら自動運転機能を定義することで、顧客のブランドで自動運転EVを生産できるようにします。
また、メンテナンスやリース、保険といったアフターサービスもオプションとして用意しています。
多様な運行設計領域に対応した自動運転EVを生産
ファンファーレでは、さまざまな運行設計領域(*2)に対応した自動運転EVを生産することが可能です。
ファンファーレにて提供する電気電子アーキテクチャ(*3)は、自動運転機能に特化したセンサーやコンピュータ、電動化モジュールに対して単一故障による制動不能や操舵不能を防ぐための冗長化設計を行うことで、保安基準に適合可能な水準となっています。
特に小型バス向けの電動化モジュールに関しては、自動車技術やシステム安全技術の専門家および有識者の助言も交えて、先進モビリティ株式会社と共同で開発。ソリューション導入後のアフターサービスでも連携していきます。
*2…ODD(Operational Design Domain)と呼ばれる走行環境条件。自動運転システムは、ODD内で動作することを前提に設計・開発される
*3…EEA(Electrical and Electronic Architecture)と呼ばれる車両システム構造
異なる車種に共通の機能拡張を適用
ファンファーレの初期モデルでは、さまざまな完成車メーカーから車両を調達し、レベル4水準の自動運転機能に対応可能な状態に拡張した後、ホワイトレーベルEVとして顧客に販売します。
この際、完成車メーカーごとの車両の個体差を吸収し、保安基準を満たすための性能と品質を最大限に平滑化してあることで、異なる車種に対して共通の機能拡張を適用できるようになっています。
その一例として、ファンファーレが提供するホワイトレーベルEVの全車種は、BOLDLY株式会社の運行管理・遠隔監視システム「Dispatcher」との接続が可能です。
2024年までに9車種の商用車モデルを出荷予定
ティアフォーはまずは小型バスの提供から開始し、2024年までに9車種の商用車モデルを順次出荷する予定です。
2025年には300台の生産を目指し、将来的には車種をさらに充実させつつ、サードパーティ企業が同様の仕様でEVを量産できる環境を構築していく方針です。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000040.000040119.html
(文・Haruka Isobe)
- Original:https://techable.jp/archives/212607
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:はるか礒部
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