Appleの時価総額3兆ドル超えにVision Proが果たした役割は小さい?


 
Appleは6月上旬に開催したWWDC23で同社初の複合現実(MR)ヘッドセットVision Proを発表しましたが、同月、Appleの株式時価総額が終値で3兆ドルを超えました。Vision ProがApple株価の上昇に一役買ったと思われがちですが、Appleの内部事情に詳しいBloombergのマーク・ガーマン記者は、「Vision Proが果たした役割は小さい」と述べています。
 

■3行で分かる、この記事のポイント
1. 6月のWWDC23で、Apple初のMRヘッドセットVision Proが発表された。
2. 同月、APPLEの株式時価総額が終値で3兆ドルを超えた。
3. Appleの内部事情に詳しい記者は、Vision ProがAppleの株価上昇に果たした役割は小さいと述べている。

Vision Proが確立された製品カテゴリとなるには時間がかかる

ガーマン氏は30日に公開した記事の中で、Vision ProはAppleの株価上昇とはあまり関係がない、と独自の意見を述べています。
 
同氏いわく、Vision Proは現時点でどちらかと言えば開発者向けの製品で、発売初年度の売上台数は90万台ほどに限られ、数十臆ドルほどの収益にしかならないとのことです。一方、iPhoneは昨年2,000億ドルの収益を生み出しています。
 
言い換えれば、Vision ProがiPadやApple Watchなどの製品カテゴリ並みの収益の多くを占めるようになるには少なくとも数年を要するということで、これを株主はよく理解しているとのことです。そのため、Vision ProがApple株価上昇にほとんど貢献していないと断言することができるそうです。

Appleエコシステムのさらなる強化が株価上昇を促した?

ガーマン氏いわく、時価総額3兆ドルというAppleの評価は、同社の拡大し続けるエコシステムを反映しているそうです。ティム・クック最高経営責任者(CEO)の夢は、消費者が毎日iPhone、iPad、Mac、Apple Watch、そしていつかはVision Proを使用し、すべてのデバイスでiCloudやApple Musicなどのサービスに加入することであるとのことですが、そこに向かってAppleは躍進しているようです。
 
Appleのサービスは自動車、預金口座、クレジットカード、ヘルストラッキングなどにも拡大しており、消費者はますますこのエコシステムから抜け出すのが難しくなっておりそれがAppleへの投資を魅力的にしているとのことです。
 
 
Source:Bloomberg
Photo:Apple
(lexi)


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