電動キックボード以外もある!“ちょい乗り”にピッタリな特定小型原付の乗り物7選

【「電動キックボード」の現在地⑤】

2023年7月1日に施行された改正道路交通法によって誕生した新たなカテゴリー、特定小型原動機付自転車(特定小型原付)。速度が20km/h以上出ないようにすることで、満16歳以上であれば免許不要で乗ることができるのがポイントです。

電動キックボードが注目されていますが、性能や車体サイズなどが規定内に収まっていれば、ほかの形でも特定小型原付としての認可を取得することができます。

そんな特定小型原付の注目モデルをピックアップして紹介します。乗る際は、短期集中特集【「電動キックボード」の現在地】1回目で取り上げた法規や走り方などを確認するようにしてください。

 

1. YADEA「KS6 PRO」

今回の短期集中シリーズでも使ったYADEA(ヤディア)の「KS6 PRO」。“特例”特定小型原付に必要な6km/以下の走行モードと、その際に点滅させる最高速度表示灯も備えているので、歩道走行モードにすれば走行可能な歩道を走れます。前後ホイールは10インチで、電動キックボードとしては比較的大きく、フロントにはサスペンションも備えており、少し路面が荒れていても安定して走れます。

▲フロント

▲リア

ユニークなのはブレーキで、フロントがドラムブレーキ、リアは機械式のディスクブレーキとなっています。あえてフロントに効き方がファジーなドラムブレーキを装備することで、パニックブレーキを掛けてしまった際にも前転しにくくしているとか。ハンドル部分は約5秒で折りたたむことができ、コンパクトに収納可能です。モーターは後輪に搭載。

【SPEC】
価格:19万8000円
サイズ:1192×520×1258mm(走行時)、1192×520×604mm(収納時)
重量:22kg
定格出力:500W
バッテリー:36V 15.6Ah(固定式)
最大航続距離:60km
歩道走行:可

>> YADEA

 

2. ストリーモ「S01JT」

ホンダから生まれたベンチャー企業・ストリーモがリリースする特定小型原付モデル。リアが2輪の3輪モビリティであることが特徴で、バランスアシストシステムも備えているので、安定して走行できます。モーターは前輪に搭載。6km/h以下の走行モードを備え、最高速度表示灯も前後に備えているので、許可されている歩道であれば走ることが可能です。最大21%までの坂を登れる性能(発進可能勾配は17.5%)を持っているのもポイント。

走行モードは6km/h以下の「モードP」と、12km/h以下の「モード1」、20km/h以下の「モード2」の3種類用意されています。リバースボタンで後退が可能なのもユニークなところ。ブレーキはフロントが機械式ディスクで、リアの2輪にはそれぞれドラムブレーキが装備されています。折り畳んだ状態で、転がして運ぶことも可能。

【SPEC】
価格:30万円(ミラー付きモデルは30万5000円)
サイズ:1090×500×1180mm(走行時)、1090×500×565mm(収納時)
重量:24kg
定格出力:430W
バッテリー:36V 13Ah(着脱可)
最大航続距離:30km
歩道走行:可

>> ストリーモ

 

3. RICH BIT「ES1 Pro」

業界最軽量をうたう13.8kgという重量がポイント。工具なしで折りたためて、片手で持ち運ぶことも可能です。その分、バッテリーサイズが小さいため航続距離は20〜25kmとなりますが、軽さを活かしてクルマに積んで出掛けるようなスタイルが似合いそう。最高速度表示灯を前後に備え、6km/h以下での走行モードも備えているので“特例”特定小型原付として、自転車が走ることが許されている箇所であれば歩道も走行できます。

ホイール径8.5インチで、モーターは前輪に搭載。泥跳ねを防ぐフェンダーを前後に装備していて、フロントにはサスペンション機構も備えています。ブレーキは前後とも機械式ディスクブレーキ。4色のカラーバリエーションが用意されているのもポイントです。

【SPEC】
価格:6万9800円
サイズ:1080×1140×530mm(走行時)、1080×490×530mm(収納時)
重量:約13.8kg
定格出力;250W
バッテリー:36V 7Ah(固定式)
最大航続距離:20〜25km
歩道走行:可

>> JPStarS Online

 

4. COSWHEEL「MIRAI T Lite」

48V 10Ah(480Wh)の大容量バッテリーと500Wの高出力モーターを搭載し、力強い走りを実現したモデル。バッテリーは脱着可能で、オプションの20Ahバッテリーを積めば、最大70〜80kmの航続距離を実現できます。約8秒間、同じ速度で走行すると、自動的に作動するオートクルーズ機構も装備。これが作動するとアクセルレバーから手を離しても定速走行できるので、ブレーキやハンドルの操作に集中することが可能です。

ホイール径は前後10インチで、フロントサスペンションも装備。ブレーキは前後とも機械式のディスクブレーキで、高い制動力を与えられています。ボディには航空アルミを採用し、高い剛性感を誇るほか、ステップボードも比較的広め。さらに着脱可能なサドルも付属しているなど、乗りやすいモデルになっています。カラーバリエーションは6色です。

【SPEC】
価格:17万6000円
サイズ:1180×1180×600mm(走行時)、1180×490×600mm(収納時)
重量:22kg
定格出力;500W
バッテリー:48V 10Ah(着脱可)
最大航続距離:30〜40km
歩道走行:可

>> JPStarS Online

 

5. MOBI-BIKE「EXCEED TKG Ver」

キックボードではなく、自転車のようなデザインの特定小型原付モデル。ペダルは装備されていませんが、自転車に乗るときのようにサドルに座って移動できます。電動キックボードは比較的簡単に慣れることができる乗り物ですが、自転車に乗ったことがある人なら、より簡単に乗れるモデルといえるでしょう。ペダルを漕がずに進めるので、電動アシスト自転車よりもラクに乗れて汗もかかないので、暑い時期にもありがたい乗り物です。

ホイール径は14インチで、前後とも機械式のディスクブレーキを装備。走行モードは17km/hの1モードだけで、歩道の走行はできませんがシンプルで迷わずに操作できるようになっています。アクセルはバイクと同じように右手のグリップを回すタイプ。バッテリーは着脱式なので部屋に持ち込んでの充電にも対応しています。

【SPEC】
価格:11万5500円
サイズ:1290×540×1060mm(走行時)、720×490×620mm(収納時)
重量:23kg
定格出力:300W
バッテリー:7.5Ah(着脱可)
最大航続距離:約30km
歩道走行:不可

>> MEISEISHARYO

 

6. Sun Emperor「SS1」

キックボードにサドルを装備したようなユニークな形状の特定小型原付。ステップも幅が広く、足を揃えて乗ることが可能です。自転車のように跨ぐ必要がないので乗り降りが簡単で、座って乗れるので電動キックボードよりもラクに移動できる乗り物です。“特例”にも対応した装備が付いているので、許可された歩道であれば通行可能。後にカゴが装備されているので、買い物などにも使いやすいモデルといえるでしょう。

ホイール径は前後12インチ、フロントサスペンションも装備されているので、凹凸があるような路面でも安定して走行可能。ハンドルは折りたためて、収納時は自転車よりもコンパクトになります。後方確認が簡単にできるミラーも標準装備。カラーバリエーションは3色用意されています。現在、Makuakeにて先行予約受付中です。

【SPEC】
価格:24万8600円(Makuakeでの先行予約販売価格は14万9160円~)
サイズ:1260×490×1070mm(走行時)、1260×270×590mm(収納時)
重量:24kg
定格出力:350W
バッテリー:36V 10Ah(固定式)
最大航続距離:45km
公道走行:可

>> Makuake

 

7. SAIコーポレーション「SO-RIN」

極太タイヤを履き、前後両輪駆動を実現。モーター出力は前後合わせて規定の上限となる600Wというインパクトの強いモデルです。前後にショックアブソーバーを装備しているので、ちょっとした荒れ地くらいなら走破できそう。バッテリーは着脱式とされていて、室内に持ち込んでの充電がしやすいのもポイントです。現在、Makuakeで予約を受け付けています(15万9000円~ 7/15現在)。

前後に速度表示灯を装備し、6km/h以下で走行するモードも備えているので許可されている歩道は走れるようになる見込み。ファットタイヤを装着しているので、低速時でも安定走行が可能です。ただ、特定小型原付の性能等確認審査への適合はこれからとのことなので、一部の仕様やデザイン等は変更となる可能性もあります。購入者への発送は2023年9月末頃を予定しています。

【SPEC】
価格:23万6500円(Makuakeでの先行予約販売価格は15万9000円〜)
サイズ:1100×1140mm(走行時)、1100×540mm(収納時)
重量:25kg
定格出力:600W
バッテリー:48V 15Ah(着脱可)
最大航続距離:80km(後輪駆動時)、40km(両輪駆動時)
歩道走行:可

>> Makuake

 

>> [特集]「電動キックボード」の現在地

<取材・文/増谷茂樹 写真/松川忍(YADEA)>

増谷茂樹|編集プロダクションやモノ系雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライターに。クルマ、バイク、自転車など、タイヤの付いている乗り物が好物。専門的な情報をできるだけ分かりやすく書くことを信条に、さまざまな雑誌やWebメディアに寄稿している。

 

 

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