いよいよ夏本番、ビールが最も似合う季節が到来しました! 昨今は宅飲みやキャンプ、スタジアム観戦などでもクラフトビールを楽しむ人が増えてきましたが、注ぎ立ての樽生ビールを持ち運びたいのなら、ビールを最もおいしい状態でキープできる容器「グラウラー」が欠かせません。
今回は、グラウラーの基本と選び方、そして編集部おすすめのグラウラーを7つ紹介します。
■グラウラーはビールの炭酸と鮮度を逃さない容器!
グラウラーとはビールを持ち運べる水筒のような容器のことで、ブルワリーパブなどの専門店のビールをテイクアウトできる便利なアイテムです。
最大の特徴は炭酸を入れてもOKなこと。通常の水筒や魔法瓶は炭酸を入れると内部気圧が上がって蓋が開かなくなることがあり、炭酸をキープする密閉力もないため、ビールを入れられません。その点、グラウラーであれば、炭酸やビールの風味を損なわず、ビールの吹きこぼれを防ぐ工夫もされているので、安心してビールを持ち歩けます。
日本ではコロナ禍の宅飲みのときにグラウラーが大きく注目されましたが、海外ではビールの量り売りによるテイクアウトは一般的。缶や瓶詰めの商品と違って、出来立てのフレッシュなビールを店以外の好きな場所で楽しめるうえに、ゴミが出ないのでエコ、などメリットはたくさん。もちろん、ビール以外の炭酸飲料を入れても大丈夫です。
■グラウラーの種類と選び方のポイント
グラウラーは、保冷力の強いものやビールサーバー代わりになるもの、ペットボトルのように手軽に持ち歩けるサイズのものなど多彩な商品が揃っているので、飲むシーンや飲みたい量など使い方や用途に合わせて選んでください。
選ぶうえでの大きなポイントは「保冷力のあり・なし」「注ぎ口のタイプ」「容量」の3点で、保冷力はグラウラーの「素材」や「構造」で決まります。それぞれの使い勝手や特性、メリットをチェックしていきましょう。
【素材】
ボディの素材の主流は、ステンレス製かガラス製です。大きな違いは「保冷力」、「耐久性」、そして「価格」。例えば、キャンプに持って行くなら保冷力のあるステンレス製を、自宅で使うならお手頃なガラス製を選ぶなど、持ち歩く時間や飲む場所を考えてチョイスしてみて。また、BPAフリーや抗菌加工したもの、表面の塗装によりすべりにくくしたものなど、各メーカーが工夫を凝らしているので、ボディ以外の素材にも注目するといいでしょう。
ステンレス
耐久性が高いのがメリット。飲み口が付いたキャップを装着できたり、ビールサーバーのようなコックを付けたりできるモデルもあります。少量から大容量のタイプまで、サイズ展開も豊富。ステンレスにも種類があるので、“特に錆びにくいステンレス素材を使っている”など、各ステンレスの特製も要チェック。
ガラス
炭酸や風味をキープできますが、保冷力が弱いため、自宅の冷蔵庫に入れて保冷します。比較的安価なので、初めてビール専門店で量り売りにチャレンジする人でも導入しやすいでしょう。注意したいのは、落としたら割れる可能性があるほか、ステンレス製より重いこと。アウトドアではなく、自宅で気軽に楽しみたいという“宅飲み派”におすすめです。
【構造】
グラウラーのボディの構造には、ダブルウォール構造とシングルウォール構造があり、保冷力に大きく関わります。ボディの構造以外に、蓋の構造でも炭酸キープ力や保冷力が変わるので、併せてチェックしましょう。
▲左がダブルウォール、右がシングルウォールのイメージ図
ダブルウォール
現在のグラウラーの主流である、真空断熱二重構造のこと。二重になっている壁の間を真空にすることで、長時間の保冷や保温が可能となり、高い炭酸圧力にも耐えられるように。メーカーによって保冷力が異なるため、最大保冷時間を確認するといいでしょう。結露しないのもメリットです。
シングルウォール
ボディの壁が一重構造のものを指します。保冷力は弱いので、自宅の冷蔵庫に入れやすいスリムなデザインとサイズを選びましょう。
【注ぎ口】
▲左から、MiiR「32oz Howler」、タイガー魔法瓶「真空断熱炭酸ボトル MTA-T050」、DrinkTanks「Craft 128 oz(3.8L)Growler」
注ぎ口の大きさと形状
注ぎ口は、広い方が使い終わったあとに洗浄しやすく、氷なども入れやすいメリットがあります。グラウラーに直接口をつけて歩きながら飲む場合は、口が狭い方がこぼさずに飲みやすいもの。グラウラーによっては、狭い注ぎ口のキャップをセットできるものもあるので、直飲みのマイボトルとして使う場合は、飲みやすい注ぎ口かどうかも確認しましょう。
インターチェンジャブルシステム
持ち運ぶときは炭酸をキープするキャップで締め、飲むときはCO2(二酸化炭素)の注入が可能な専用キャップに付け替えてビールサーバーとして使える、インターチェンジャブルシステムを採用したモデルもあります。持ち運べるミニビールサーバーとして、キャンプなどの遠出や友人宅でのホームパーティーでも活躍間違いなし。
【容量】
▲左から、REVOMAX「9oz(266ml)」、REVOMAX「32oz(950ml)」、DrinkTanks「Craft 128 oz(3.8L)Growler」
容器内の空気が多くなるほど酸化が進み、ビールの炭酸や風味が抜けやすくなるので、自分が注ぎたい量(飲みきれる量)とぴったりのサイズを選ぶことも大事です。
日常的にビール店での量り売りビールを購入する場合は、1L前後(350ml缶ビールでおよそ3本分)~1.9L(350ml缶ビールでおよそ6本分)のグラウラーを利用する人が多いそう。1人でちょい飲みするなら、350ml前後のミニサイズをチョイス。キャンプやホームパーティーなど人数が集まる時は、3.8L前後など、大容量サイズを選ぶと場が盛り上がります。
ドリンクの単位
アメリカ生まれのグラウラーには、日本ではあまりなじみのない単位が表記されていることも多いので、読み方やリットルの換算量を知っておくと感覚をつかめるでしょう。液量の単位であるoz(オンス)とgal(ガロン)は、アメリカとイギリスで液量が異なり、日本ではアメリカの単位を採用しています。
1oz=約29.6ml
1gal=128oz=約3800ml
ちなみに、ビアパブなどで見かける単位のパイント(pt)は、米パイントだと1パイント=473ml、英パイントだと568mlです。
■編集部が選ぶ用途別グラウラー7選
容量、素材、注ぎ口、保冷力のタイプ別に、各シーンに合うグラウラーを編集部でピックアップしました。使用シーンに合うグラウラーを使いましょう。
1…ちょい飲みにいい軽量ミニサイズ
REVOMAX(レボマックス)
「9oz(266ml)」(4400円)
266mlはREVOMAXシリーズの最小サイズで、小さなバッグにもすんなり入るほどミニマム。シリーズで唯一、ステンレスの中でも特に錆びにくい「SUS316」を使っていて、軽くて丈夫なグラウラーを実現。
保冷力/保温力ともに高いので、朝はコーヒースタンドでコーヒーを注ぎ、夜はクラフトビール店でビールを注ぐなど、昼夜二刀流使いもできます。アルコール度数が高く、ちびちび飲みたい濃い旨ビールをテイクアウトしたいときにも使える少量サイズです。
寸法:直径67×高さ190mm 口径:44mm 重量:215g 3色展開
>> REVOMAX
2…普段使いにぴったりな容量
MiiR(ミアー)
「32oz Howler」(7150円)
950mlはクラフトビール店で最も普及している容量で、普段使いにちょうどいいサイズ。口径が広く、洗いやすいのもポイント。
素材は際立って錆びにくく耐久性の高いメディカルグレード(医療用)の「18/8ステンレススチール」を使用し、気になるメタル臭もなし。バックル付きの蓋や「Thermo 3D ダブルウォール 真空断熱構造」によって、炭酸や冷気、熱をしっかり閉じ込める保冷・保温ボトルです。
綺麗な水や大地を大切にしている、自然保護への意識が高いシアトル発のメーカーだから、素材は環境にやさしいBPAフリー。マットな質感のハードシェルパウダーコート塗装により、傷や指紋がつきにくい点も魅力です。
寸法:直径85×高さ275mm 口径:68mm 重量:485g 2色展開
>> MiiR
3…大人数向けの大容量。ビアサーバーにも
DrinkTanks(ドリンクタンクス)
「Craft 128 oz(3.8L)Growler」(2万4750円)
3.8Lものビールを長時間冷たくフレッシュに保てるDrinkTanks(ドリンクタンクス)の大容量モデルは、仲間や家族など大人数で楽しむときに大活躍。「18/8ステンレススチール」の真空断熱ダブルウォール構造で、保冷は45時間、保温は20時間という驚異の性能を誇ります。
頑丈で耐久性のある“デュアルベイルキャップシステム”を採用したBPAフリーのキャップで、しっかり密閉。ボディも蓋も頑強で、アウトドアで多少乱暴に扱っても漏れの心配がありません。60PSI(PSIとは、圧力の単位のこと。pound per square inchの略で、1平方インチあたりにかかる重量ポンドの圧力を指します)までの圧力に耐えられる構造となっていて、食洗器で洗えるのも便利。
口径は広く、オプションの「Keg Cap(ケグキャップ)Accessory Kit」(8800円)を付ければ、ビールサーバーとして使うことも可能。付属のCO2カートリッジをセットし、バルブから加圧すれば、グラウラーの蓋を開けなくてもビールを注げる仕組み。グラウラーの中にCO2を注入できるので、ビールの寿命をより長持ちさせられます。
寸法:直径145×高さ360mm 口径:69mm 重量:1.7kg 7色展開
>> DrinkTanks
4…直飲みしやすく炭酸の吹きこぼれを防止
タイガー魔法瓶
「真空断熱炭酸ボトル MTA-T050」(6000円)
軽い力で開けられて、中身の噴き出しや飛び散りを防ぐ独自の“BubbleLogic(バブルロジック)”を採用した「炭酸対応せん」を搭載。注ぎ口が狭いので、直飲みがメインの人にもおすすめです。
写真の0.5Lサイズの他に、0.8/1.2/1.5Lをラインナップ。0.5Lと0.8Lは日常使いに、1.2Lと1.5Lの大容量サイズはキャンプなどのアウトドアシーンで大人数でシェアするのにぴったりです。
せんとストラップは銀系(Ag)抗菌加工が施されており衛生的。保冷力は約6時間。ボトルの内面に凹凸が少ない“スーパークリーンPlus”加工を施すことで、炭酸の気化を抑え、汚れや臭いをつきにくくしています。
寸法:直径105×高さ212mm 口径:48mm 重量:290g 5色展開
>> タイガー魔法瓶
5…保冷力が持続して、いつでも冷え冷え
REVOMAX(レボマックス)
「32oz(950ml)」(6490円)
耐蝕性、耐熱性、耐衝撃性に優れた「304ステンレス」を使用し、真空部分に鋼コーティングを施すことで、熱の出入りをシャットアウトするREVOMAXのグラウラー。真空二重構造で外気温の影響を受けにくく、保冷は36時間、保温は18時間と高い保冷・保温力を持っているので、アウトドアで2泊しても最後まで冷たいビールを楽しめます。
片手で簡単に開閉できる独自キャップは3パーツに分解でき、丸ごと洗えて衛生的。飲み口はほどよく厚く、洗いやすい口広タイプ。REVOMAXのグラウラーは、950ml(写真)と266ml、355ml、473ml、592mlの全5サイズで展開しています。
寸法:直径87×高さ300mm 口径:44mm 重量:482g 10色展開
>> REVOMAX
6…広口ボトルで氷入れとしても活躍
STANLEY(スタンレー)
「クラシック真空グロウラー 1.9L(炭酸対応)」(1万1550円)
1913年にアメリカで創業した、100年以上続く魔法瓶(スチール真空ボトル)の老舗メーカー。ロック付きの蓋でしっかりと真空状態を維持し、鮮度をキープ。容量は1.9Lの大容量です。注ぎ口が広いため注ぎやすく、洗浄などのお手入れもラク。ビールだけでなく、日常のジャグとしても、アウトドアで氷のストッカーとしても活躍します。
保冷力は5℃以下で6時間、熱い飲み物には使用不可。高度1万2000mから落としても壊れないという逸話もあるほどの強度を誇ります。
片手でもラクに持ち運べる大きなハンドル付きで、ヴィンテージな風合いが魅力のVintage Greenや温かみのあるMapleなど、カラーも豊富です。
寸法:直径119×高さ294mm 口径:62mm 重量:990g 6色展開
>> STANLEY
7…自宅飲みデビューにぴったり
Liquor Shop NIGHT OWL(リカーショップ ナイトオウル)
「ガラス製オリジナルグラウラー」(700円)
日本初のグラウラー・ショップである、Liquor Shop NIGHT OWL(リカーショップ ナイトオウル)のガラス製オリジナルグラウラー。
ダブルウォール構造のステンレス製グラウラーは5000円以上するものが主流ですが、こちらは1000円以下で手軽に入手できるため、エントリーモデルにぴったり。750mlの飲みきりやすいサイズで、複数本を買い足したいときも負担にならない価格帯が魅力です。
しっかり洗浄できるので臭い残りせず、ステンレスの金属臭が気になる人にもおすすめ。ワインボトルのようなデザインは、冷蔵庫のドアポケットにもおさまりがよく、すっきりと収納できます。保冷力はあまりありませんが、購入後、冷蔵庫で冷やしつつ、液体を少し落ち着かせてから飲みたいという人にはぴったりのグラウラーです。
寸法:直径70×高さ295mm 口径:28mm 重量:396g 1色展開
<取材・文/嶺月香里 写真/末松正義>
嶺月香里│フリーのライター、編集者。記事のテーマは料理レシピ、酒、レストラン、お取り寄せ、調理器具や調理家電など飲食全般。ほか、旅、温泉など
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/534189/
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