Appleがデベロッパーに課しているガイドラインは、暗号通貨が持つ可能性を潰しかねないとして、米下院議員らがティム・クック最高経営責任者(CEO)に公開書簡を送りました。
■3行で分かる、この記事のポイント
1. 米議員らが下院委員会を代表して書簡を送り、Appleのガイドラインを批判した。
2. 暗号通貨やNFTアプリの規制は、技術革新を阻むだけでなく、自社に都合がいいためだと指摘。
3. Epic Gamesとの裁判でAppleが今後変わっていく可能性もある。
ガイドラインの見直しをAppleに求める
ティム・クックCEOに公開書簡を送ったのは、共和党のガス・ビリラキス議員(フロリダ州)と民主党のジャン・シャカウスキー議員(イリノイ州)で、いずれも超党派からなる小委員会で代表を務めています。
彼らは書簡の中で、ブロックチェーンや非代替性トークン(NFT)といった新興テクノロジーに対して、Appleのガイドラインが与える潜在的影響は無視できないとし、関連アプリを許可したり締め上げたりする、一貫性のない方針は見直すべきだと訴えました。
デベロッパーに手数料を払ってほしいApple
Appleの定めるガイドラインでは、NFTや暗号通貨に関する項目が用意されており、具体的に何を許可/禁止するかが具体的に記されています。
例えば、暗号通貨ウォレットやNFTの取引アプリ自体は認められる一方、アプリ内課金を介さず、ユーザーが暗号通貨でコンテンツを購入できるようにすることを禁じています。
したがって、NFTの販売アプリこそApp Storeで公開できるものの、暗号通貨は決済選択肢としてユーザーに提示できないほか、アプリ経由で得られた収益の最大30%を手数料としてAppleが徴収します。
一般的にNFTの仲介アプリは、販売価格に2%〜3%程度のマージンを上乗せすることで利益を上げているため、プラットフォーマーに30%も手数料として持っていかれると、ビジネスが成り立たないのが実情なのです。かといって、巨大なシェアを持つApp Storeを無視するわけにもいきません。
Epic Gamesとの裁判で変わるか
こうした理由で、2023年5月に登場したNFT活用ゲーム「Axie Infinity」のiOS版では、デイリークエストや対戦で手に入る仮想通貨(SLP)が、ゲーム内のアイテム作成に使えないという奇妙なシステムが採用されています。
書簡では具体的にAxie InfinityやCoinbaseなどのアプリ名が挙げられ、AppleがApp Storeを競争阻害のツールとして使っており、ガイドラインによる規制には一貫性がないばかりか、ユーザー利益の向上を妨げてすらいると手厳しい批判が投げかけられました。
しかしEpic Gamesとの裁判でも、外部決済手段の提示をAppleに命じる判決が二審ともに下されているだけに、こうしたガイドラインが今後変わっていく可能性は大いに期待できそうです。
Source:BeInCrypto,CoinTelegraph,Apple
(kihachi)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-547122/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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