「日本文具大賞2023」受賞の“最新文房具”全15アイテムを総チェック【傑作最新家電と趣味/旅行/日用品NEXTベストバイ】

【傑作最新家電と趣味/旅行/日用品NEXTベストバイ】

「おっ、こんなことに使えるのか!」「こんな工夫が!」「これは思いつかなかった!」と驚かされるものが多い文具。毎年様々な製品が生まれるが、そんな中から『日本文具大賞』が発表された!

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仕事や日常生活で使う文具は、ロングセラーやベストセラーに加え、日々新たなものが誕生している。その数は膨大で、すぐに消費されるように思いがちだが、製品の一つひとつには、我々ユーザーの使い勝手の良さ、便利さを考えた製作者の創意工夫が込められている。そして、その年に発売された優れた文具に贈られるのが「日本文具大賞」だ。

第32回を迎えたこの賞は、従来の機能部門とデザイン部門に加え、今回から「サステナブル部門」が追加された。

「近年の文具業界において、サステナブル分野に力を入れる会社が増えたことが要因です。その部分を評価することも重要だと考えて新設しました」と文具大賞責任者の牧野篤史さん。

未来を見据え、資源や環境保護に考慮したモノづくりと消費が必要な現在、サステナブルに注力する企業は評価に値する。

今回は2022年5月17日以降に発表された文具の新製品とリニューアル製品の中から、合計15製品が受賞。どれもハッとするアイデアが活かされた製品だが、グランプリはサステナブル部門から選出された。

そんな優れた文具たちを、“文具道師範代” 寺西廣記さんと共に見ていこう。

NEXT Switch 寺西廣記さん
文具メーカーの営業支援をしながら、文具通販サイト『文具道』を運営中。『文具のサブスク』サービスも展開している

 

 

■『日本文具大賞』とは

▲ 写真は日本文具大賞2022より

今年で32回を迎えた、あらゆる紙製品とオフィス用品が一同に出展する国内文具業界最大級の商談会「国際文具・紙製品展」(通称ISOT)の中で、開催され、優れた文具に贈呈される賞。今回もエントリー数は約100社、210製品以上を数え、その中から各賞が5名の審査員によって選定された。また、今年は海外からのエントリーも増えた。

 

第32回日本文具大賞2023
<グランプリ>

1. シャーペン替芯の新しいサステナビリティの形

古紙利用率90%以上と言われる包装資材としてのダンボールを使用。ケースを使い回すことで脱プラの実践が可能となる製品です(寺西さん)

三菱鉛筆
「uni(ユニ)詰替用」(880円)

シャープペンのメインユーザーである学生の声から生まれた替芯の新しいサステナビリティの形。パッケージをリサイクルの優等生である段ボールにすることで、プラスチックの替え芯ケースを繰り返し使える

▲ダンボールケースには4回分の替え芯(約160本)が収納されている。洗剤などで普及している詰め替え方式を参考にした

▲パッケージの封緘シールを剥がして詰め替えることで、プラスチックゴミの削減と資源保護にも貢献できる

 

<サスティナブル部門 優秀賞>

2. 鉛筆芯に廃棄予定だった繊維炭を使用した

自社の国内縫製工場の布の端切れ20トンをなんとか再利用できないかという発想から生まれた製品です。芯の20%に繊維炭を使用しています(寺西さん)

ミヤモリ
「服の鉛筆」(330円)

ミヤモリは本来が被服を製作する会社。製造過程で出る廃棄されるはずだった布の端切れを利用して繊維炭を作り、鉛筆の4B相当の芯として利用している。CO2削減に寄与し、国の安全基準クリア。特許も出願している。

 

3. 原紙の断裁で出る裁断クズを無駄にしないサイズで設計

周囲の断裁をしていないため、商品により積層のズレ、サイズの誤差が最初からあります。ふせんは一枚ずつ剥がして使うので問題ないですよね(寺西さん)

やまと印刷
「断裁くずを出さないふせん」(380円)

通常、ふせんの製造過程で出る原紙の断裁くずは廃棄されてしまうが、原紙を無駄にしないサイズで設計されている。糊も人と環境にやさしい水性のものを使用するなど、環境に配慮した製品だ。

 

4. プラ製品の製造過程で出る端材を再生した素材を使用

SDGsの課題を少しでもクリアしようと考えられてできた商品です。こだわりのスモークブラックは中の書類が見え過ぎないものマル(寺西さん)

LIHIT LAB.
「Noir×noir コングレスケース」(770円)

プラスチック製品を作る過程で排出される端材を場内再生したシートを採用して作られている。表面は傷や指紋が目立ちにくいマット仕上げが施され、落ち着いた質感になっている。見出し紙付属の蓋は大きく開いて、スムーズに書類の出し入れができる。

 

5. 製造過程やパッケージにプラスチック素材未使用

フィルムが当たり前だった世代からしたら、紙パッケージはインパクトがあると思います(寺西さん)

マルマン
「書きやすいルーズリーフ 紙パッケージ」(385円)

素材だけでなく、製造工程でもプラスチックを使用しておらず、袋綴じする際のシールにもプラスチック製フィルムを使用していない、徹底した脱プラスチックを考えた製品。パッケージ工夫で紙の折れや袋皺が発生しにくい設計だ。

 

■従来からの「機能部門」「デザイン部門」にも新視点のアイデアが盛り込まれた製品が多数

従来から不便を感じていた部分に工夫を加えたり、新しい発想のアイディアを盛り込んだりして製品化された文具の中から選ばれる機能部門。また文具は、果たす役割もさることながら、デザインもまた楽しみの一つであり、それがそのまま機能性になっているなどデザイン性も問われるところ。

今回も両部門とも、“まさに目からウロコ!” “そんな発想があったのか!”という製品が優秀賞を受賞。そんな文具を紹介していこう。

 

<機能部門 優秀賞>

6. 押すだけでピンポイントのり付けできるテープのり

従来のテープのりは引いて使うタイプがほとんどでしたが1か所だけのり付けできるので作業効率化もできます(寺西さん)

プラス
「ノリノスポット」(本体:418円、詰替用テープ:297円)

ノートなどにメモをのり付けする時に「節約して使っている」という学生たちの声を基に開発された。用紙の角や辺へ必要な分だけピンポイントで付けることができるテープ式のり。ホチキスのように、カチッと押すだけで手軽に使える。

 

7. 準備と片付けが簡単な乾いても消えない水習字用紙

墨液を使わないので、子供の習字練習で服や周りが汚れてしまうという心配もなく、準備や片付けもラクです(寺西さん)

イージーモード
「水習字用紙」(399円)

乾くと消えてしまう従来の水習字練習用紙とは異なり消えないので、上達過程を作品としても残せる。習字初心者や高齢者に向けて、書道教室の現役先生の発想で開発された特許出願中の商品。筆に水を含ませて書くだけでハネもハライも思いのまま練習できる。

 

8. タッチペンとしても使えるキャップと短め鉛筆の組み合わせ

紙管を使ったキャップは、従来よりも芯に近い位置で鉛筆をホールドするため、落下時も芯を守ってくれます(寺西さん)

北星鉛筆
「ジーニアスペンシル」(660円)

紙製キャップの先端にタッチペン機能が付いているので、そのままスマホやタブレットのタッチペンとしても使える鉛筆。鉛筆のホールド感にこだわり、素材は紙製で軽く、環境にも配慮している。

 

9. 梱包時に軽い力でまっすぐ切れるクラフトテープカッター

コンパクトですが、安全設計と両面刃仕様で本格的な作業でも使うことができます。フリマアプリでの荷物を発送する時にも便利です(寺西さん)

デザインフィル
「クラフトテープカッター」(990円)

切り口がまっすぐ、そして軽い力で切れる両面刃仕様の特殊加工刃を採用しているので2倍長持ちする。切る時は安全カバーが自然と上方向へ持ち上がり、刃先が指にあたりにくい機能になっているので、怪我の心配も少なくした設計が施されている。

 

10. 少ない冊数の本やCD・DVDなどのケース類でも倒れない

今までのブックスタンドは隣に本やケースがないと倒れるのが当たり前でしたが、その都度押さえる煩わしさから解放してくれます(寺西さん)

LIHIT LAB.
「1冊でも倒れないブックスタンド」(1430円)

可動式ストッパーが付いているため、本やCD、DVDなどを手前側から差し込むとストッパーが上がり、両サイドが差し込んだものを保持するので、少ない数でも倒れない設計になっている。

 

<デザイン部門 優秀賞>

11. 操作時の手指の状態を徹底分析。自然な状態で入力できる

3度の傾きと階段状になったキーが右手や指にフィットして、今までの電卓になかった心地良い使い勝手です(寺西さん)

カシオ計算機
「人間工学電卓」(1万450円〜1万1000円)※サイズにより価格が異なる

日本で最初の電卓を作ったカシオ計算機が、右手の3〜5本の指を使った時に最も打ちやすいデザインを専門機関とともに徹底分析し、試行錯誤を繰り返して作り出した。従来のカタチに捉われない新しい発想の電卓。

 

12. 目に優しいカラーペーパーを使用した漢字練習用の付箋

22ミリのマス目で低学年から使用でき、子どもの集中力が維持できる4マスの付箋です(寺西さん)

+teacher
「マス目フセン “Kaketa!”」(490円)

付箋に漢字練習用のマス目が印刷されている。目に優しいグリーンの紙を使用し、1枚を短時間でやり切ることができるために達成感が湧くので、低学年の子どもでも集中力を切らすことなく漢字の書き取り練習ができる。

 

13. 使う筆記具や書き心地を好みによって2種類の硬さが選べる

開発者自身の“筆圧の強さに対する悩み”から生まれた大人の下敷きです。立っての使用も可能になっています(寺西さん)

調度
「テリュー・ザ・マットA5」(2200円)

筆記具の数だけ存在する、それぞれの書き心地。その楽しさを存分に引き出してくれる、ソフトとハードの2種類の硬さが選べる下敷き。ページを挟んで使うので、ズレや落下を防いで、しおり機能も果たしてくれる。マウスパッドとしても使える。

 

14. 読後の感想や気持ちをメーターや顔マークで残せる

1冊に本30冊分の記録ができて目標が定めやすくなっています。中紙は原料の一部に琵琶湖淀川水系の葦を使用し環境保全にも一役(寺西さん)

コクヨ工業滋賀
「読書ノート」(150円)

同社の読書好き社員が、子どもたちが本から得た知識や感じたことを記録できるように導くことができれば…、と企画。記録が積み重なって知識が増えるのと同時に、読書の意欲や楽しみも高めてくれる効果も期待できる。

 

15. “推し”コレクションに囲まれたり、持ち歩けたりする

透明ポケットによりデコレーションが見やすい作りです。推し色に合わせたカラーバリエーションの中から選べるのもありがたいですね(寺西さん)

LIHIT LAB.
「myfa コレクションスタンド L」(3960円)

LIHIT LAB.
「myfa デコレーションミニポーチ 」(1430円)

推し活に一役買ってくれる、アイドルやキャラクターに囲まれた空間を作ることができるディスプレイスタンド&ポーチ。バリエーションポケットで写真、トレカや缶バッチなど様々な推し活グッズを収納できる。

※2023年9月6日発売「GoodsPress」10月号33-37ページの記事をもとに構成しています

>> 特集【傑作最新家電と趣味/旅行/日用品NEXTベストバイ】

<取材・文/松尾直俊 写真/湯浅立志>

 

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