腰を痛めずラクに土掘りするなら“アメスコ”みたいな「ロング柄ショベル」がイイ!

【グッとくる農具】

2023年春から田舎と街の二拠点生活を始めたライターのGOL氏。すると、あっという間に農業の楽しさや難しさ、奥深さにハマってしまったとか。とはいえ、そこは根っからのギア好き。農機具をはじめ田舎暮らしに必要なモノにも、思わずソソるギアがたくさんあるようです。そんな便利に使えて道具としても魅力的なツールを紹介していきます。

 

■アメスコみたいな長い柄がほしかった

100年の歴史を持つショベルやツルハシを作るトンボ工業株式会社は、ホームセンターでもおなじみのブランドです。今回紹介するアイテムは、そんなトンボ工業の看板商品であるショベルの中でも一番持ち手の長い商品です。

▲トンボ工業 「ロング柄ショベルSRLH」(購入価格:4719円)

アメスコとはアメリカンスコップの略。むかしBMXのダートコースを整備する時に使っていました。ホームセンターに並んでいるショベルの柄の長さは、スコップ部分を除くと約67cmくらいが一般的です。モデルによって差はありますが、土工用のスコップは大体それくらいです。

それらに比べるとこのトンボ工業「ロング柄ショベルSRLH」は、はるかに長い全長141cm! スコップ部分を除いても柄の長さは110cmくらいになります。

初めて触れた時は「身長の高い欧米人が使っていたから柄が長いのかな?」と単純に思っていましたが、実はそうではありませんでした。

柄が長いことの最大のメリットは、腰を傷めにくいこと。地面にスコップの先端を突き立てて、体重をかけるように足で押し込めば腰を曲げることなく地面に刺せます。そして、そのまま柄のエンドを真下に押せば、テコの原理でスコップが持ち上がり、土を楽にすくえます。

▲テコの原理で掘り返す感じが気持ちいい

硬い土を掘り返す際も、長い柄のおかげで楽々掘り起こせます。もちろん、深く地面を掘るシーンでも活躍するでしょう。

▲ちょっと太めの丸棒の柄

柄の直径は35mmの丸棒。一般的な鍬や鋤が32mm前後で楕円形なのに比べるとかなり太くて丈夫です。ただ、丸棒な上に太いので、やや握り難いと感じましたが、柄が長い分、テコの原理を利用する際に負荷に耐えられるだけの太さが必要なのではないかと思います。

▲その重さで掘る!

重量は約1.6kg。決して軽量とは言えません。一般的な鉄製の鍬と同じくらいの重さです。この重さがこのショベルの魅力のひとつなんです。垂直に掘り進める際、振りかぶって勢いよく突き刺さなくても、その自重を利用して掘り進められます。

▲スコップは鋼製で防錆処理済み

スコップ部分は表面処理が施されているので、土が付き難く作業が捗ります。水で流せばキレイになるので保管やメンテナスも楽。スコップのサイズは一般的な土工ショベルと同じなので一度にすくえる土の量は変わりませんが、柄が長いのでやはり重く感じます。

▲柄の表面はつるつる

滑りを重視するか、グリップを重視するかは好みや用途で分かれます。柄のエンドにY字のハンドルが付いていないタイプなので、柄の表面はつるつる加工が正解だと思いますが、土をすくって移動する動作時は、エンド付近に楕円加工やラバー処理などの工夫があっても良いかと思いました。

▲バリエーションがあると嬉しい

(それはショベルと言うにはあまりにも重く、長く…)なんて脳内ナレーションを付けて使いたいアイテムですが、ちゃんと理にかなっています。

ただ個人的にはバリエーションをもっと増やして欲しいかも。もう少し先端のスコップが小さいものや、柄が細くて合金製のものなど、素材やサイズを変更することで需要はあるのではないかと思います。

もちろん、耐久性を考慮した形がこのサイズであることは承知していますが、ホームセンターでは滅多に見かけることがない品です。存在自体を知らないユーザーも多いのではないでしょうか。ショベルで土を掘る時に腰が痛いと感じる人は、長柄のショベルを使ってみることをおすすめします。

>> トンボ工業

>> [連載]グッとくる農具

<取材・文/GOL

GOL|現在、東京近郊の山村と都会で二拠点生活をしています。ライター業がメインですが、地方の魅力発信にも力を入れています。実地でのレビューがしやすい環境を活かしてアイテムを紹介していきます。

 

 

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