ホームシアター専門店に聞く、AV機器選びのポイント【秋からはじめる!e-趣味ガイド】

【秋からはじめる!e-趣味ガイド】

映画やドラマ、ライブ映像など、今、自宅でエンタメを楽しむ人が増えている。より上質な鑑賞体験を求める人が導入するのが“ホームシアター”だが、アイテム選びが難しそう…。選び方のコツをプロから教えてもらおう。

*  *  *

今回はホームシアター専門店アバックのフラッグショップである新宿本店にお邪魔し、店長の明石昌洋さんにお話を伺った。

案内してもらったのは、同店が誇る防音オーディオ&シアタールームの「サウンデリア」。一般家庭のリビングを意識して作られた部屋には、こだわりのアイテムがズラリと並ぶ。初心者だと「どんな製品を選んだらいいのか分からない」と悩んでしまうAV機器だが、セレクトのコツはあるのだろうか?

「『目的』と『利用シーン』を明確にすることでしょうか。たとえば『美麗CGで話題のゲームをプレイしたい!』という人と、『好きなミュージシャンのライブ映像を、サウンド重視で鑑賞したい』という人だと、重きを置くべきアイテムが変わってきます」

映像の迫力や美しさを求めるならプロジェクターやスクリーンに、サウンドの臨場感を味わいたいならスピーカーやアンプにお金をかける。ホームシアターで「何を楽しむのか」がはっきりしていると、予算の配分んもしやすくなるのだ。

「利用シーンも重要です。大人数で楽しむ場合はスクリーンも大きく、音量もスピーカーが良いでしょう。一方、夜に一人で楽しむ前提であれば、ヘッドホンでもいいのです。他にも、賃貸なのでプロジェクターは置き型にするとか、幼い子どもの安全性を考えてスピーカーは天井に埋め込むとか、環境も含めて考えると良いと思います」

もう一つ、「初心者だからとエントリーモデルから始めずともOK」とのアドバイスも。

「エントリーモデルは手が出しやすいですが、徐々に『もっと高性能な機器がいいな』と、グレードアップさせたくなるもの。ならミドルクラスくらいからスタートするほうが、トータルでコスパは良いかもしれません」

今秋は思い切ってホームシアターを導入し“芸術の秋”を満喫してみては?

アバック新宿本店 店長 明石昌洋さん
「趣味の音楽や映画に関係する仕事に就きたい」との思いから、株式会社アバックへ入社。店頭では複数の製品を比較しながら、客の希望に沿った商品を提案している

 

 

▼「サウンデリア」のシアター環境

Victorの「DLA-V50」を天井吊りに。専用工事と、投影先までの距離の確保が必須だが、一度設置すれば毎回位置を調整する手間が省ける。ファンの音も静かで嬉しい。

5本の床置きスピーカーに加え、天井にはUNISONICの「AHT-650IW」を12本埋め込んでいる。「Dolby Atmos」「DTS:X」「Aura3D」といった最新音声フォーマットにも対応。

センタースピーカーにはKEFの「REFERENCE2 META」を配置。中央部のオレンジ色がアクセントになっている。「AV機器はインテリアでもあるわけなので、デザインも重要。部屋に置いてある他の家具と並べた時に浮かないかどうかも想像しながら選んでいくと良いでしょう」(明石さん)

アバック新宿本店
住所:東京都新宿区西新宿7-5-9 ファーストリアルタワー新宿3F
電話番号:03-5937-3150
営業時間:11:00〜19:00 ※来店予約制
定休日:水曜日 ※年末年始を除く

 

■「何をどう楽しむか?」が重要!AV機器は目的と利用シーンで選ぶべし

自宅で思う存分映画や音楽を楽しめるホームシアター。理想の空間に仕上げるために肝心なのが、アイテム選びだ。ポイントは、いつ、誰と、どんな風に、何を楽しむか。自分なりのコンセプトを決めて、最高の環境を作り上げよう!

▼壁際に置くだけでOK!場所を選ばない短焦点型プロジェクター

EPSON
「EH-LS800B/W」(実勢価格:45万円)

Android TV機能を搭載しているので、動画配信サービスなどへのアクセスも簡単です(明石さん)

超短焦点レンズを使い、壁から約2.5cm離した場所に置くだけで80インチの大画面が出現する。標準焦点のプロジェクターで求められる数mレベルの投写距離が必要ないので、単身者のコンパクトな部屋や、リビングほど広くない寝室などにも最適だ。

▲スクリーンやテレビ、スピーカーがなくても、これ1台で夢のホームシアターが始められる

▼1台3役をこなすオールインワンアクティブスピーカー

KEF
「LS60 Wireless」(セット:88万円)

アンプとスピーカーは相性も重要ですから、一体型であれば申し分ないマッチングではないでしょうか(明石さん)

プレーヤー、スピーカー、アンプの機能を兼ね備えたマルチオーディオ。サイズ感もスリムで、ビジュアルも洗練されている。そのうえケーブルも不要なので、どんな部屋でも馴染むこと間違いなし。

▲ワイヤレスなので、幼い子供やペットがコードに引っかかって転んだり、誤って噛んだりという心配もゼロ

 

▼映像本来の美しさをダイナミックに写し出す

Victor
「DLA-V50」(80万円)

使用する場所を自動で解析し、適切な明るさに調整してくれる機能もあります。昼も夜も使いやすいです(明石さん)

「D-ILA」とは1997年から実用化されているVictorの独自デバイスだ。「DLA-V50」は進化した4K D-ILA方式が用いられ、解像度が高く、色味も鮮明。素早い動きを滑らかに表示するのが得意。

 

▼キュートな見た目と裏腹に超実力派!

GENELEC
「Gシリーズ/G One」(実勢価格:4万6200円前後 ※1本、以下同)
「Gシリーズ/G Two」(実勢価格:7万400円前後)
「Gシリーズ/G Three」(実勢価格:8万8000円前後)

「G One」から「G Five」まで5種類のラインナップがあります。置き場所によってサイズ感で選んでも◎(明石さん)

丸みのある可愛らしいルックスが特徴的な、ジェネリックの「Gシリーズ」。再生してみると低音が響き、音に包まれるような極上体験が味わえる。きっと臨場感のあるサウンドに驚くはず。

 

▼スリムボディに機能が凝縮機能も見た目もパーフェクト

Marantz
「CINEMA 70s」(15万4000円)

見た目が好きです(笑)。お部屋の雰囲気を決めるのは家具ですから、ビジュアルにこだわってくれるのは嬉しいですよね(明石さん)

多くのパーツを内蔵するアンプは、大きめのボディになりがち。だが「CINEMA 70s」はアンプにしては薄型で、スタイリッシュなデザインだ。だからといって性能がイマイチということはないので、ご安心を。

▲カラーはブラックとシルバーの2色展開。落ち着いた色味なので、部屋に飾っても雰囲気を壊さない

 

▼アンプとの組み合わせを考えるロマンも…!

Denon
「DNP-2000NE」(27万5000円)

すでにオーディオシステムを持っている方でも、単品なのでネットワークオーディオを始めやすいと思います(明石さん)

「DNP-2000NE」はネットワークオーディオ専用プレーヤーなので、音質を追求した設計になっている。アンプとスピーカーは相性も重要なので、組み合わせ方を探す面白さも。

 

▼テレビもストリーミングも高音質でお届け

Marantz
「MODEL 40n」(28万6000円)

お家時間の充実を目指した影響か、最近はストリーミングサービスの再生が簡単に行える商品が増えた印象です(明石さん)

老舗音響機器メーカー・Marantzが手掛けるネットワークプリメインアンプ。ネットワークオーディオ機能が搭載されており、各種音楽ストリーミングサービスに対応している。音楽好きの生活が豊かになる1台だ。

 

▼アーティストがすぐそこに!? ダイナミックで豊かな音楽体験

YAMAHA
「R-N2000A」(42万9000円)

重厚感ある筐体はリビングを“特別な空間”に格上げしてくれる存在感がありますね(明石さん)

YAMAHA独自の自動音場補正機能を駆使して、部屋の環境に適した音を再生する。アーティストのライブや、オーケストラのコンサートなどを鑑賞すれば、まるで会場にいるかのような気分に浸れちゃうかも?

 

▼周囲を気にせず世界観に没入できる

YAMAHA
「YH-L700A」(実勢価格:6万6000円)

「利用シーン」で考えた時、ヘッドホンを選択肢に入れるお客様は増えています。音の明瞭さや没入感はピカイチ(明石さん)

ホームシアターというとスピーカーをイメージする人も多いだろうが、ソロで楽しむ人や、夜にしか視聴しない人であればヘッドホンはいかが?「YH-L700A」は様々なサウンドを、最適なモードで再生してくれる。

※2023年9月6日発売「GoodsPress」10月号96-99ページの記事をもとに構成しています

>> 特集【秋からはじめる!e-趣味ガイド】

<取材・文/鶉野珠子(清談社) 撮影/武馬怜子>

 

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