【趣味と遊びの最新ヒット&流行モノ】
若い頃に古着屋で買った読者も多いであろうチャンピオンのリバースウィーブが今、 古着の人気銘柄になっている。原宿の古着屋ベルベルジンの野原さんにオススメアイテムと最新のリバースウィーブ事情を聞いた。
■若者きっかけで人気再燃。近年は価格も高騰
ゆったりとしたシルエットやサイドのハギ、ごわっとした着心地が特徴的なチャンピオンのリバースウィーブ。昔からある定番のスウェットが、古着シーンの人気銘柄になっている。
「オーバーサイズのシルエットが若い世代に刺さって数年前から人気が出ました。また、昔からリバースウィーブを追いかけてきた古着好きの人もいます。この二軸で人気が再燃した印象です」。
需要が高まると価格も高騰。10年ほど前までは、安ければ数千円で購入できた90年代のアメリカ製リバースウィーブが、今では1万数千円が相場になっている。無地、プリントもの、パーカー、クルーネックなど、リバースウィーブは種類が多い。久しぶりに古着屋で1着買うなら何を選べば良いのだろうか?
「大人の方が着るなら、汚れが少なくコンディションが良いものがおすすめです。プリントに関しては、基本的には直感で気に入ったものを選んで良いと思います。また、年代で素材が異なり、着心地も違います。90年代以降は少しごわっとしていますが、70年代以前の古いものだと柔らかな肌触りです。着心地の好みで選んでも良いでしょう」
ベルベルジン 副店長 野原 由太郎さん
住所:東京都渋谷区神宮前3-26-11原宿SHビル
営業時間:13:00~19:00 TEL.03-3401-4666
定休日:無休
■誕生は1934年。タグと服でルーツを知る
リバースウィーブの歴史は古く、1934年に初めて作られた。そこから何度も進化を重ね、約90年経った今も多くの人に愛されている。
▼チャンピオンのスウェット歴代タグ一例
上段左から順に、1940年代の「プリティランタグ」、1950年代初頭に短期間使用された「小文字ランタグ」、リバースウィーブと記され、1952年から60年代後半まで使われた「タタキタグ」。下段は左から、1970年代の「単色タグ(前期・後期)」、1980年代の「トリコタグ」、そして1990年代〜の「刺繍タグ」と続く。このようにタグの変遷に注目するのも面白い。
▼製法まで忠実に再現した最初期の復刻モデル
「リバースウィーブ 1st パテントモデル クルーネックスウェットシャツ」(2万4200円)
1938年当時に作られていたリバースウィーブを復刻。パターンの起こし方などの製法やブランドタグも当時を忠実に再現している。
【カレッジ】半世紀以上前の“タタキタグ”。汚れもダメージも極小の希少品
「R/W TATAKI」(10万7800円)
50年代後半から60年代前半に見られた2番目に古いタタキタグのアイテムです。これだけコンディションが良いものは希少だと思います(野原さん)
1950年代から60年代に出ていた通称“タタキタグ”の頃のリバースウィーブ。半世紀以上前のスウェットながら目につくような汚れがほとんどなく、プリントの状態も良好なので、この価格も納得。
▲スウェットに叩き込まれたような見た目からタタキタグと呼ばれる。プリントも少し擦れがある程度
【変わり種】目無し×一番人気の黒。シンプルイズベストな1着
「R/W CREW NO EYE BLK」(6万5780円)
リバースウィーブに限った話ではないですが、古着では黒が一番人気。1着買って長く着たいと考えている人にもおすすめです(野原さん)
90年代のリバースウィーブで胸にも袖にもロゴがない“目無し”と呼ばれるデザイン。コンディションも優秀で人気のカラーということもあり、同年代の他のアイテムよりも高額に
【カレッジ】ほぼ新品の単色タグ。裏生地もダメージなし
「R/W 1COLOR TAG DS」(10万7800円)
この年代のアイテムがデッドストックで出てくるのは本当に希少。ラバープリントの状態も良く、裏面の起毛が新品同様です(野原さん)
“単色タグ”が使われていた70年代のリバースウィーブのデッドストックで、カレッジプリントのダメージがほとんどない逸品。濃紺ボディで黄色プリントは鉄板のカラーリング。
【カレッジ】一見すると無地。その正体は希少なカレッジスウェット
「R/W CREW 1COLOR TAG」(6万5780円)
フロントが無地でバックにステンシルという仕様は半袖のリバースウィーブだと時々あります。でも、長袖だと滅多に見かけません(野原さん)
ぱっと見は無地だが、背面の首元にデラウェア大学のステンシルが入った実はカレッジものというアイテム。70年代の単色タグのリバースウィーブで、柔らかな生地感も特徴。
【カレッジ】アイビー・リーグは、王道のカレッジスウェット
「R/W CREW PRIN」(1万7380円)
アイビー・リーグはカレッジの中でも王道の一つです。背に「P」が入っているものも多いですが、これはシンプルにフロントのみ(野原さん)
グレーのボディにプリンストン大学のプリントが入ったオーソドックスなカレッジプリントもの。80年代のリバースウィーブでXXLのためサイズ感も大きめ。右手にロゴ刺しゅう。
【無地&変わり種】定番色では物足りないなら、人目を引くライムをチョイス
「R/W CREW」(1万9580円)
これも90年代のアイテムで、なんといってもライムカラーが良いですね。珍しくて目を引くカラーのアイテムも人気が上がってきています(野原さん)
ライムカラーで左胸に青のロゴ刺しゅう入り。90年代はこのような発色の良いリバースウィーブも数色展開されていたそう。グレーや黒だと物足りない方におすすめしたい。
【ミリタリー&カンパニー】1点もの好きなら企業モノ。世界的なコンサルファーム
「R/W CREW PRINT」(1万4048円)
企業モノのリバースウィーブは1点1点に珍しさがありますし、カレッジプリントに比べて少しだけリーズナブルなことも多いです(野原さん)
世界最大級のコンサル会社であるプライス・ウォーターハウス(現在はプライス・ウォーターハウスクーパース)の企業名とロゴをプリント。プリントは黒ではなくダークネイビー。
【カレッジ】「C」がインパクト十分。胸+背中が定番パターン
「R/W CREW PRINT」(2万1780円)
胸にワンポイント+バックプリントは定番パターンの一つ。バックプリントが入ったリバースウィーブも人気は高いですね(野原さん)
アイビー・リーグのコーネル大学のカレッジスウェットで90年代の一品。フロントはシンプルに胸プリントで背面に「C」のプリント。配色も大きさも良くインパクト十分だ。
【カレッジ】ウィスコンシンなのに深緑?知る人が見ると驚くレア配色
「R/W CREW PRINT」(2万1780円)
ウィスコンシン大学は基本的にグレーか赤ですが、これは緑。しかもダートマス大学のカラー。すごく珍しい組み合わせですね(野原さん)
90年代のウィスコンシン大学のリバースウィーブ。ボディはダートマスグリーンとも呼ばれる濃い緑。定番の配色とは異なるイレギュラー感が古着好きの心を揺さぶる1着だ。
【カレッジ】カレッジものの代表格。90年代のハーバード大学
「R/W CREW PRINT」(2万1780円)
ハーバード大学はカレッジプリントの中ではイェール大学に継ぐ人気。これは染み込みプリントなので特にオススメです(野原さん)
古着の定番、ハーバード大学のカレッジプリントで、アーチ型でエンジに黒の縁取り。裏起毛のコンディションも良く、前身頃もキレイ。タグが切れているのも古着ならではの味。
【無地&変わり種】アメリカ製→メキシコ製へ。移行時期のフーディー
「R/W PARKA NO EYE」(2万8380円)
アメリカ製のタグで、フードのハトメはメキシコ製時代のものが使われています。これでメキシコ製に変わる直前の1着だとわかります(野原さん)
ボディは目無しで左袖だけにロゴ刺しゅうが入ったフーディはXXLのオーバーサイズ。無地のシンプルなアイテムだが、移り変わりの時期のディテールがマニアにはたまらない1品。
【ミリタリー&カンパニー】カメラ好きは即買い!? ポラロイド社のロゴスウェット
「R/W CREW PRINT」(1万7380円)
大きなロゴプリントで、他とは印象がかなり異なります。知名度が高い企業のリバースウィーブは人気がありますね(野原さん)
ポラロイドカメラで有名なポラロイド社のロゴがプリントされた90年代のリバースウィーブ。デザイン性の高いロゴでカジュアルな印象が強く、ホワイトのボディに映えるカラー。
【無地&変わり種】渋みがある配色のクレイジーパターン
「R/W CRAZY」(3万2780円)
90年代に発売されていたクレイジーカラー。このシリーズは無地のリバースウィーブとは異なるタグが使われています(野原さん)
ボディの一部を別色で切り替えた存在感のあるデザイン。同年代にクレイジーカラーのリバースウィーブが数色発売されていたそうで、身頃と袖の切り替えがお決まりのパターン。
【ミリタリー&カンパニー】プリントも気になる’90sデッドストック
「R/W CREW ARMY TENNIS DS」(6万5780円)
ミリタリーのスウェットは人気が高く、カレッジものより早く売れることが多いですね。これはテニスが付いた少し変わり種です(野原さん)
90年代後半に製造されたアイテムのデッドストックで、今もブランドタグがついたままの状態。アーミーテニスの詳細は不明だが、軍の部活動か何かと推測される。
【カレッジ】ポケット付きのスウェットはダブルフェイスの変わり種
「R/W 2PLY」(3万2780円)
ダブルフェイスでポケット付きはこの年代にしかなく、このタイプはサイドのハギがありません。洗濯で乾きづらいのが難点です(野原さん)
80年代にリリースされていたダブルフェイス(スウェットが二重)でポケット付きのカレッジスウェット。重厚感があって身幅が広いなど、一線を画す作りとフォルムが特徴。
【無地&変わり種】1着あって損はない目ありのシンプルなパーカー
「R/W PARKA」(2万5080円)
90年代に作られたパーカーは当店のWebストアで人気が高いアイテムの一つ。無地のパーカーは1着持っていて損はありません(野原さん)
グリーンで無地のプルオーバーパーカーで、左胸には白と青のロゴ刺しゅう入り。大きくて立つフードは、他のパーカーとは異なるリバースウィーブ特有シルエットだ。
【無地&変わり種】無地だと物足りないならエルボーパッチ付きが◎
「R/W CREW」(2万1780円)
エルボーパッチ付きは、当時数色発売されたそうです。人とは違うリバースウィーブを探している人におすすめです(野原さん)
ラベンダーカラーのボディで首のリブとエルボーパッチは濃いグリーンで、ロゴも同系色。リブのカラーが少し褪色しているのも古着ならではの味わいと言えるだろう。
※2023年10月6日発売「GoodsPress」11月号52-55ページの記事をもとに構成しています
<取材・文/NOHOHON PRODUCTION 写真/大村聡志>
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