ドライバーのアプリ利用を制限して交通事故防止へ。イスラエルのテック企業SaverOneがヨーロッパへ進出

通話だけでなく、メールやメッセージ、ゲームなどができ、現代人の必需品となっているスマートフォン。便利な反面、何をしていても気になってしまうスマートフォンの存在は、近年交通事故の主な発生原因のひとつとなってしまっている。

そんなスマートフォン起因の事故を減らすための画期的な技術としてイスラエルで登場したのが、自動車の安全技術に特化したテック企業「SaverOne」開発のシステムだ。

同社はヨーロッパ進出に注力しており、2023年11月27日には、物流ソリューションを提供するイタリア企業「System Logistics」と新たなパイロット契約を締結したと発表した。

自動で運転者のスマホ利用を制限するシステム

SaverOneは「ドライバー、同乗者、歩行者を問わず、道路をより安全にすること」をミッションとして掲げ、2014年に設立。交通事故を減らすための通信ネットワークベースの技術ソリューションを開発している。

SaverOneのシステムは、ドライバーが運転中にスマートフォンに気を取られた結果、交通事故を起こしてしまう問題に対するソリューションとして開発されたもの。

同システムはメッセージアプリなどドライバーの注意を乱してしまうアプリへのアクセスを防止する一方で、運転中に必要なアプリ(ナビなど)へのアクセスは阻害しない。

助手席や後部座席に乗っている人がスマートフォンの利用を制限されてしまうのではと考える人もいるかもしれないが、心配無用。システムは運転席を識別し、ドライバーにだけアプリへのアクセス制限をかける。

SaverOneのシステムは自動車メーカーによる車両製造のプロセスで組み込むだけでなく、すでに販売された車に後付けすることもできるという。

SaverOneはまた、ドライバーの視野が極端に狭い場合に歩行者の横断を検知し、ドライバーに警告する追加システムも開発中だ。

ヨーロッパ進出に注力するSaverOne

SaverOneのシステムは、現在イスラエル企業数十社で広く導入されている。

近年同社はヨーロッパへの進出にも力を入れているようで、2023年11月には物流ソリューションを提供するイタリア企業「System Logistics」と新たなパイロット契約を締結したと発表した。

今回のSystem logisticsとの契約は産業用車両メーカー「Iveco」とのものに続く、イタリアで2番目のパイロット・プロジェクトとなる。

SaverOneのCEO・Ori Gilboa氏は今回の契約について、「これはイタリアの主要顧客への新たな市場進出に成功したことを意味しており、ヨーロッパにおける当社の勢いが増していることを示している」と同社のヨーロッパ進出の順調ぶりをアピールした。

今後もSaverOneのヨーロッパでのサービス拡大に期待したい。

参考・引用元:
SaverOne 公式サイト
SaverOne システム概要
PR Newswire ニュース

(文・竜胆総司)


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