Boseの新しいノイズキャンセリングイヤホンであるBose QuietComfort Ultra Earbudsを試してみました。
筆者が使用しているBose QuietComfort EarBuds Ⅱと、AirPods Pro(第2世代)、WF-1000XM5をあわせた4機種を比較した感想をお伝えします。
Bose QuietComfort Ultra Earbuds(以下、QC Ultra Earbuds)は、Bose QuietComfort EarBuds Ⅱ(以下、QC Earbuds Ⅱ)から買い替える価値ありと評価します。
■3行で分かる、この記事のポイント
1. Bose QuietComfort Ultra Earbudsを、Bose QuietComfort EarBuds Ⅱ、AirPods Pro(第2世代)、WF-1000XM5と比較。
2. Bose QuietComfort Ultra Earbudsのノイズキャンセリング性能が更に高まったのを確認。
3. ノイズキャンセリング性能を最も重視し、内耳が痛くならない軽快な装着感を求めるユーザーに最適な製品と評価。
比較対象製品と、ノイズキャンセリング製品の愛用歴
BoseよりQC Ultra Earbudsを貸し出して頂きましたので、筆者が使用するQC Earbuds Ⅱと、筆者の家族が使用するAirPods Pro(第2世代)とソニー WF-1000XM5とを比較しました。
なお、筆者および筆者の家族が所有する各社のノイズキャンセリングヘッドホンおよびイヤホンは、下記の製品です。
Bose
- QuietComfort 3
- QuietComfort 25
- QuietComfort 35 Ⅱ
- QuietControl 30
- QuietComfort Earbuds Ⅱ(2セット、2名が使用中)
他社製品
- Apple AirPods Pro(第2世代)
- ソニー WF-1000XM5
Bose QuietComfort 3など、ノイズキャンセリングヘッドホンが発売された初期から愛用してきましたので、ノイズキャンセリングイヤホンおよびヘッドホンに求める性能で最も重視するのはノイズキャンセリング性能です。
また、イヤホンおよびヘッドホンとして下記の製品を使用しています。
- ソニー MDR-EX90SL
- ソニー MDR-CD900ST
- Bang & Olufsen A8
- Bang & Olufsen B&O PLAY Earset
▼ 比較評価項目と評価結果
▼ 装着感
▼ ノイズキャンセリング性能
▼ 操作性
▼ 音質
▼ 大きさ
▼ 駆動時間と充電環境
▼ アクセサリー
▼ iPhoneとの相性
▼ まとめ
比較評価項目と評価結果
早速ですが、「装着感」「ノイズキャンセリング性能」「操作性」「音質」「大きさ」「駆動時間と充電環境」「アクセサリー」「iPhoneとの相性」の項目で比較評価した結果が下記の通りです。
QC Earbuds Ⅱでも他社製品より優れていたノイズキャンセリング性能が、QC Ultra Earbudsで更に改善されているのが実感できました。
特に、飛行機の機内、電車の車内、町中の雑踏など環境を変えてもノイズキャンセリング性能が向上しているのが確認でき、苦手な場面は現時点で見つかりませんでした。
ノイズキャンセリング性能を重視するなら他社製品よりも明らかに優れていると評価します。
装着感や音質の評価は、個人差(相性)がありますのでご了承ください。下記の評価点数は、製品による違いを明確にするためあえて差をつけています。
項目 | Bose QuietComfort Ultra EarBuds |
AirPods Pro (第2世代) |
WF-1000XM5 | Bose QuietComfort EarBuds Ⅱ |
---|---|---|---|---|
装着感 | 5 | 3 | 3 | 5 |
ノイズキャンセリング 性能 |
5 | 3 | 3 | 4 |
操作性 | 3 | 5 | 4 | 3 |
音質 | 4 | 4 | 5 | 3 |
大きさ | 4 | 4 | 4 | 4 |
駆動時間と 充電環境 |
3 | 4 | 4 | 3 |
アクセサリー | 3 | 5 | 4 | 3 |
iPhoneとの 相性 |
3 | 5 | 4 | 3 |
装着感
Bose QuietComfort EarBudsやBose QuietControl 30よりも装着した際の軽快感は薄れましたが、カナル型イヤホンのように長時間使用しても内耳が痛くならないのはQC Earbuds Ⅱから続く美点です。
AirPods Proを使用して内耳に異常を感じた経験があったり、他社のカナル型イヤホンを使用して内耳が痛くなる場合は、家電量販店の店頭に展示されているデモ機で装着感を確認してみてはいかがでしょうか。
また、完全ワイヤレスイヤホンは装着中に落ちやすいのではないかと考え、筆者はQuietControl 30やB&O PLAY Earsetなどのネックバンド型およびケーブル付きのワイヤレスイヤホンを使用していましたが、QuietComfort EarBudsおよびQC Earbuds Ⅱともに落ちたことはありません。
内耳が痛くならないのにしっかりと固定されるという、スタビリティバンドの有用性を実感しています。
ノイズキャンセリング性能
QC Ultra Earbudsのノイズキャンセリング性能がQC Earbuds Ⅱと比べて改善されたと感じるのは、飛行機の機内でのエンジン音、雑踏での他人の会話などの中音域のキャンセル効果です。
筆者は特にノイズキャンセリング性能を重視するからかもしれませんが、機内ではQC Earbuds Ⅱのノイズキャンセリングレベルが低くなっているのではないか、オフになっているのではないかと感じる場面が稀にありました。
特に、他社製品も含めて音楽再生時にはノイズキャンセリング性能の差が目立ちにくくなりますが、無音状態にすると真のノイズキャンセリング性能が確認でき、変なホワイトノイズが無いかもわかります。
そうした環境で、QC Ultra Earbudsのノイズキャンセリング性能は今回の比較対象品の中で最も優れていると評価します。
QC Earbuds Ⅱを愛用する筆者の家族から、「ジムでQC Ultra Earbudsを使用すると、外音取り込み(アウェア)モードにしないと他者の声がほぼ聞こえないほどのノイズキャンセリング効果を感じた」との評価もありました。
環境に応じたノイズキャンセリングモードの切り替えという点は、WF-1000XM5のほうが使い勝手が良い場面があります。
操作性
QC Ultra Earbudsの操作性に関する機能は、AirPods Pro(第2世代)やWF-1000XM5と比べて少なく、マルチポイント接続にも現時点で対応しておらず、アプリで別の機器に切り替えるしかありません。
マルチポイント接続には今後対応する予定と案内されていますので、早急に実現することが期待されます。
音質
QuietComfort 3の時代と比べれば、低音重視の音作りからフラットな特性に移行しているように感じます。
音楽再生時の音質という点では、筆者の好みもありますがWF-1000XM5が最も自然な音質に感じます。
QC Ultra Earbudsはイマーシブオーディオ(空間オーディオ)に対応、やっと他社製品に並んだと評価します。
ただし、iPhoneとペアリングして通話やTeams会議を行った際に、「バックノイズが酷く聞き取りづらい」という反応が複数人から寄せられました。
QuietControl 30や他社製品ではそのような指摘を受けたことはありませんが、QC Earbuds Ⅱを使用するようになってから何度も指摘されますので、改善が期待されます。
大きさ
AirPodsシリーズと比べて、Boseを含む他社製品はまだ大きめですが、Bose
QuietComfort EarBudsやWF-1000XM3と比べて年々小さくなっており、装着していても特に重さの差を感じることは少なくなってきました。
これには、QC Earbuds UltraとQC Earbuds Ⅱが採用するスタビリティバンドの軽快な装着感も良い影響を与えているでしょう。QC Earbuds Ultraのイヤーバッドの表面仕上げが、メタリック調になりました(表題画像右側)。
充電ケースの大きさはQC Earbuds Ⅱ(下記画像左側)と同じですが、Boseの文字がフラットな印字のシルバーに変更されています。
駆動時間と充電環境
ノイズキャンセリングをオンにした音楽再生環境で比較すると、QC Earbuds Ultraのバッテリー駆動時間は本体だけで6時間、充電ケースを用いて合計24時間です。
AirPods Pro(第2世代)のバッテリー駆動時間は本体だけで6時間、充電ケースを用いて合計30時間です。
WF-1000XM5のバッテリー駆動時間は本体だけで8時間、充電ケースを用いて合計24時間です。
実使用環境で大きな差を感じることは少ないでしょう。
ただし、AirPods Pro(第2世代)とWF-1000XM5は有線充電に加えてワイヤレス充電にも対応しているのに対し、QC Earbuds UltraはQC Earbuds Ⅱ同様、別売のワイヤレス充電ケースカバー(税込7,150円)を使用しないと有線充電しか利用できません。
アクセサリー
AirPods Pro(第2世代)に対応する各種アクセサリーの数は、Boseを含めた他社製品を圧倒しています。
iPhoneのアクセサリーやカバーと同じメーカーや同じ素材のものを使用して統一感を出したい場合は、AirPodシリーズが最適です。
iPhoneとの相性
「探す」に対応しているなど、Apple製品と組み合わせて使用する場合はAirPodシリーズが最も相性の良い製品です。
ペアリングが容易であり、Bose製品よりもアップデートの頻度が高いのも機能改善に有利な点です。
「Bose Music」アプリにはイマーションモードが追加されましたが、WF-1000XM5と比べても設定可能な項目が少なく、改善が望まれます。
まとめ
QC Earbuds Ultraは、ノイズキャンセリングヘッドホンの先駆者であるBoseらしい、高いノイズキャンセリング性能を誇る製品です。
デザインは基本的にQC Earbuds Ⅱと同じですので、変更点はイマーシブオーディオへの対応が中心と事前に予想していましたが、ノイズキャンセリング性能がQC Earbuds Ⅱユーザーでも実感できるほど改善されていたのは大きな収穫でした。
筆者宅では今後、家族の分も含めてQC Earbuds ⅡからQC Earbuds Ultraに移行する予定です。
なお、筆者は出張移動時に使用することが多く、そうした場合は荷物軽減のためにワイヤレス充電器を持参しませんので、ワイヤレス充電ケースカバーの必要性は現時点で感じていません。
Source:Bose QuietComfort Ultra Earbuds
(FT729)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-570678/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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