「プラモの達人」が欲しいと思っている2024年発売のミリタリープラモデル5選

【&GPゆく年くる年ー2024年先取り情報】

2023年のホビー(プラモデル)を振り返ってみると、5月の静岡ホビーショーは事前登録制でしたが、5月頭の段階で定員に達して、3日間の一般公開日(初日は小中高校生招待日)は大いに盛り上がりを見せていました。

「模型の世界首都」をキャッチにプラモデルの出荷額で国内8割のシェアを持つ静岡市だけに、ホビーショーへの期待は大きく、『静岡市プラモデル化計画』と銘打ち2021年来市内に接地されているプラモデルをかたどった「プラモニュメント」も、2023年8月の時点で市内9か所と数を増やしています。

とはいうものの、ここ数年コロナ渦による巣ごもり需要で右肩上がり、品薄感がつきまとった需要も、コロナの収束に伴い勢いが収束しつつあるように思います。人気のキャラクター系プラモは品薄と転売屋問題で、ユーザー離れが加速しているとも聞きます。また海外メーカーに目を向けると、新規メーカーの参入、新製品攻勢は相変わらずですが、円安の影響か輸入キットの価格が高騰しており、1/72大戦機でも7000~8000円台と、魅力的なアイテムが立て続けにリリースされるのは嬉しいけれど懐には厳しいというのが多くのモデラーの本音です。

なんだネガティブな話ばかりのような気がしますが、そうはいいながらも国内外のメーカーともども新製品ラッシュは相変わらず。巣ごもり事情で参入してきた新規ユーザーに向けての特集などと併せて、模型誌の誌面を賑わしています。それと同時にプラモを取り巻く製作ツールや塗料等もまた充実化しているのはありがたいですね。

個人的に2023年でもっとも印象深かったキットは、なかなか1点には絞り辛いのですが、強いてコレ!と言うなら、連載『達人のプラモ術』で紹介したタミヤ「1/48 F-35B」です。

記事内でも書いていますが、これまでのスケールモデルの製作スタイルから一歩先んじたメーカー(タミヤ)の「これからのスケールモデルの在り方と意気込みと技術力、それが具現化された新世代プラモデルを体感できるキット」ということで選びました。

次点はICMの「1/35 アメリカ陸軍重輸送ヘリコプターCH-54Aタルヘ」を挙げようと思います。デカい!細かい!そして高い(2万円超え)!、でも作って面白いキットでした。

ということで、2023年を振り返ったあとは、先のことを話しましょう。2024年に発売予定の、達人が気になる「これは欲しい!」プラモデルからミリタリーキットを5つご紹介します。

 

1. イタリア空軍最優秀戦闘機が1/32スケールで登場!

イタレリ
「1/32 マッキMC.202フォルゴーレ(日本語対訳補足説明書付属)」(プラッツ扱い:1万7280円)
※2月発売予定

第二次大戦で活躍したイタリアの戦闘機といえばマッキ「MC.202」なんですが…「そんなんあったの?」と言われることが多いマイナー機ではあります。しかし同機は、シュナイダー・トロフィー・レースのレーサーを製作していた名門マッキ社が製造した、第二次世界大戦中のイタリアの主力戦闘機であります(フォルゴーレ=イタリア語で雷光の意味)。

前身である「MC.200サエッタ」は性能的にさえない戦闘機だったんですが、ダイムラー・ベンツから提供されたDB601エンジン(メッサーシュミットBF109に搭載)を積み、機体を大幅に改修したことで、高い運動性と速度性能を発揮。「MC.202」はトルクモーメントを打ち消すために左の翼が右翼に比べ20cmも長いという個性的なスタイルをしております。

今回初の1/32スケールということもあり、発売を大いに喜んでおります(すでに予約しちゃいました)。キットは特徴的なイタリア機の迷彩をデカールで再現できるとのこと。さらにコクピットはメーター類を立体感のある3Dデカールが付属するそうです。

 

2. 偉いぞエアフィックス!1/48でフェアリーガネットをキット化!

エアフィックス
「1/48 フェアリーガネット AS.1/AS.4」(並行輸入品:8900円~12000円)
※2月以降発売予定
※正規輸入はGSIクレオス(MR.HOBBY)で発売時期、価格ともに未定

ガネットは、1950年代にフェアリー社が開発したイギリス海軍の対潜哨戒機です。ターボプロップのエンジンに二重反転プロペラ、魚雷や爆弾を胴体内部に収めるための太い胴体、何でそうなったと言わざるを得ない折りたたみ機構を持つ緩い逆ガル翼とかまぁ、ともかく特徴的な飛行機なんですね。個性的すぎる外観から『世界でもっとも醜い航空機』とも言われておりました。ちなみ愛称のガネットはカツオドリのこと。

そんな機体を今回、エアフィックスが1/48スケールで初キット化! 英国機フリークとしては「ありがとうエアフィックス!」と声を大にして叫びたい! この調子で1/48でワイバーンもぜひ!

…まっそれはさておき、キットはガネットの変な…もとい特徴的なZ字状の折り畳み翼をはじめ、胴体内部の兵装など余すところなく1/48スケールで再現しています。正規輸入メーカーからの発売時期は今のところ未定ですが、達人は待ちきれずエアフィックスから直接購入しちゃいました。国内では並行輸入品が早くも入荷しているようです。

▲エアフィックスの工場はインドにあるので、直送便はこんな箱で届きます

 

3. サンダーバーズ仕様のF-4Eが待ち遠しい!

ファインモールド
「1/72 アメリカ空軍F-4Eサンダーバーズ(限定品)(5060円)
※3月発売予定

2021年4月にファインモールド「1/72 F-4E ベトナムウォー」を製作しているのですが、2024年3月にはアメリカ空軍F-4Eサンダーバーズが発売されます。

サンダーバーズはアメリカの空軍公式アクロバットチームで、1969年よりF-4Eを使用していました。当時の石油ショックによる燃料費の高騰やベトナム戦後のインフレの影響から、わずか4年で後継機のT-38練習機に機種変更されてしまったけれど…。白を基調に雷鳥をモチーフにした派手なスキムを纏ったサンダーバーズF-4Eは実に魅力的です。

余談ですが同時期に海軍でもF-4Jファントムを使用していました(以前『達人のプラモ術』で製作)。

今回サンダーバーズ仕様のキットにはコクピットに座るパイロットフィギュアが付属するのもありがたいです。

 

4. 74式戦車最強バージョンのG型が作りたい!

ホビージャパン
「1/35 陸上自衛隊74式戦車G型」(9460円)
※2月発売予定

ホビージャパンの1/35 HJモデルキットシリーズの第5弾として、今回新たに74式戦車近代化改修Ver.であるG型(74式戦車改修)がラインアップ。

レーザー検知装置、パッシブ式IR暗視装置、12.7mm弾薬箱ラック、ケーブル装甲カバー、履帯脱落防止用リング、サイドスカートなどなど、G型の外観的特徴を精密再現。防水キャンバスパーツは3種類用意することで砲身仰俯角の選択が可能となっています。

また車車体後部ハッチ開閉可能で、内部は実車通りトランスミッションを再現。しばらくAFVモデルを製作していないですが、2024年3月に惜しまれつつ退役が予定されている74式戦車、それもG型! 内容テンコ盛りのキットなのでこれは是非に作りたい!

 

5. 新進メーカー発!武装テンコ盛りが魅力のミラージュ2000D

モデルズビット
「1/72 フランス ダッソー ミラージュ 2000D(ストーム シャドウ巡航ミサイル)」(ビーバーコーポレーション扱い:1万2100円)
※1月発売予定

新進メーカーモデルズビットからは1/72スケールでフランスの誇るデルタ翼戦闘機ミラージュ2000D(複座型)がリリースされます。ストーム シャドウ巡航ミサイルをはじめ、GBU12レーザー誘導爆弾、マトラマジックなど多彩なウエポンが付属。

ミラージュはデルタ翼戦闘機だけに翼下面の武装がよく映えるんですよ。1/72スケールで1万円越えは高いといえば高いのですが…ディテールも良さげだし、これは作りたいキットだなぁ~。

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<文/長谷川迷人>

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTube
モデルアート公式チャンネル」
などでもレビューを配信中。

 

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