iOS17.4ベータから判明!Apple、Siri進化にChatGPTを活用

SiriとChatGPT
 
iOS17.4の開発者向けベータから、AppleがChatGPTも活用しながら、iOS18に採用する人工知能(AI)モデルの開発に取り組んでいることが分かった、と米メディア9to5Macが報じています。Appleは現在、自社開発のAIモデルとChatGPTの結果を比較しながら開発に取り組んでいるようです。
 

■3行で分かる、この記事のポイント
1. iOS17.4ベータから、Appleの自社開発AIモデルに関する記述が発見された。
2. OpenAIのChatGPTと自社開発AIの回答を比較し、開発に活用している模様。
3. Appleはユーザーのプライバシーを重視し、デバイス上で処理が完結することを重視。

 

iOS17.4からAppleの自社開発AIモデルに関する記述

2024年6月の発表が見込まれるiOS18では、Siriが大幅に進化すると噂されています。
 
9to5Macによると、iOS17.4の開発者向けベータから、Appleが開発したAIモデル「SiriSummarization」に関する記述が発見されました。
 
SiriSummarizationはネットワークに依存せずデバイス上で処理が完結するオンデバイス動作が可能で、ChatGPTのAPIを呼び出して文章の要約、質問への回答などをさせる機能が盛り込まれています。

自社開発モデルとChatGPTの結果を比較し開発に活用

複数のスクリーンショットを公開した9to5Macは、iOS18に搭載するAIをChatGPTで動作させるのではなく、プロンプトに対するSiriSummarizationとChatGPTの回答を比較し、開発に活用する目的だろう、と推測しています。
 
SiriSummarizationのシステムプロンプトには、iMessageやSMSで命令が入力された場合の対応についても記述があります。これは、質問に答えて文章を自動で完成させる機能がある、というAppleのAI機能に関するBloombergの報道とも符合します。
 
iOS18は、例年どおりなら6月上旬の世界開発者会議(WWDC24)で発表されるとみられます。

4つのAIモデルを開発に使用か

iOS17.4のコードから、Appleは現在、4つのモデルをテストしている模様です。
 
そのうち2つは、Apple内部で「Ajax」と呼ばれるモデルを用いた「AjaxGPT」のオンデバイス版とネットワークを使用するバージョン。そしてChatGPT、FLAN-T5です。

ユーザープライバシー重視がSiriの進化の足かせに?

ユーザーのプライバシーを重視するAppleは、ユーザーから得た情報の用途を厳しく制限しています。その制限ゆえに、AppleはSiriを2011年に公開しているにも関わらず、2014年のAlexa、2017年のGoogleアシスタントよりも進化が遅いのではないか、との批判もあります。
 
「プライバシーは基本的人権」と位置付けるAppleは、iOS18に搭載されるAIモデルも、デバイス上で処理を完結させる方針を踏襲するのではないかと噂されています。ユーザーとしては、プライバシーを保護しつつ、適切に動作するAIモデルの実現に期待したいところです。

 
 
Photo:9to5Mac
(hato)


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