製造業の人材課題をAIで解決へ、日本×台湾双方の技術と経験をいかして協力

日本の経済産業省が発表した「ものづくり白書」によると、日本の製造業はロシアによるウクライナ侵攻の影響を大きく受けてサプライチェーンが不安定になっているという。

労働力不足と原材料価格の上昇、そして人材育成の指導者や育成時間の不足が問題となっているなかで、製造業界ではAIの活用で問題解消をねらう機運が高まっている。

そんななか、日本市場のDX需要に注目している台湾企業がある。Profet AI社は2018年の創業以来、AI技術によって製造業の課題解決に取り組んできた。同社は2024年初めに日本の地元販売代理店2社との提携を発表。Profet AIは今後両社と協力して、日本製造業がデジタル変革をスムーズに推進できるよう支援していく方針だ。

製造業向けAIソフトメーカーのProfet AI

Profet AIは市場で数少ない製造業専門のAIソフトウェアメーカーであり、これまで製造業の研究開発、生産、販売、人材リソースなどにおける多様な問題解決をサポートしてきた。

同社は、AIツールを使用してノーコードで機械学習モデルを構築できるプラットフォーム「AutoML」や、AI導入管理プラットフォーム「AILM(AI Lifecycle Management)」を提供。AutoMLでは、製造業で多用されるML(機械学習)のアルゴリズムとノーコードAIにより、一般の従業員もスピーディーにモデルを自動的に生成することが可能。より知識のある従業員は、詳細な設定でアルゴリズムを調整し、最適な予測モデルを構築できる。

一方、AILMでは、管理者がダッシュボードでAI応用の現状を把握し、AIプロジェクトの実行速度とリソースの評価をスムーズに行える。さらに、社内のAI活用ノウハウを蓄積して共有することも可能。AutoMLとAILMを活用すれば、ベテラン技術者がより効率的にその経験を後継者へ伝承するほか、サプライチェーンの危険性や原材料価格を予測して、生産コストを削減することが可能だという。

これにより、製造業の課題である不安定なサプライチェーン、労働力や人材育成時間の不足などの改善が見込めるだろう。

台日提携により、製造業DXに新たな価値を創出

台湾は半導体や電子製造、情報通信の分野で豊富な経験と技術を有し、工業ソフトウェアやAI技術を生み出す恵まれた環境が整っている。一方、日本は工業ハードウェアや製造方法などの分野で豊富な経験を有していることから、同社は台湾と日本が協力すれば製造業のDX化をさらに推進できるとの見方を示している。

早稲田大学の入山章栄教授によると、台湾と日本の提携における要点を3つ挙げている*。

1つ目は、台湾と日本は国境を超えたスタートアップのコミュニティを立ち上げ、それぞれの基礎と相補性を十分に発揮して共栄を目指すべきという点。2つ目は、既存の貿易にとどまらず、共同で進化できるエコシステムを発展させるべきという点。

3つ目は、内需市場に限りがある日本が台湾と協力することで、双方の国内需要を満足させるだけでなく、国際市場を開拓して影響力をより広げ、両国が協力して未来を共創できるようになる点だ。

今後、Profet AIは日本企業との提携を通じて日台間の交流を継続し、製造業のデジタル新時代を共同で切り開いていく構えを示している。

*日本・台湾スタートアップサミット2022

参考元:
PR TIMES
Profet AI

(文・Haruka Isobe)


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