「ゆで次郎」の別業態「もつ次郎」が各地で絶大な支持を得るなど、ここに来て静かなブームとなりつつあるモツ、そしてホルモン。近年では一般的なスーパーマーケットでも、これら「モツホル」商材を扱っているのをよく見かけるようになり、静かなブームから本格ブームになるのではないかとも思える昨今です。
ところで、モツとホルモン…一見同じように思いますが、モツが牛・豚・鶏の内蔵全般を指すのに対し、ホルモンは牛・豚の腸に限定して指すことが多いようです。ただし、いずれに共通するのは、「内蔵具材」をそのまま仕入れても臭みとりなどの下処理が結構大変で、手間がかかるところ。
こういった手間を考えると、前述のような「モツホル」商材は、「温めるだけ」「味付けするだけ」などで簡単に口にできるのがありがたく、家飲み・家ご飯の時間がより豊かになります。
そこで今回は、スーパーマーケットで見つけた「モツホル」商材3種を食べ比べしてご紹介。それぞれの味わいの特徴に迫りたいと思います。
■【雷太郎『ジャン辛もつ煮』】温めるだけで「上州もつの味」が自宅で再現できる!
▲「雷太郎」の「ジャン辛もつ煮」
まず最初は、群馬のブランド「雷太郎」による「ジャン辛もつ煮」からいただきます。
近年静かに盛り上がるモツ煮ブームのきっかけとも言える「上州もつ煮」の個性を踏襲し、ブレンド味噌やニンニクでコク深い味わいに仕上げている「雷太郎」。前橋市の本店では、持ち帰りのみの営業にもかかわらず、地元で絶大な支持を誇っているとのこと。また、これ以外にも関東エリアのスーパーマーケットや物産館などでも販売されており、比較的入手しやすいのも特徴です。
▲辛くてうますぎの「ジャン辛もつ煮」。ビールもご飯もグングン進みます
「雷太郎」の「もつ煮」は、「ジャンもつ煮」「ジャン辛もつ煮」の2種がありますが、筆者は『サミット』で売っていた「ジャン辛もつ煮」のほうをチョイス。
パッケージごと湯煎すること10分、しっかり温まった「ジャン辛もつ煮」を器に盛ると、すでにニンニクとスパイシーな辛みが香ばしく立ち上がりました。
さっそく口にすると、これが激ウマ! 強烈な辛みに加え、後からジワジワ押し上げる濃厚なコクと旨み、そして白もつのコリコリ食感が美味。言うまでもなくビールなどのお酒のおつまみはもちろん、ご飯も止まらなくなる勢いです。
こんなハイレベルのモツ煮をごく優等生的なスーパーマーケット『サミット』で買えるとは……良い時代になったと嬉しく思いました。
■【関越物産『国産豚のもつ煮』】流通量の多さからの入手しやすさとアレンジの幅が◎
▲「関越物産」の「国産豚のもつ煮」
続いては、あちこちのスーパーマーケットで見かける「関越物産」の「国産豚のもつ煮」をいただきます。この「関越物産」は群馬や埼玉にも工場を持ち、これまたモツにうるさいエリア発のハイレベルな味わいが期待できそうです。また、あちこちで見かけることから流通量が多いことも伝わり、入手しやすい点も本商品の特長と言って良いでしょう。
「国産豚のもつ煮」は基本味噌仕立てですので、このままでも美味しそうですが、これをベースにアレンジしていただくのも良さそうです。筆者は辛いモツが好きなので、豆板醤や唐辛子を加え、野菜と一緒に炒めていただいてみました。
▲「国産豚のもつ煮」のアレンジバージョン。これまた激ウマでした
元々の味噌仕立てのコク深さ、モツそのものの旨みに辛みを加えたことで、一緒に炒めた野菜類をバクバク食べられる料理になりました。もちろん、ビールやご飯との相性も抜群。この万能性なら、他にもラーメンの具材、カレーのトッピングなどにしても合うように思いました。料理好きの人には特にオススメしたい一品です。
■【協和食品『焼肉道 牛焼肉ホルモン(ぎあら)』】特製ダレで1切でご飯一膳行けるかも?
▲「協和食品」の「焼肉道 牛焼肉ホルモン(ぎあら)」
そして最後に「協和食品」の「焼肉道 牛焼肉ホルモン(ぎあら)」をいただきます。
こだわり食品を置くスーパーマーケットでたまに見かける本商品は、複数の焼肉店を運営する「協和食品」の流通用商材。その名の通り、牛の第四胃袋のギアラを特製ダレで味付けしたもののようで、この店はプロの焼肉店ならではの味に期待できそうです。
▲酸味ある特性ダレで見た目よりも辛くなく、むしろ上品にさえ感じる味わい
さっそく温めていただきましたが、見た目よりも辛さ控えめである一方、コク深い味噌の味わいの中に酸味を感じました。豚足タレによくあるような酸味で、これが不思議とホルモンにもベストマッチ。なかなか個性的な味わいである一方、どこか上品にさえ感じました。
これらのことから、モツやホルモン初心者の方や食べ慣れないお子さんなどでも比較的スンナリ口にできるようにも思いました。そう考えると、この「焼肉道 牛焼肉ホルモン(ぎあら)」もまた汎用性の高い商品。誰が食べても間違いなく美味しく感じられるはずです。
■本格派から汎用度高めまで。「モツホル」商材の進化が目の当たりに
▲スーパーマーケットなどで手軽に買えるようになった「モツホル」商材、ぜひ一度!
ここまでスーパーマーケットで見つけた3種の「モツホル」商材を食べ比べしましたが、「雷太郎」のような本格的な味わいの商品から、「関越物産」のような優等生的な味わいのもの、「協和食品」のような特性ダレで個性を打ち出したものまで実に様々でした。
いずれにしても、少し前まではなかなか入手しにくかった「モツホル」商材が、近所のスーパーマーケットで目にするようになったことは大いに喜ばしいこと。あなた好みの一品を見つけて、家飲み・家ご飯の時間をより楽しものにしてくださいね。
<取材・文/松田義人(deco)>
松田義人|編集プロダクション・deco代表。趣味は旅行、酒、料理(調理・食べる)、キャンプ、温泉、クルマ・バイクなど。クルマ・バイクはちょっと足りないような小型のものが好き。台湾に詳しく『台北以外の台湾ガイド』(亜紀書房)、『パワースポット・オブ・台湾』(玄光社)をはじめ著書多数
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