iPhoneの容量確保には「iCloud」と「Googleドライブ」どっちが良い?|iPhoneでGoogle

【iPhoneでGoogle】

iPhoneのOSを更新するタイミングや、旅行で大量に撮影したいといったタイミングで“端末のストレージが足りない”となり、データの整理をしようにも、やっぱり手間がかかるものです。そんな状況になると、クラウドストレージの活用を考えようという人も少なくないことでしょう。

その際にiPhoneユーザーの検討候補に上がるのがApple純正の「iCloud」、もしくはGoogleが提供する「Googleドライブ」のようなサードパーティ製サービスではないでしょうか。

今回は、このふたつのサービスにおけるそれぞれの特徴を確認し、比較検討の際のポイントを押さえていきましょう。

 

■使える容量と料金を比べてみよう

まずはiCloudとGoogleドライブで保存に使える容量を比べてみましょう。

無料アカウントについては、iCloudは5GBが使用可能。一方、Googleドライブではアカウントに紐づいた15GBの容量が使えます。

ただし、こういった容量は、ファイルの保存だけに使われるわけではありません。例えば、iCloudの容量は「メール」などでも消費されますし、Googleサービスにおける15GBは、Googleドライブだけでなく、「Gmail」や「Googleフォト」などでも使われます。実質的に使える容量は、数字よりも目減りするのです。

そこで考えなければならないのが有料プランの活用。iCloudでは有料プランとして「iCloud+」が展開されており、月額130円(税込、以下同)で50GB、月額400円で200GB、月額1300円で2TB、月額3900円で6TB、月額7900円で12TBの保存が可能です。

一方のGoogleアカウントでは、有料プランとして「Google One」が提供されています。料金体系は、月額250円または年額2500円で100GB、月額380円または年額3800円で200GB、月額1300円または年額1万3000円で2TB、月額3300円または年額3万4800円で5TB、月額6500円で10TB、月額1万3000円で20TB、月額1万9400円で30TBです。

iCloud+とGoogle Oneの料金体系

たくさんの容量の選択肢がありますが、おそらく大部分のユーザーは、この中から低容量のプランを使うことになると思われます。

そのため現実的な選択肢の候補として有力なのは、iCloud+の50GBプラン(月額130円)と、Google Oneの100GBプラン(月額250円 or 年額2500円)。または、iCloud+の200GBプラン(月額400円)と、Google Oneの200GBプラン(月額380円 or 年額3800円)です。

 

■それぞれの特徴について

iCloudを利用する最大のメリットは、Apple IDを作成していれば簡単に使えることです。有料プランへ移行する際にも、別途アプリをインストールする必要はなく、設定アプリ内の操作で行えます。また、iCloudには、iPhoneのデータをまるごとバックアップしておけることもポイント。大容量プランを購読し、Wi-Fi経由で端末のバックアップを行えば、万が一の紛失や故障への備えにもなります。

一方、Googleドライブを使うメリットとしては、PCやAndroidなどほかの端末からもデータをアップロード・ダウンロードが行いやすいという点が挙げられます。バックアップしたデータの挙動もiCloudと比べると分かりやすく、使っている際に混乱することも少ないでしょう。

ただし、Googleドライブは、iPhoneのデータをまるごとバックアップする用途にはあまり向きません。一応、写真や動画を「Googleフォト」、連絡先は「Googleコンタクト」、カレンダーの予定は「Googleカレンダー」のように、バラバラにデータをバックアップすることはできますが、復旧用のバックアップとして使うにはやや不向きです。

iCloudとGoogleドライブの画面イメージ ▲iPhone全体のバックアップはiCloudが向いている。一方、フォルダを使った管理・整理のしやすさは「Googleドライブ」の方が扱いやすい印象だ

 

■操作性について

最後にデータを手動でアップロードしようと思った際の操作性について、iCloudとGoogleドライブで比較してみましょう。

iPhoneからiCloudを使う場合には、基本的には「ファイル」アプリを活用することになります。同アプリ内の「iCloud Drive」のフォルダにデータを保存すれば、iCloudの容量を使ってクラウドストレージ上にデータを保存できます。

ただし、“アプリごと”にフォルダが自動作成されやすいので、手動でのデータ整理・管理をするのがやや億劫な印象。「フォルダ」を使った管理よりも「タグ」を使った管理の方が向いている設計でもあるため、管理手法に慣れるまで時間がかかりがちです。

一方、Googleドライブは、App Storeで専用アプリが提供されています。こちらのメリットとしては、フォルダを使った管理方法や、他のユーザーとフォルダを共有しての同時作業などが行いやすいことが挙げられます。ただし、例えば表計算ソフトのデータは「Googleスプレッドシート」アプリを連携させて使う必要があるなど、こちらも慣れが必要な部分がないわけではありません。

iCloudとGoogleドライブの画面イメージ ▲「ファイル」アプリからアクセスできる「iCloud Drive」の画面では、アプリごとにフォルダが作成されている。フォルダよりもタグ機能を使った管理方法に慣れることが重要だ(左)。「Googleドライブ」アプリでは、スターを付けたファイルや、他のユーザーと共有設定をしたファイルだけを表示させることができるなど、日常的な使い勝手に優れている印象だ(右)

* * *

比較条件が多いので余計悩んでしまいそうですが、まとめると

(1)「iPhoneのバックアップを丸ごと作成するならばiCloud+の200GBプランを契約する」

(2)「PCやAndroid、ほかのユーザーとも連携しつつ、写真やファイルの保存管理場所として活用するなら、Googleドライブの100GBを活用する」

などの運用スタイルから検討を始めてみてはどうでしょうか。

ちなみに、新しくiPhoneやiPadを購入し、それまで使っていたデバイスをiCloudにバックアップするためにiCloudのストレージを使いたい場合には、一時的に無料で追加のiCloudストレージを利用できることがあります。本稿では詳細を割愛しますが、必要に応じて公式のヘルプページ等をチェックしてみてください。

なお、iPhoneでGoogleドライブを活用する具体的なテクニックについては、こちらの記事(iPhoneでGoogleドライブ活用術にて取り上げているので、参考にしてみてください。

>> iPhoneでGoogle

<文/井上 晃

井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。X

 

 

 

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