市場調査会社Omdiaが、Vision Proが想定よりも売れない理由を考察しています。
Metaやソニーの製品も含めて市場の期待を下回るヘッドセットデバイスの市場成長率、Vision Proもその壁を超えられていない理由としてCNBCは、部品単価が高く、それにも関わらずAppleが高い利益率を確保しようとしていることで販売価格が高額すぎることを挙げています。
マイクロOLEDマイクロディスプレイだけでも約72,500円
Vision Proで最も高い部品は、ソニー製の有機EL(OLED)マイクロディスプレイで、その価格は左右合わせて456ドル(約72,500円)とのことです。
更に、120ドル(約19,000円)のM2と60ドル(約9,500円)のR1の部品単価の高さも販売価格に影響を与えているようです。
結果、Vision Proの部品単価合計額は1,542ドル(約245,000円)に達しています。
Vision Proの利益率は55.9%、iPhone15 Pro Maxは53.5%
こうした部品単価合計額を踏まえて販売台数を増やすため、Appleは利益率を抑えて普及を図るのかと思いきや、Vision Proの利益率は55.9%と、利益率が53.5%のiPhone15 Pro Maxよりも高いとOmdiaは指摘しています。
これは開発費の高さが影響していると考えられ、完全新製品であるVision Proには多額の投資が行われており、世代を重ねてきたiPhoneと単純比較できない面はあるでしょう。
また、製品デモなど販売に要する経費もVision ProはiPhoneよりも高くつきそうです。
Vision Proの直接的な後継品の値下げも期待薄
それでも、Vision Proの利益率は積極的に市場を創出しようと考える製品のものとは思えず、もはやAppleはこの製品を観測気球として、新たなVision Proなどで製造コスト抑制と販売価格値下げを計画しているとしか思えません。
その場合でも、Vision Proの直接的な後継品を値下げする可能性は限りなく低く、Vision Pro SEなど低価格にしたことを理由付けできる製品を投入するしかなさそうに感じます。
Source:Notebookcheck
Photo:Apple
- Original:https://iphone-mania.jp/news-583139/
- Source:iPhone Mania
- Author:FT729
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