インドAereo、ドローン測量・AIデータ解析で農村部の問題を解決、鉱山開発にも対応

世界的に急速な成長を続け、巨大市場となったドローン市場を牽引するのは、特に土木・建築、インフラ分野だ。

インフラ整備が不十分な新興国の農村部では、土地の測量が大きな課題となっている。村などの自治体が土地の全容を把握できていないと、農地面積や具体的な収穫量を算出できないだけでなく、土地の所有権を巡る争いの原因にもなるためだ。

ドローンソリューションを展開するインドのスタートアップAereoは、こうした問題を解決するとして国内外の投資家から注目を集めている。7月には360 ONE Asset主導のシリーズBラウンドで1500万ドルの資金を調達した。この資金は、今後の世界展開に活用されるという。

Image Credits:Aereo

1回の飛行で100ヘクタール以上をカバーするという同社は、現時点でインド全国4万5000以上の村落で5万平方キロメートルをマッピングした実績を持つ。過去2年間で400%の収益成長を果たし、国内市場での地位を確立している。

大規模不動産・資産管理を支援するドローンソリューション

正確にはAereoの事業内容は、ドローンとAIを活用した独自のデータ分析プラットフォームでソリューションを提供、大規模な不動産・資産管理を支援するというもの。同社のドローンサービスは農村・都市開発や土地記録、インフラ、鉱業などさまざまな業界に対応している。

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たとえばドローンを飛ばして農村の土地を測量、AIデータ分析で正確な面積を解析すれば、収穫量の予測や課税調査も可能だ。土地所有に関する紛争を解決するために証拠を収集する使い方もある。さらに、周囲の地形の状況をデータ化すれば、水害や土砂災害の可能性をシミュレートすることもできる。

鉱山開発で活躍、効率的な太陽光パネル設置にも

上の画像にもあるとおり、Aereoのサービスは鉱山の分析でも活躍している。インドの超巨大財閥であるTataグループの中核企業Tata Steelと2019年から契約を結び、Tata所有鉱山27ヵ所で航空調査を行っている。現時点では、同社が調査した鉱山は750ヵ所以上。

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鉱物の露天掘りの場合、現場の地形は人の手によって日々変化する。その中にトラックなどの重機を通す道を設け、さらに上下の工業用水を供給する必要がある。建設計画を順調に進めるために、航空写真とそこから分析して得たデータが欠かせない。

高頻度な調査で進捗状況を追跡、ピット全体の傾斜分析やストックパイル・ダンプ容積の推定などを行うほか、環境汚染や崩落事故などを防止してコンプ愛ランスを遵守した現場を実現する。

また、Aereoの航空調査は太陽光パネルの設置工事においても貴重なデータをもたらしてくれる。

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最近では景観を損なうとして太陽光パネルの「設置過多」が問題になっているが、太陽光発電に適した土地かどうか数メートル単位で把握すれば、より効率的なパネル設置が実現する。

2種類のドローンが調査を実施

Aereoのデータキャプチャ作業を担うのは2種類のドローンだ。

4軸ローターの「Aereo-INP」は、最大40分の飛行時間と100ヘクタール/1回飛行のマッピング能力を持つ。搭載カメラは1ピクセルにつき2センチメートルのキャプチャが可能。

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4軸+後部推進ローター付きの単葉機型ドローン「Aereo-ZFR」は、さらに高性能。最大120分の飛行時間、400ヘクタール/1回飛行のマッピング能力にくわえ、Aereo-INPと同等のキャプチャ能力を持っている。

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DX化はおろかインフラ整備すらも行き届かない農村において、航空測量は大きなコストと人手が伴うものだった。それがドローン技術の確立とAIの進化により、少ないコストで安全に実行できるようになったのだ。

Aereoの共同創設者兼 CEOであるVipul Singh氏は、シリーズB資金調達について「100億ドル規模のドローン業界に革命を起こし、世界的な足跡を残すことを目指す」と述べている。

参考:
Aereo
PR Newswire

(文・澤田 真一)


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