組み立てめちゃラク!単純構造に見えて程良く燃える“技あり”焚き火台

【アウトドア銘品図鑑】

「30〜35cmの薪をそのままくべられるサイズでそこそこ軽い」

「組み立て・後片付けが楽」

「長寿命」

焚き火台へのこだわりは人それぞれですが、この3点は多くのキャンパーに刺さる条件では。

“鹿番長”の愛称で知られるキャプテンスタッグではロングセラーの「ヘキサ ステンレスファイアグリル」をはじめ、いろいろなスタイルの焚き火台がラインナップされていますが、2024年に登場した「ハコ グリル A4型」(9000円)は、3つの条件を兼ね備えた上、ロストルのないシンプルなのによく燃えて、調理だってしやすい奇蹟の焚き火台です。

 

■2面の風防と脚を開くだけ

「ハコ グリル A4型」の構造は単純です。

コの字型の脚を開き、長辺側の風防を立ち上げる。たったこれだけで準備完了!

▲収納サイズ300×210×35mm、重量1.3kg。収納バッグは370×270×37mm

ステンレス製の本体とゴトク2つというシンプルな構成。

すべてリベットでとめられていて、ネジ止めや組みあわせの手間はありません。文字通り、開くだけ。

ちなみに風防はピタッと本体に収まっていますが、両側に切り込みがあり、その部分がへこんでいて引き出しやすくなっています。

▲使用サイズは385×270×H210mm

組み立ては30秒もかかりません。

これまでにも脚を引き出すだけの焚き火台はありましたが、「ハコ グリル A4型」のポイントは2面の風防と底。

焚き火台の多くは、積み重ねた薪の下にも燃焼に必要な空気を取り込めるよう、格子状のロストルを敷くものが多いのですが、「ハコ グリル A4型」は底に3本のリブ!

このリブが、風防のない短辺と平行になるよう伸びています。実はこれ、よく見ると小さな穴が開けられていて、ここから空気が取り込まれるというわけ。

▲灰を受け止めつつ空気を取り入れる小さな穴

せっかく短辺側の壁が低くなっているのでリブを短辺側と垂直に伸ばせば空気が入りやすいようにも思えますが、それでは薪が床にぺったりくっついてうまく空気が流れません。

それにリブを短辺側と平行にすることで底が歪みにくい。よく考えられています。

▲約30cmの薪がぴったり収まる

▲約35cmの薪は斜め置きでちょうどいい

長時間薪を燃やしていると灰がたまり、穴を塞ぐかもしれませんが、そこまで灰がたまるにはかなりの薪を燃やす必要あり。もし、もっと空気を送り込みたいなら、短辺側のフチに薪の端っこを載せて浮かせば、一部の低くなっているところから空気が入りやすくなります。なお、風防に薪を立てかけて燃やすのは推奨されていません。ご注意を。

 

■両側が開放しているので薪を追加しやすい

風防は2面のみ。おかげで調理時に薪を追加しやすいし、風を利用して燃え方を調整できるのが楽しい焚き火台です。


地面から本体底までの高さは約10cm。遮熱性の高いシートが不可欠ですが、足首あたりからあたたかいのはこの時期にうれしいポイントです。

▲ゴトクの耐荷重は1つにつき3kg

ふたつのゴトクは風防に載せるだけ。どこかに固定するわけではなく、自由に位置を変えられます。直径20cm前後(6~8インチ)のダッチオーブンを載せられるのも頼もしい!

▲ゴトクをスライドさせて位置を調整可能

ゴトクを近づければ小型の鍋や縦型ケトルだって安定して載せられます。

付属のゴトクふたつを載せた状態で同社「モンテV型卓上グリル用アミ270×180mm」を置くと、焚き火台全面で調理OK。

焼き網が付属していないのはちょっと残念ですが、あぶり焼きをしない人にとっては網は不要。各自のスタイルによって無駄なくカスタムできる仕様とも言えます。

世の中にはいろいろな焚き火台がありますが「ハコ グリル A4型」はシンプルに見えて技あり。料理好きソロキャンパーも納得の焚き火台です。

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<取材・文/大森弘恵 撮影協力/キャプテンスタッグ>

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。X

 

 

 

 

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