マグネットリリーサーより確実!進化形「エスビナー」が大切なモノを守ってくれます

【アウトドア銘品図鑑】

“ナイトアイズ(NITEIZE)”と言えばゲート(開閉口)が2つあるS字型カラビナ「エスビナー」を発明したアメリカのブランドですが、この「エスビナー」、年々進化してるって知ってました?

片手で簡単に開閉できるカラビナはキーホルダーとしてもめっちゃ優秀なのですが、たとえば吊しておいたベルトループから外そうとゲートを開いたときにうっかり吊していた鍵を落とすなんてこともあるわけです。

「エスビナー」はみんなのそうした、ちょっとした不満を解消した優れもの。ロープに引っかけるゲートと鍵などを取り付けるゲートを別々にしちゃった、目から鱗のデザインなのです。

今やサイズのバリエが増えたほか、うっかりゲート開放を防ぐロック付き、スイベル機構付きで2つのゲートがそれぞれ別方向に向けられるものもラインナップ。Z型やG型なんていう派生モデルも登場しています。

中でも注目は「360°マグネットスライドロックカラビナー」。

▲「360°マグネットスライドロックカラビナー」(3520円)

ゲートの向きを好きな方向に変えられて、開放防止のロック付き。さらにマグネットを使っていて分割だってできちゃう全部盛り!
その使い勝手をおさらいしましょう。

 

■マグネット付きで2分割できる

「360°マグネットスライドロックカラビナー」には「エスビナー」同様、2つのゲートがあるのですが、本体ど真ん中にマグネットが埋め込まれています。

▲本体が動かないよう固定した状態でリングを回転

中心部分のリングは、ロゴが読めるようにした状態で左に1回転させるとフリーになります。ちなみに、本体両側を持って回転させてもただただゲートの位置が変わるだけでリングは開放されません。ご注意を。

リングをフリーにしたままだとまだ繋がったままなんですが、少しひねるようにして力を加えると2分割!


このマグネット、結構強力で5cmほどの距離だと吸い寄せられてしまうほど。財布とともに持ち歩く場合は、クレジットカードなどの磁気カードは防磁シートに挟むなど対策が必要かも。

▲「ミニマライト リモートコントロール2.0」を吊り上げる

約145gの「ミニマライト リモートコントロール2.0」の吊り下げ用ワイヤーに近づけたところ、このとおり。こんなに細いワイヤーなのに、しっかりくっついています。強い。

そして2個のマグネットがくっついた状態なので、ゲートの向きを自由に変えられます。


「エスビナー360°スライドロックカラビナー」シリーズに似ていますが、今回紹介している「360°マグネットスライドロックカラビナー」はゲートの角度がある程度固定されるというか、そこそこ力を加えないと回ることはありません。

一方「エスビナー360°スライドロックカラビナー」は壁のフックに掛けたときでも自然に回転。厚みのあるモノを吊り下げていても壁に掛けやすいというのが利点なので、用途によって使い分けるのが正解です。

 

■ゲートのロック解除はちょっとコツが必要

ゲートのロック機構はというと、ワイヤーに取り付けられた小さな樹脂をスライドするだけ。


ワイヤーの根元あたりは本体に小さな溝があり、このパーツが挟まることで動きを止める。実にわかりやすい構造です。

▲ロック解除はゲートの外から、ロックするときはゲート内側から

なのでロック解除は、樹脂パーツをスライドさせてからゲート開放すればいいんです。

気をつけたいのはロックするとき。

写真ではよくわからないと思いますが、小さな溝はごくわずかに出口側が狭くなっています。そのためロック解除の時は、外側からワイヤーを押し込む操作と兼ねてすんなり動かせますが、ロックするときに同じようにゲートの外から操作するとパーツが引っかかってしまう。結構な力を入れても溝に入らないんです。

でもゲートの内側に指を入れて操作すると指1本でロック完了。ここら辺は慣れが必要です。

 

■吊す、挟む、くっつける!

「360°マグネットスライドロックカラビナー」は重量23gで耐荷重は約2.7kg。自重の約100倍のモノを吊り下げる強度があります。

▲ループに吊して身につける

鍵やミニライトの吊り下げではビクともしません。

もっともスタンダードな使い方は、下にキーなどを吊り下げ、上をロープやベルトループに引っかけることでしょう。

もっともシンプルな「エスビナー」は均一な丸みなんですが、「360°マグネットスライドロックカラビナー」はカラビナらしく片側が高くなっています。だからロープに引っかけたときの安定感が違います。

▲布に挟む

ギアループがなくて引っかけられないシャツやエプロンならマグネットで挟むのも手。リングで固定できないので何かに引っかけて落とすという危険はありますが、短時間の保管なら十分アリ。

▲鉄板にくっつける

クーラーボックスやスチール製ポールなどにくっつけておく、なんてこともできます。バンなら磁石が効く場所が多いので、車中泊時に鍵や眼鏡を保管するのに使えそう。

近年は100円ショップでも「エスビナー」っぽいカラビナや“マグネットリリーサー”を購入できます。でも、ナイトアイズのカラビナは破損しづらく大切な鍵を任せておける。多少値が張るように見えますが、鍵をなくして鍵屋さんに作ってもらうことの面倒くささとコストを考えると十分おつりが来ます。

それにマグネットは熱に弱いという特性があります。「360°マグネットスライドロックカラビナー」をはじめ、多くのマグネットリリーサーで採用しているネオジムは非常に強力ですが、80℃くらいから磁力が弱まり、一定以上の高温にさらされると回復しないとも。

普通に使っている分にはいいんですが、キャンプに持ち出すと熱々のダッチオーブンにくっついてた…なんてことも考えられるわけで油断できません。

その点「360°マグネットスライドロックカラビナー」は、万一、磁力が弱くなってもリングで物理的にロックできるので安心感が違いますよ!

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<取材・文/大森弘恵 撮影協力/シームーン>

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。X

 

 

 

 

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