【“旬モノ”BEST BUY大捜査】
開幕が迫った大阪・関西万博のコンセプトのひとつが「未来社会ショーケース」。その名の通り、未来の技術が会場内に集結する。ここでは、特に注目したい7つを紹介しよう。
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▼公式キャラクター ミャクミャク
(C)Expo 2025
大阪・関西万博では交通、デジタル、暮らしなどの面で未来を変えうる最新技術が導入・展示されている。なかでも、実際に乗ることができるEVバスや水素燃料電池船といったスマートモビリティはぜひこの機会に体感したい。インパクトの大きさではパソナグループによる立体心臓の展示も他にない生気に溢れたものになりそうだ。
万博で展示された技術が未来に実装されるというケースは多い。かつての大阪万博(1970年開催)で展示されていたワイヤレス通信は、今日では誰もが使っている。一足先に未来の当たり前を観に行こう。
<開催情報>
2025年日本国際博覧会(略称「大阪・関西万博」)が「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに2025年4月13日から10月13日までの184日間、大阪市の人工島「夢洲」で開催。
テクニカルライター 畑野壮太さん
テクノロジーやガジェットを好むライター。自身が中学3年生の時に開催された愛知万博では、会場までの交通手段であるリニモの乗り心地に感銘を受けた。
X:@hatakenoweb
■人の生活に密着した飛ぶ移動手段
「空飛ぶクルマ」
(C)Joby Aviation
SkyDriveやANAホールディングス/Jobyなど4つの事業者が空飛ぶクルマを運航します。交通や物流の未来が垣間見えるでしょう(畑野さん)
電気の力でヒトやモノを運ぶ垂直離着陸の小型航空機。「空飛ぶクルマ」という呼称は自動車のように利用しやすく、人々の生活に密着した存在になることを目指すという意思を表したものだ。万博では会場内と会場外をつなぐ2地点間飛行や会場周辺湾岸エリアの飛行が行われる。
■自動運転や走行しながら充電ができる
「EVバス」
自動運転レベル4なら一定の条件下で運転手の操作がなくとも走行可能。このレベルで一般道を走る大型バスは国内初です(畑野さん)
会場内外では約150台のEVバスが来場者の足になる。これらのバスには走行しな がら充電できる「走行中給電システム」が搭載され、一部の車両ではレベル4の自動運転も行われる。環境負荷の軽減に加え、ドライバーの人手不足にも対応する未来の公共交通だ。
■近未来の通信を一足先に体験
次世代通信基盤「IOEN」
世界の通信量は2010年から2025年の間に約90倍に爆増すると推計され、今後の増加も確実。IOWNはその課題を解決するカギになり得ます(畑野さん)
IOWNとはNTTが提唱する次世代の通信インフラのこと。最先端の光技術によって大容量、低遅延、低消費電力による通信が可能になる。2030年の実装を目指して研究開発が進められているが、NTTのパビリオンではIOWNによるコミュニケーションを一足先に体験できる。
■従来の太陽電池の課題を一挙解決
「ペロブスカイト太陽電池」
万博会場西側にある交通ターミナルのバス停屋根、約250mにフィルム型ペロブスカイト太陽電池が設置されています。この規模の設置は国内最大です(畑野さん)
軽量で曲げることが可能な次世代の太陽電池。ビルの壁面や耐荷重が低い屋根、電気自動車の上部など設置場所の可能性が広がる。太陽光エネルギーの電力への変換効率も従来の太陽電池と同水準。劣化が早いなど課題もあるが、研究の進歩で解決されつつある。
■iPS細胞で作られた心臓が拍動する
「iPS細胞を活用した立体の心臓モデル」
▲iPS心臓展示イメージ
▲開発中のiPS心臓(提供:クオリプス株式会社)
再生医療の第一人者である澤 芳樹さんによると「今回の展示は世界初ではないか」とのこと。医療の未来を目で体感しましょう(畑野さん)
さまざまな組織や臓器の細胞に分化可能で、ほぼ無限に増殖する能力を持つiPS細胞は再生医療を実現するための鍵を握る存在だ。パソナグループのパビリオンではこの細胞によって培養された立体の心臓が展示され、実際に拍動する様子を見られる。
■環境にやさしい船で快適な船旅を
「水素燃料電池船」
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船の全長は33mで定員は最大150人。「まほろば」と名付けられたこの船のデザインは未来を感じさせる独特なものになっています(畑野さん)
水素と酸素によって発電された電力によって動く船。CO2排出量がゼロで環境にやさしいうえ、従来の船のような騒音・振動がなく燃料の匂いもしない快適な乗り物だ。実際に乗れ、万博会場の夢洲、ユニバーサルシティポート、中之島GATEサウスピアの3カ所を結ぶ。
■会場内で水素を作り、貯めて、運ぶ
「水素サプライチェーン」
パナソニック製の純水素型燃料電池は高い発電効率を誇ります。燃料電池・太陽電池・蓄電池で工場の全使用電力を賄う実証実験も進行中です(畑野さん)
NTTパビリオン内で生成した水素を、地下に埋設されたパイプラインを通じて約200m離れたパナソニックグループパビリオンへ輸送。その水素を使い、燃料電池の電力を夜間のパビリオン照明などに活用する。水素活用に向けた安定供給・輸送の課題解決の実践だ。
■「ミャクミャク」グッズも続々登場!
ミズノ
「【大阪・関西万博】ミャクミャク メディシンボール」(1万450円)
新技術やパビリオンだけでなく“ミャクミャク”のグッズにも注目だ。メディシンボールは約2kgの重りがおなかの中に内蔵されており、おうちの中で軽いストレッチから。
※2025年4月4日発売「GoodsPress」5月号44-45ページの記事をもとに構成しています
<取材・文/桑木貴章>
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/668658/
- Source:&GP
- Author:&GP
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