【スマホAIの使い方】
昨今はスマートフォンのAI機能が続々と増えています。こうなってくると機種選びでもAI機能が重要になるのですが、購入前の比較段階でAI機能のバリエーションや使い勝手をリサーチするのは意外と大変です。
本稿では今回はサムスン電子の「Galaxy」シリーズについて、主要なAI機能をピックアップ。前編で紹介した6つの機能に引き続き、残りの機能について概要と使い勝手を順にチェックしていきます。
※本稿で紹介する手順・画面等は「Android 15」かつ「One UI 7.0」の「Galaxy S25 Ultra」(NTTドコモ版)のものです。バージョンやキャリア等で細かい差異がある可能性についてはご承知おきください。
7. ライブエフェクト
使ってみて意外に新鮮味があったのは「ライブエフェクト」という機能。「ギャラリー」アプリで静止画を開いて、上にスワイプすると「ライブエフェクト」というメニューが表示されます。これをタップすると静止画が動画に変換されます。
▲(左)写真を上スワイプして「ライブエフェクト」をタップ。(中)機能が実行され…。(右)奥行きを感じるように若干視点が動く動画になった。合成されたであろう輪郭部分はわかるものの、違和感はそこまでない
【筆者の評価】
・楽しさ:★★★☆☆
・使いやすさ:★★★★★
・実用性:★★★☆☆
・自分で使いたい度合い:★★★☆☆
・人に勧めたい度合い:★★★☆☆
▶︎ひとこと
静止画を動画素材にするときに、パン&ズームではないひと工夫ができます。使う場面はかなり限られるけど、撮り溜めた素材から動画を作る際には楽しめそう
8. 超解像度ズーム
撮影に関しては、AIによる補助も駆使した超解像度のズームが行えること自体も重要。最上位の「Galaxy S25 Ultra」などは100倍、「Galaxy S25」でも30倍のデジタル撮影が可能です。ハードに依存した最新機能というわけでもないので、数世代の機種に渡って使える最近のGalaxyにおける特徴的な機能でもありますね。
▲(左)高倍率のズーム時には画角調整用の画面が右上に表示されて被写体を狙いやすい(中)。数十メートル離れた電柱の上に止まったカラスも、このくらいの倍率なら自然に撮れてしまう。(右)100倍までズームにすると若干粗いものの、撮影自体は楽しい
【筆者の評価】
・楽しさ:★★★★☆
・使いやすさ:★★★★★
・実用性:★★★★★
・自分で使いたい度合い:★★★★★
・人に勧めたい度合い:★★★★★
▶︎ひとこと
野鳥やペットなどにカメラを向ける機会がある人なら、Galaxy S25 Ultraシリーズの望遠撮影はかなり楽しめると思います。ちなみに動画のズームも20倍までできますよ
9. かこって検索
Googleが提供している「かこって検索」もAI機能としてはもはや定番。ここで改めて語る必要もないかもしれません。ホームボタンを長押しするなどしてから、検索したい対象を指先で囲むなどして、さっと検索を実行できます。
▲(左)ホームボタンを長押しするなどしてから、画面に映っている気になるものを囲む。(右)検索結果が表示される
【筆者の評価】
・楽しさ:★★☆☆☆
・使いやすさ:★★★★★
・実用性:★★★★★
・自分で使いたい度合い:★★★★☆
・人に勧めたい度合い:★★★★☆
▶︎ひとこと
『かこって検索』に関しては、Sペンがあってもなくても、使い勝手にはさほど差はないと思いました
10. ノートアシスト
Sペン内蔵機種との相性が特に良いと感じたのは「ノートアシスト」機能です。テキストの要約や翻訳などができる機能ですが、シンプルに手書き文字のテキスト化も行えるので、ペンで書いたメモを整理する際に役立ちます。
▲(左)「Samsung Notes」アプリで手書きで雑にテキストを書いておき、星のアイコンから「自動フォーマット」をタップ。(中)「見出しと箇条書き」を選択。(右)「テキストのレイアウトを生成」をタップ
▲(左)左右スワイプで「テキストに変換」の画面を選び、(中)「追加」から「前に新しいページを追加」をタップ。(右)走り書きの雑な文字がテキストに変換された
【筆者の評価】
・楽しさ:★★★☆☆
・使いやすさ:★★★★☆
・実用性:★★★★★
・自分で使いたい度合い:★★★☆☆
・人に勧めたい度合い:★★★★☆
▶︎ひとこと
筆者は最初からキーボードでメモを取る派なので、フォーマットの調整や要約くらいしか使う機会がなさそうですが、手書きでメモをしたい人にはテキストへの変換も含めておすすめできる機能だと思います
11. 文字起こしアシスト
そして、記録のテキスト化という点では、「ボイスレコーダー」アプリから使える「文字起こしアシスト」も優秀です。録音したデータの画面から「文字起こし」をタップするだけで、内容をテキストにしてくれます。しかも、話者分離や「要約」画面でサマリーを表示してくれる機能まで備わっており、実用性は高いですね。
▲(左)「ボイスレコーダー」アプリで録音したデータを開き「文字起こし」をタップ。(中)処理が実行され…。(右)話者のラベル付きで文字起こし内容が表示された。テキスト化された内容はちょこちょこ間違ってはいるものの、十分及第点だろう
【筆者の評価】
・楽しさ:★★☆☆☆
・使いやすさ:★★★★★
・実用性:★★★★★
・自分で使いたい度合い:★★★★★
・人に勧めたい度合い:★★★★★
▶︎ひとこと
筆者のようにインタビューをする機会が多いライターはもちろん、議事録の作成や、マーケティングのユーザーインタビュー、セミナー・講義の内容の記録などにも使えるでしょう。日本語の認識精度も8割で、実用に耐えると思いますし、話者分離が無料で使えるのも秀逸です
12. フォトアシスト
「ギャラリー」アプリ内には、画像生成を活用した編集が行える機能もいくつか用意されています(「フォトアシスト」と総称されるようです)。
「生成AI編集」は、選択した被写体を削除したり、移動させたりできる機能。「AIスケッチ」は、画像に書き込んだスケッチを元に新規で被写体を合成する機能。「ポートレートスタジオ」は人の写真などをアニメ風など、指定のスタイルに変換できる機能です(ちなみにAIスケッチは「Samsung Notes」アプリでも使えます)。
▲(左)例として生成AI編集の利用手順イメージ。「ギャラリー」アプリで写真を開き、下部の星のアイコンをタップ。(右)Sペン等で被写体を選択して、ここでは左側の四角のアイコン(位置の調整等)をタップ
▲(左)被写体をドラッグ操作で移動してから「生成」をタップ。(右)自然に背景が調整された画像
【筆者の評価】
・楽しさ:★★★★☆
・使いやすさ:★★★★★
・実用性:★★★★★
・自分で使いたい度合い:★★★★★
・人に勧めたい度合い:★★★★★
▶︎ひとこと
AIスケッチやポートレートスタジオは、初見では楽しいのですが、数回使ったら飽きそうだなとは感じました。一方で、生成AI編集については、さほど楽しさはない反面、実用性が高く、長く日常的に使えると思います。上記の評価はこうした機能を総合的に捉えてのものです
13. 生成AI壁紙
純粋な画像生成機能としては、「生成AI壁紙」の使い勝手が良い気がしました。その名の通り、画像生成した素材を壁紙として使う機能です。操作手順も難しくなく、画像生成と相性が良い使い道だと感じます。
▲(左)ロック画面からの操作手順としては、何もないところを長押しして左上の「壁紙」をタップ。(中)「AIで生成」をタップ。(右)「ホーム画面とロック画面」を選択
▲(左)ここでは「絵画」を選んだ。(中)「生成」をタップし、画像を左右スワイプで選択して、「設定」をタップ。(右)壁紙にセットした様子
【筆者の評価】
・楽しさ:★★★★★
・使いやすさ:★★★★★
・実用性:★★★★★
・自分で使いたい度合い:★★★★★
・人に勧めたい度合い:★★★★★
▶︎ひとこと
操作手順の過程で『商用では使えません』としっかり表示されたことも好印象でした。壁紙を定期的に変更して気分転換するには良い機能です
* * *
本当は、まだまだGalaxyで使えるAI機能はあるのですけれど(「ヘルスアシスト」とか…)、「今回はもうこれでご容赦ください」と思うくらいたくさんありました。
GalaxyシリーズはAIスマホとしても、非常に完成度が高い選択肢だと思いますので、購入を検討する際には、ぜひ対応しているAI関連機能をチェックしてみてくださいね。
なお、本稿では可読性を重視して、対応機種や設定画面から機能を有効にする初期操作の手順についての説明を省いています。これらの詳細について気になる場合には公式ページの記載などをご参照ください。
<取材・文/井上 晃>
井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。X
【関連記事】
◆リアルタイム翻訳は感動モノ!「Galaxy」のAI機能をまとめてチェック<前編>
◆使わなきゃ損!「Google Pixel」で使えるAI機能をまとめてチェック<前編>
◆まだ使ってないの!?「Google Pixel」で使えるAI機能をまとめてチェック<後編>
- Original:https://www.goodspress.jp/reports/669105/
- Source:&GP
- Author:&GP
Amazonベストセラー
Now loading...