Appleの過酷すぎる耐久試験施設に潜入!熱、湿気、塩水、砂が製品を襲う

AppleがiPhoneやiMacなどの製品耐久性を行う研究施設内部の様子を、イギリスメディアがレポートしています。施設では、iPhoneの落下のほか、iMacを高温や低温に晒し、砂漠を模した砂の粒子や塩水を吹き付けるなどの過酷なテストが繰り広げられています。こうしたテストは、製品の長寿命化により環境負荷を軽減させる、Appleの取り組みの一環です。

Appleの研究施設内を垣間見られる貴重なレポート

Apple研究施設は厚いベールに包まれており、内部の情報は厳重に管理されています。しかし、Apple自らメディアに公開することもあります。

最近では、iPhone16シリーズの新機能「オーディオミックス」を実現するための研究施設や、チップ研究開発施設の内部が一部メディアに公開されています。

イギリスの拠点で繰り広げられる耐久性テスト

Appleが英コークに構えるキャンパスは、1980年に60人の従業員でスタートしましたが、現在では6,000人が働く欧州の中核オフィスであると同時に、製品の耐久性テストを行うための研究施設でもあります。

英メディアWallpaper*とMailOnlineが、Appleの信頼性試験ラボ(Reliability Testing Lab)で行われる製品耐久性テストをレポートしています。

Appleは、製品を利用できる期間を長くすることで環境負荷を軽減するため、製品の耐久性向上に取り組んでいます。これは、2030年までに炭素排出量を実質ゼロにする、カーボンニュートラルに向けた取り組みの一環でもあります。

業界標準をはるかに上回る厳しい試験

Appleが実施する信頼性テストは、業界標準よりもはるかに厳しい環境で、製品が直面する可能性のある、衝撃、温度、湿度、微粒子や放射能などを想定しているのが特徴です。

iPhoneは、木、アスファルト、花崗岩と素材の異なる床材に落下させるテストを受けます。

iMacは、ロボットを使って角度調整機構の耐久性をチェックされます。

Wallpaper* Apple コーク 製品耐久性テスト

このほか、ケーブルを何千回も抜き差しするテスト、汗ばんだ指で画面をタッチ操作するシミュレーションなどが行われています。

加熱され、湿気にさらされ、急冷されるiMac。砂漠の砂も浴びる

iMacは、オーブンのような機器で摂氏65度まで加熱されたかと思うと、高い湿度の環境下に置かれ、さらに摂氏マイナス20度まで冷却され、振動を与えられるという過酷なテストを通じて、飛行機を使った移動時の環境変化への対応を確認されています。

MailOnline Apple コーク 製品耐久性テスト

また、ビーチを想定して塩水を吹き付けるテストや、アリゾナ砂漠の砂を再現した超微細な砂をポートに吹き付けるテストも行われています。

MailOnline Apple コーク 製品耐久性テスト

砂の粒子を吹き付ける装置は、窓にワイパーがついており、中の様子を見ることができます。

MailOnline Apple コーク 製品耐久性テスト

テスト中、製品に異常が生じた場合、エンジニアたちは製品をX線、CTスキャン、5ナノメートルの解像度で観察可能な高精細電子顕微鏡などを用いて、原因を特定し解決策の検討に取り掛かります。

MailOnline Apple コーク 製品耐久性テスト

担当副社長「可能性が少しでもあるなら、テストする」

Appleの製品インテグリティ担当副社長であるトム・マリブ氏は、「可能性として少しでも考えられることは、すべて試験しています」と語っています。

Wallpaper* Apple コーク 製品耐久性テスト

また、ユーザーが新機能を目当てとして、まだ使える製品に買い替えることについては「説得力のある製品を送り出せたということだと考えています」と述べ、使わなくなった製品を回収するApple Trade Inに力を入れていることを紹介しています。

Source: Wallpaper*, MailOnline via AppleInsider


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