【AWS】RDSのシングルAZからマルチAZへの移行と確認方法

AWSデータベースを運用する際、可用性を向上させるためにマルチAZ構成を選択することが重要です。
今回は、RDSシングルAZからマルチAZに変更する方法と、セカンダリがどのアベイラビリティゾーン(AZ)に配置されたかを確認する方法を解説します。

シングルAZとマルチAZの違い

シングルAZとは?

シングルAZのRDSインスタンスは、1つのAZにのみ配置されます。
障害が発生すると復旧まで時間がかかるため、高い可用性を求める場合には適しません。

マルチAZとは?

マルチAZ構成では、プライマリRDSインスタンスとは別のAZセカンダリインスタンスが自動的に配置されます。
プライマリに障害が発生すると、自動でフェイルオーバーされ、セカンダリがプライマリとして機能します。

マルチAZへの変更方法

すでにシングルAZで運用中のRDSマルチAZに変更するには、以下の手順を実施します。

AWS管理画面から設定する方法

  1. AWSマネジメントコンソールにログイン
  2. RDS管理画面を開く
  3. 対象のデータベースインスタンスを選択
  4. 変更」ボタンをクリック
  5. マルチAZ配置」を有効化
  6. 続行」をクリックし、変更を適用
  7. 変更が適用されるまで待機(通常数分〜十数分)

AWS CLIを使用する方法

以下のコマンドを実行して、マルチAZを有効化できます。

aws rds modify-db-instance \
    --db-instance-identifier <インスタンス名> \
    --multi-az \
    --apply-immediately

変更が適用されると、AWS側でセカンダリインスタンスが自動的に作成されます。

セカンダリのAZを確認する方法

マルチAZ構成にした後、セカンダリがどのAZに配置されているかを確認する方法を紹介します。

AWS管理画面で確認

  1. RDS管理画面を開く
  2. 対象のデータベースインスタンスを選択
  3. 接続とセキュリティ」タブを確認
  4. アベイラビリティゾーン」の項目にプライマリとセカンダリのAZが表示される

AWS CLIで確認

以下のコマンドを実行すると、現在のプライマリセカンダリAZを取得できます。

aws rds describe-db-instances --db-instance-identifier <インスタンス名>

出力例:

{
    "DBInstances": [
        {
            "DBInstanceIdentifier": "example-db",
            "MultiAZ": true,
            "AvailabilityZone": "ap-northeast-1a",
            "SecondaryAvailabilityZone": "ap-northeast-1c"
        }
    ]
}

ここで、AvailabilityZoneプライマリAZSecondaryAvailabilityZoneセカンダリAZになります。

マルチAZを利用するためのVPCとサブネットの準備

VPCとサブネットの関係

RDSマルチAZ構成を利用するには、異なるAZにサブネットを配置する必要があります。
VPC内に複数のサブネットを作成し、それらをDBサブネットグループに登録することで、マルチAZの利用が可能になります。

設定手順

  1. VPC内に2つ以上のサブネットを作成
    • 異なるAZに配置することが重要
  2. DBサブネットグループを作成
    • AWS管理画面で「DBサブネットグループ」を作成し、対象のサブネットを登録
  3. RDSを作成または変更時にDBサブネットグループを指定

こうすることで、AWSが異なるAZに自動でRDSのセカンダリを配置します。

まとめ

AWSRDSマルチAZを利用すると、データベースの可用性が向上し、障害発生時の自動復旧が可能になります。
移行手順としては、

  • 管理画面またはCLIでマルチAZを有効化
  • VPC内に複数のサブネットを用意し、DBサブネットグループを設定
  • セカンダリのAZを確認し、正しく冗長化されていることを確認

といった流れになります。
システムの信頼性を向上させるために、ぜひマルチAZの活用を検討してみてください。


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