AWSでデータベースを運用する際、可用性を向上させるためにマルチAZ構成を選択することが重要です。
今回は、RDSをシングルAZからマルチAZに変更する方法と、セカンダリがどのアベイラビリティゾーン(AZ)に配置されたかを確認する方法を解説します。
シングルAZとマルチAZの違い
シングルAZとは?
シングルAZのRDSインスタンスは、1つのAZにのみ配置されます。
障害が発生すると復旧まで時間がかかるため、高い可用性を求める場合には適しません。
マルチAZとは?
マルチAZ構成では、プライマリのRDSインスタンスとは別のAZにセカンダリインスタンスが自動的に配置されます。
プライマリに障害が発生すると、自動でフェイルオーバーされ、セカンダリがプライマリとして機能します。
マルチAZへの変更方法
すでにシングルAZで運用中のRDSをマルチAZに変更するには、以下の手順を実施します。
AWS管理画面から設定する方法
- AWSマネジメントコンソールにログイン
- RDSの管理画面を開く
- 対象のデータベースインスタンスを選択
- 「変更」ボタンをクリック
- 「マルチAZ配置」を有効化
- 「続行」をクリックし、変更を適用
- 変更が適用されるまで待機(通常数分〜十数分)
AWS CLIを使用する方法
以下のコマンドを実行して、マルチAZを有効化できます。
aws rds modify-db-instance \ --db-instance-identifier <インスタンス名> \ --multi-az \ --apply-immediately
変更が適用されると、AWS側でセカンダリインスタンスが自動的に作成されます。
セカンダリのAZを確認する方法
マルチAZ構成にした後、セカンダリがどのAZに配置されているかを確認する方法を紹介します。
AWS管理画面で確認
- RDSの管理画面を開く
- 対象のデータベースインスタンスを選択
- 「接続とセキュリティ」タブを確認
- 「アベイラビリティゾーン」の項目にプライマリとセカンダリのAZが表示される
AWS CLIで確認
以下のコマンドを実行すると、現在のプライマリとセカンダリのAZを取得できます。
aws rds describe-db-instances --db-instance-identifier <インスタンス名>
出力例:
{ "DBInstances": [ { "DBInstanceIdentifier": "example-db", "MultiAZ": true, "AvailabilityZone": "ap-northeast-1a", "SecondaryAvailabilityZone": "ap-northeast-1c" } ] }
ここで、AvailabilityZone
がプライマリのAZ、SecondaryAvailabilityZone
がセカンダリのAZになります。
マルチAZを利用するためのVPCとサブネットの準備
VPCとサブネットの関係
RDSのマルチAZ構成を利用するには、異なるAZにサブネットを配置する必要があります。
VPC内に複数のサブネットを作成し、それらをDBサブネットグループに登録することで、マルチAZの利用が可能になります。
設定手順
- VPC内に2つ以上のサブネットを作成
- 異なるAZに配置することが重要
- DBサブネットグループを作成
- AWS管理画面で「DBサブネットグループ」を作成し、対象のサブネットを登録
- RDSを作成または変更時にDBサブネットグループを指定
こうすることで、AWSが異なるAZに自動でRDSのセカンダリを配置します。
まとめ
AWSでRDSのマルチAZを利用すると、データベースの可用性が向上し、障害発生時の自動復旧が可能になります。
移行手順としては、
- 管理画面またはCLIでマルチAZを有効化
- VPC内に複数のサブネットを用意し、DBサブネットグループを設定
- セカンダリのAZを確認し、正しく冗長化されていることを確認
といった流れになります。
システムの信頼性を向上させるために、ぜひマルチAZの活用を検討してみてください。
- Original:https://minory.org/aws-rds-multiaz.html
- Source:minory
- Author:管理者
Amazonベストセラー
Now loading...