使い勝手は期待以上!ハイエンドだけど万人向けな「Zenfone 12 Ultra」

ASUS JAPANが5月30日に最新スマートフォン「Zenfone 12 Ultra」を発売しました。プロセッサーに今季最高峰のSnapdragon 8 Eliteを採用するフラッグシップモデルで、ASUS公式ストアでの価格は12GB/256GBモデルが14万9800円、16GB/512GBモデルが16万9800円となっています。いち早く実機を借りることができたので、率直な使用感を交えて紹介します。

村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

 

 

 

■美しい大画面&ボディの質感が魅力

Zenfone 12 Ultraに触れて、筆者が最も気に入ったのが背面パネルの質感。サラサラとしているのですが、しっとりと指に馴染むような感覚もあり、強いて言えば、磨かれた石のような質感。透明のスマホケースが同梱されていますが、そのまま裸で使いたくなること請け合いです。

▲クリアケースが同梱されている

カラバリはエボニーブラック、セージグリーン、サクラホワイトの3色。筆者が借りたのはセージグリーン。落ち着いた色合いで、ビジネスの場で使うにも問題なさそう。おそらく、他の2色もパネルの質感は同じだと思われます。

▲12GB/256GBモデル、16GB/512GBモデルのどちらも、エボニーブラック、セージグリーン、サクラホワイトの3色から選べる

ディスプレイは6.78インチの有機EL。最近のスマホの中では大きめですが、ベゼルが細く、横幅は77mmに抑えられています。画面内にある指紋センサーでロックを解除して、電話をかけたり、メッセージを確認したりといった操作は片手でも行えます。が、文字入力は片手では難しい。そんなサイズ感です。厚さは8.9mmあり、重さは220g。前モデルのZenfone 11 Ultraより5g軽くなりましたが、“コンパクト&ハイエンド” を特徴としたZenfone 8〜10を使っていた人が乗り換えると、重く感じられるかもしれません。

▲ディスプレイの解像度は2400×1080ドット。リフレッシュレートは最大144Hz。メリハリが感じられる画質で、タッチレスポンスも軽快

 

■AIを用いた新しい撮影モードを追加

背面カメラは広角(5000万画素/F値1.9)+超広角(1300万画素/F値2.2)+望遠(3200万画素/F値2.4)という構成。メインで使う広角カメラには1/1.56インチの大型センサーを採用。従来よりもブレ補正の性能を高めた6軸ジンバルモジュールが搭載されています。望遠カメラは光学3倍ズームで撮影でき、デジタルズームは最大30倍。

▲強力な手ブレ補正機能を備えた5000万画素カメラをメインとするトリプルレンズカメラを搭載

実際に撮影してみると、レンズによって若干色味に差が出るものの、どの画角でも明るく撮影できました。デフォルトの色調はナチュラルですが、「Photo Vibe」という機能で好みの色調に変えることが可能。フィルターのように色味が大きく変わるわけではなく、手動でホワイトバランスやコントラストを調整するよりも簡単なので、積極的に活用できそうです。

▲超広角(0.7倍)で撮影

▲広角(1倍)で撮影。4つの画素を1つの画素として使い、明るく撮れる仕組み

▲広角(2倍)で撮影。5000万画素のうちの約1200万画素を使って、光学ズーム相当の画質で撮れる

▲望遠(3倍)で撮影。10倍までは「Hyper Clarity」という超解像技術によって、ほとんど劣化が気にならない画質で撮れる

▲室内で料理を撮った作例。ナチュラルな色調で写った

▲借りている間に近所で花火大会があったので撮ってみた。夜景モードを使わず、通常モードでもここまでクリアに写った

▲4つの設定から選べる「Photo Vibe」は、色温度とコントラスが調整される

新たにAIを用いたユニークな撮影モードが追加されています。ひとつは「AI流し撮り」。本来は、動く被写体を追従するようにカメラを水平に動かして撮る技法を、Zenfone 12 Ultraなら、ただシャッターを押すだけで撮れます。「AI流し撮り」を選択して、動く被写体がフレームに入ったらカシャッ。被写体にピントが合い、背景が流れるようにボケた写真が合成される仕組みです。

▲「AI流し撮り」はブレ方が異なる3つの画像が提案され、選択して保存できる

もうひとつは「AIトラッキング」。これは、指定した被写体をピントが追従し、その被写体がメインとなる動画が撮れるモード。愛犬を遊ぶ様子を撮ってみたところ、自動でズーム操作が行われるのが便利。被写体に近づいたり、慌ててズーム操作をしたりといった手間が省ける趣向です。

▲「AIトラッキング」は動く被写体を指定するとAFが追尾し、ズームも自動で調整される

 

■独自の生成AI機能も充実

オンデバイスのAI機能が充実していることも魅力。例えば、ブラウザで開いたウェブ記事を簡単に要約でき、「レコーダー」アプリはリアルタイムの文字起こしが可能で、要約にも対応。「電話」アプリではリアルタイムの翻訳まで利用できます。

▲「Chrome」でウェブ記事を表示させて、共有メニューから「AI記事の要約」を選択するだけで、記事が要約される。じっくり読んでいる時間がなく、内容をざっと把握したいときに便利そうだ

▲通話中のリアルタイム翻訳にも対応。主要な言語に対応しており、事前のダウンロードが必要

Zenfone独自の画像管理アプリ「ギャラリー」では、画像の中の不要なものを削除する「AI消しゴム」、ピンボケを補正して、鮮明度の高い写真を生成する「AIピンボケ補正」も利用可能。ただしこれらの補正は、Android標準の「フォト」アプリでもできるので、どちらを便利と思うがユーザー次第といったところ。ほかに、自分好みの壁紙をAIが生成してくれる機能も搭載されています。

▲「AI消しゴム」は消去する物の認識は的確だが、それに置き換わる画像の生成は今一歩という印象。ベータ版らしいので、今後のアップデートに期待したい

▲「AIピンボケ補正」は満足がいく仕上がり。スマホに取り込んだ古い画像でも利用できる

 

■おサイフケータイ、eSIMにも対応

Zenfone 12 Ultraは通信キャリアは取り扱わないSIMフリーモデルですが、国内全キャリアのネットワークに対応し、ドコモだけが使う「n79」という5Gの帯域にも対応しています。本機からeSIMにも対応したため、nanoSIM+eSIMという組み合わせで2回線を併用することも可能に。おサイフケータイにも対応し、IP65、IP68の防水・防塵仕様も備えています。

▲SIMスロットに2枚のnanoSIMを装着できるが、2枚目のnanoSIMの代わりにeSIMを使うことができる

▲本体にFeliCaのロゴはないが、おサイフケータイに対応。マイナンバーカード機能(スマホ用電子証明書)にも対応予定

バッテリーは5500mAhで、最大65Wの急速充電と、最大15Wのワイヤレス充電に対応。パフォーマンスと電池持ちのどちらを優先するかを設定できる「システムモード」があり、パフォーマンスを優先するモードにすると、そもそも高いベンチマークスコアがグンと上がりました。オンラインゲームなどを楽しみたいヘヴィユーザーも満足できること請け合いです。

▲システムモードの初期設定は「ダイナミック」。パフォーマンスを重視するモードや省電力モードに切り替えられる。充電時の電池への負担を軽減し、電池の寿命を延ばす設定も可能

▲「高性能」モードに切り替えて、「Geekbench6」というアプリでベンチマークを測定してみた。ハイエンドスマホの中でも非常に高いスコアを記録した

Zenfone 12 Ultraはハイエンドでありながら、迷わずに使いこなせました。使い続けるうちに、ホーム画面をカスタマイズしたり、背面をダブルタップしてスクショが撮れたり、簡単に起動できる片手モードなども発見し、より快適に使えるようになりました。基本的な機能を長く快適に使いたい人や、ミドルレンジを卒業し、初めてハイエンドを使ってみようという人にも最適な1台になりそうですよ。

>> ASUS

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

 

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