【雨対策グッズ&ハイスペックウエアカタログ】
昨今では街中でもアウトドアブランドのレインウエアを目にすることも増えてきた。ブランドが多様なように使用されている防水透湿素材もさまざま。各社が独自の素材を開発しており、世はまさに「大戦国時代」!? それぞれの特徴と搭載アイテムを見てみよう!
* * *
アウトドアブランドのレインウエアで重視されるのが“防水性”と“透湿性”。モンベルの宮川さんは次のように話す。
「登山などのアウトドアシーンにおいて濡れないことは重要です。不快なだけではなく、冷えや寒さを引き起こし低体温症のリスクも増加します。防水性と透湿性が備わったウエアなら日常も快適に過ごせますよ」
独自の防水透湿素材を開発するうえでこの2点を軸にいかにスペックを高めるか、軽さやストレッチ性は? など各社が試行錯誤を重ねている。加えて、昨今ではPFCs(過フッ素化合物)やPFAS(有機フッ素化合物)を使用しないなど環境への配慮も当然となりつつある。
実際、パタゴニアの八木さんも「弊社では『環境へのインパクトを最大限抑えた素材であること』も品質のひとつと考えています」とアウトドアブランドとしての責任と矜持を語ってくれた。
ブランドごとの特徴と目指す理想が垣間見える独自素材にもぜひ着目してみて欲しい!
<Patagonia>
パタゴニア
PR&コミュニケーションズ
八木さん
■独自の防水透湿素材はコレ!
「H2No」
豪雨の中で30年間の使用を想定したウェット屈曲/摩耗テスト「キラーウォッシュ」など広範囲かつ長期的なテスト「H2Noパフォーマンス・スタンダード」の規格をクリアした製品のみが「H2No」の称号を得られる。
1. 海に山に街に! シーンを選ばないオールラウンダーシェル
パタゴニア
「ボルダー・フォーク・レイン・ジャケット」(3万3000円)
海水に対する耐腐食性に優れたファスナーを採用。海辺のトレイルから町まで幅広く着用できます(八木さん)
幅広いアクティビティに対応する3レイヤーシェル。生地やメンブレンのほかDWR(耐久性撥水)加工にもPFASを意図的に使用せず、かつフェアトレード・サーティファイドの工場で製造しており、サステナビリティにも配慮されている。
▲左胸部分には財布やスマホなどの収納に便利なファスナーポケットが配置されている
▲袖口はテープ留め付きタブで風雨の浸入を防げるほか、裾もドローコードで調節可能
2. エントリーハイカーにもオススメな定番的アイテム
パタゴニア
「トレントシェル 3L・レイン・ジャケット」(2万7500円)
普段使いのレインウエアとしても必要な機能を満たした汎用性の高い1着です(八木さん)
モデルチェンジを重ねつつ常に人気の「トレントシェル」シリーズ。カラーバリエーションが豊富なので自分好みの1着を見つけやすい。価格もお手頃なのでトレッキングデビューや最初のレインウエアとしても最適だ。
3. アクティブに動けるブランド最軽量な1着
パタゴニア
「ストーム・レーサー・ジャケット」(4万1800円)
余計なポケットや袖口の面ファスナーなどを取り除いたシンプルな作り。折り畳み傘の代わりとしても!(八木さん)
重量わずか204gというトレイルランニングにも最適なパタゴニア最軽量の防水性ハードシェル。薄手の生地は蒸れにくく、かつコンパクトに収納できるので急な雨に備えてお守り代わりにバックパックに忍ばせておける。
<mont-bell>
モンベル
東京広報部
宮川さん
■独自の防水透湿素材はコレ!
「スーパー ドライテック」
モンベルが扱う防水透湿性素材の中でも最も優れた透湿性と高い耐水圧を誇る。防水膜やはっ水剤に環境への影響が懸念されているPFASを一切使用せず、裏地には植物由来原料のナイロンを使用している。
4. ブランドが誇るフラッグシップモデル!
モンベル
「ストームクルーザー ジャケット Men's」(2万2000円)
防水性、透湿性、耐久性など登山に求められる機能を高次元でバランス良く備えています(宮川さん)
透湿性:40000g/m²・24hrs(JIS L-1099B-1法)、耐水圧:50000mm以上。ジャケットの縫製箇所を極限まで減らした独自のカットパターン「K-Monoカット」を採用し、耐久性・防水性・軽量性を高めている。
▲携行時には付属のスタッフバッグ(8×8×15cm)へコンパクトに収納できる
▲裾をドローコードで絞ることで風のバタつきを抑えられるほか、雨の浸入も防ぐことが可能
5. サイクリング中の雨にも対応できる!
モンベル
「U.L.サイクルレインジャケット」(2万3100円)
レインウエア特有のカサカサという音を軽減しているのでライディングに集中できます!(宮川さん)
自転車での走行時でも着用しやすい設計のレインジャケット。背面と袖にストレッチ性を持たせることで走行時の前傾姿勢にもスムーズに追随。薄くて柔らかい素材を使用したことで軽量性やコンパクト性に優れている。
6. 運動量の多いアクティビティにも最適なモデル
モンベル
「トレントフライヤー ジャケット Men's」(2万3200円)
モンベルのオールウェザークロージングの中で最も透湿性が高く、さらっとした着心地です(宮川さん)
透湿性に優れた1着。行動中にかいた汗の蒸れを効率良く外に逃がし、ウエア内を快適に保てる。裏地には保水しにくい高密度ニットを使用するほか、フードのフィット感も良好で雨天時でも視界を確保しやすい。
<MILLET>
ミレー PR
平野さん
■独自の防水透湿素材はコレ!
「ティフォン」&「ティフォン ファントム」
透湿性と伸縮性に優れた素材。耐水圧と透湿性はそれぞれ30000mm・50000g/m²/24h(ティフォン)、50000mm・60000g/m²/24h(ファントム)を誇る
7. さらに進化したミレーの人気モデル
ミレー
「ティフォン ST ジャケット」(3万6300円)
着心地のしなやかさには定評があり、「シャカシャカしない!」と好評をいただいています(平野さん)
初登場時から進化を続ける「ティフォン」の最新モデル。耐水圧が20000mmから30000mmに向上し、より耐候性がアップ。エルゴノミックデザインと高ストレッチ素材の相性が良くとても動きやすい。
▲その蒸れにくさは随一。気温が高く湿度の高いこれからのシーズンにもマッチする
8. よりアクティブな用途にハマる上位モデル
ミレー
「ティフォン ファントム トレック ジャケット」(4万2900円)
とにかく軽く、薄く、しなやか。さらに軽さを突き詰めた「ティフォン ファントム ファストジャケット」もあります!(平野さん)
ティフォン誕生から今年で10年目となる節目に生まれたシリーズ史上“最薄・最軽量・最高水準の防水力”を備えたモデル。7デニールの生地はかざすと透けるほど薄く、重量もわずか163g(Mサイズ)と軽量だ。
<THE NORTH FACE>
ザ・ノース・フェイス
PRESS 宮崎さん
■独自の防水透湿素材はコレ!
「FUTURELIGHT」&「WUROS」
“FUTURELIGHT”は独自のナノスピニング技術により開発された“通気防水”素材。一方の“WUROS”はPU系としては異例の高い耐久性を誇る。
9. トレランで活躍する軽量&コンパクトモデル
ザ・ノース・フェイス
「フューチャーライト トレイルピークジャケット(ユニセックス)」(3万6300円)
ナノレベルの通気孔を持つ“通気防水”素材“FUTURELIGHT”を搭載。柔らかく、ストレッチ性もあります(宮崎さん)
防水透湿素材に“FUTURELIGHT”を採用。通気性を備えているので蒸れによる衣服内の温度上昇を抑えつつ、発生した熱を積極的に放出できる。ランニングを考慮し、走行時にバタつかないようパターンはジャストサイズめ。
10. ロングタームで着用可能な防水アウター
ザ・ノース・フェイス
「ウーロスフィールド ユーティリティポンチョ(ユニセックス)」(3万3000円)
“WUROS”は洗濯や日常使用でもヘタりにくいのでタウンユースやフェスなど多頻度でも長く使えます(宮崎さん)
50デニールのしなやかなナイロン素材に原料リサイクルが可能な“WUROS”を採用したウエア。加水分解しにくい防水膜とシームテープを採用することで生地の耐久性も高く、長く愛用できる点も魅力的だ。
▲豊富なポケットを備えており、キャンプではペグやハンマーなどのギアもたくさん収納できる
<Columbia>
イトナム
KIT PR 戸谷さん
■独自の防水透湿素材はコレ!
「オムニテック」&「アウトドライエクストリームエコ」
ブランドの定番“オムニテック”に加え、環境へのやさしさとハイパフォーマンス性を兼ね備えた“アウトドライエクストリームエコ”も要注目!
11. あえて見せるシームテープがアクセントに!
コロンビア
「ウィスラーピークシェル」(3万9600円)
アウトドアブランドとしての防水機能はもちろん、ファッションアイテムとしても落とし込めるのが良い!(戸谷さん)
高スペックかつエコフレンドリーな“アウトドライエクストリームエコ”を搭載。防水メンブレンを生地の外側に直接ラミネートすることで水の浸入を最外層で防ぐ。マットな質感のリサイクルポリエステル素材を使用している。
12. ハイキングに適した2.5レイヤージャケット
コロンビア
「セントリリアムジャケット」(2万6400円)
80'sのコロンビアを代表するスキーウエアより着想を得たデザインがポイントです!(戸谷さん)
防水透湿機能“オムニテック”とフルシームテープ加工を施した完全防水モデル。フロントファスナーは動きを妨げにくいダブルファスナー仕様なほか、メッシュ裏地のサイドポケットを開放することでさらに蒸れにくく使える。
▲凹凸感を出すプリントを配した2.5レイヤー生地は肌への張り付き感がなく着心地もドライ
<MAMMUT>
マムート
アシスタントブランドマネージャー
宇津木さん
■独自の防水透湿素材はコレ!
「Mammut DRY」
“Tour”、“Active”、“Expedition”の3タイプがあり、優れた防水性と透湿性を兼ね備える。また、すべてにPFCフリーのメンブレンと撥水加工を使用するなど環境にもやさしい素材だ。
13. 「Mammut DRY Active」を使用した新作ジャケット
マムート
「デュカン ライト ハードシェル フーデッド ジャケット アジアンフィット」(2万9700円)
わずか190gと超軽量。シンプルで飽きのこないデザインはアウトドア以外でもオススメです(宇津木さん)
トレイルランニングにも対応できる軽量モデル。胸の位置に配置されたボタンを留めることでファスナーを開けたまま着用でき、オーバーヒートを防ぐことが可能だ。胸ポケットにジャケット全体を小さく収納できる。
▲薄くてかさばらないプレシェイプフードはフィット感も良好。荒天時のバタつきも少ない
14. シーンを問わず使える汎用性の高さが◎!
マムート
「マイクロレイヤー 2.0 ハードシェル フーデッド ジャケット アジアンフィット」(2万7500円)
スタッフサック付きなのでコンパクトに持ち運べる便利な1着です(宇津木さん)
キャンプやハイキングで使いやすい「MammutDRY Tour」を使用したオーセンティックな防水ジャケット。すべてのパーツや素材が厳格な環境保護基準を満たしており、Bluesign認定を受けているほどエコフレンドリーなモデルだ。
<KARRIMOR>
カリマーインターナショナル
マーケティング
阿部さん
■独自の防水透湿素材はコレ!
「WTX」
耐水圧約20000mm以上、透湿性約20000g/m²/24hを誇る2.5層の軽量な防水透湿素材。登山に適した耐水性と透湿性を兼ね備えている。2.5層のほか、3層モデルも展開。
15. 軽量&ソフトな着心地で登山にも大活躍
KARRIMOR
「WTX 2.5L jkt」(2万6950円)
耐水性と透湿性は高すぎても低すぎても生地性能のバランスが悪くなるためWTXの現状の数値はバランスが良いと思います(阿部さん)
WTX2.5層モデル。表地はメカニカルストレッチ構造で動きやすく、内側には肌離れの良いプリント加工生地を使用。シームラインを極力少なくすることで防水性を高めながら軽量化。生地表面に撥水加工が施されている。
▲フードは風の侵入を防ぐウィンドガード付き。フィッティングも調整可能
▲携行に便利なパッカブル仕様。フード部分に折り畳んで収納する仕組み
▲ライニング
<DAIWA>
グローブライド
アパレルマーケティング部
主任 我妻頌平さん
■独自の防水透湿素材はコレ!
「RAINMAX」
雨や風、波しぶき等、本格的なフィッシングシーンならではの過酷な環境下で求められる性能を備える。ダイワが定める耐水圧・透湿度の基準をクリアした2層~3層モデルを展開。
16. 釣りに対応する防水性と動きやすさが魅力
DAIWA
「DR-3025 RAINMAXアングラーズライトレインスーツ」(3万9820円、2XL以上:4万2020円)
RAINMAXを採用したレインウエアはしなやかで軽い着心地のため天候に左右されず、快適な着心地を求める方におすすめです(我妻さん)
薄手の2.5層RAINMAX素材を採用し、軽やかな着心地を実現した上下セット。生地の肌面側は凹凸状のため肌へのベタつきを抑えられる。パンツウエスト部はバックル付き調整ベルトでずり落ちにくく動きやすい。
▲フード使用時、左右の視界が狭まるのを軽減する“ビューアップシステム”も便利
▲ウエア内への水の浸入を防ぐ“二重袖口”や“フード雨返し”を搭載
▲ライニング
※2025年6月6日発売「GoodsPress」7月号62-66ページの記事をもとに構成しています
<文/島田優太>
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/681926/
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