え、スマホだけじゃなくEVも? Xiaomiが秋の新製品を一挙発表!

Xiaomiが9月26日に、東京・秋葉原で新製品発表会を開催。ライカと共同開発したカメラを搭載する最新スマホ「Xiaomi 15Tシリーズ」をメインに、タブレット、スマートウォッチ、ロボット掃除機、チューナーレステレビなど、21機種(バリエーションを除く)が一挙に発表され、多くの製品は同日に発売が開始されました。

今回はメディアや関係者向けのお披露目だけでなく、9月26日〜28日に誰もが新製品に触れて、実際に購入できる「Xiaomi EXPO 2025」も開催。会場には、Xiaomiが新領域として注力している電気自動車(以下、EV)も初めて日本で展示されました。

▲Xiaomi Expoは9月26日〜28日にベルサール秋葉原で開催

▲自社開発のEV「Xiaomi SU 7 Ultra」も展示された

 

■フラッグシップ級の「Xiaomi 15T Pro」は10万9800円〜

では、筆者がいち早く触れて、心が惹かれた製品を中心に紹介してきます。

まずはスマホ。9月24日にドイツ・ミュンヘンで発表されたばかりの「Xiaomi 15Tシリーズ」が、日本でも9月26日に発売となりました。

Tシリーズは、ハイエンドに近い性能を備えながら価格を抑えた人気シリーズ。最大の特徴は、ライカと共同開発したカメラが搭載されていることです。今回リリースされたのは標準モデルの「Xiaomi 15T」と上位モデルの「Xiaomi 15T Pro」。まずは、Xiaomi 15T Proを紹介します。

ディスプレイは約6.83インチの大画面で、解像度は1.5K(2772×1280)。リフレッシュレートは最大144Hzと、フラッグシップ級の性能を備えています。

▲約6.83インチの有機ELディスプレイを搭載。フロントカメラは約3200万画素

リアカメラはライカのSummiluxレンズを採用し、メイン(約5000万画素/F値1.62)+望遠(約5000万画素/F値3.0)+超広角(約1200万画素/F値2.2)という構成。メインカメラには1/1.31インチの大型センサーを採用。センサーの中央で捉えた画像を切り出す形で光学2倍ズーム相当の画質でも撮影可能。望遠カメラはTシリーズでは初めてペリスコープ型の望遠レンズを採用し、光学5倍ズームで撮影できます。さらに、20倍までは画質劣化を抑えた「ウルトラズーム」で撮影でき、デジタルズームは最大100倍。

▲ライカとの共同開発によるトリプルカメラシステムを搭載

▲2倍と5倍はワンタッチで切り替えられる

プロセッサーは、MediaTekの最上位グレードでAIの処理性能に優れた「Dimensity 9400+」。Googleの「Gemini」や、Xiaomi独自の「Xiaomi HyperAI」をサクサクと軽快に使えることを期待できそうです。Xiaomi HyperAIは、文章の作成・要約、録音音声の文字起こし・翻訳、画像編集、画像生成など、スマホ向けとしては十分すぎる機能を備えているので、仕事にバリバリ使うのでなければ、他の有料のAIサービスに加入する必要はないでしょう。

▲生成AI機能が充実していることもXiaomiの利点。クラウドを利用する機能が多いが、オンデバイスAIの機能も強化されつつある

約7.96mmという薄さながら、5500mAhの大容量バッテリーを搭載。90Wの急速充電に対応し、同梱の充電器を使えば、約36分で100%まで充電できるとのこと。ワイヤレス充電にも対応しています。IP68の防塵・防水対応で、おサイフケータイにも対応。

▲おサイフケータイに対応していることがProのアドバンテージ

カラバリはモカゴールド、グレー、ブラックの3色。価格(Xiaomi公式サイトでの価格、以下同)は、12GB+256GBモデルが10万9800円、12GB+512GBが11万9800円、12GB+1TBモデルが12万9800円となっています。

 

■おサイフ不要なら「Xiaomi 15T」がお買い得

Xiaomi 15Tは、Xiaomi 15T Proの下位モデルですが、仕様には共通する部分が多く、デザインも一見違いがわからないほどに似ています。

ディスプレイは上位モデルと同じで約6.83インチですが、リフレッシュレートは最大120Hzで、わずかに低め。

▲Xiaomi 15Tも約6.8インチで、解像度が1.5Kの有機ELディスプレイを搭載

リアカメラは、ライカのSummiluxレンズを採用し、メイン(約5000万画素/F値1.7)+望遠(約5000万画素/F値1.9)+超広角(約1200万画素/F値2.2)という構成。望遠は光学2倍で、デジタルズームは最大60倍。

▲ライカ印のトリプルカメラを搭載。高倍率ズームで撮ることが少ないのであれば、Xiaomi 15Tで十分に満足できそうだ

プロセッサーはMediaTekの「Dimensity 8400-Ultra」。ミッドレンジ上位向けのチップと捉えていいでしょう。ですが、GoogleのAIサービスやXiaomi HyperAIは上位モデルと同じように使えます。バッテリー容量は上位モデルと同じ5500mAhですが、急速充電は67W。ワイヤレス充電に対応していないことも差分です。

最も注意しなければならないのは、おサイフケータイに対応していないこと。Suica、PASMOなど、交通系ICカードを使いたい場合は上位モデルを選びましょう。

カラバリはローズゴールド、グレー、ブラックの3色。価格は12GB+256GBモデルが6万4800円、12GB+512GBが6万9980円。今年これまでに発売されたスマホの中では、きわめて高コスパと評価できそうです。

 

■コンパクト×高性能の「Xiaomi Pad Mini」など、タブレットも高コスパ

タブレットは3機種がリリースされ、それぞれ特徴的でした。

「Xiaomi Pad Mini」は8.8インチのディスプレイを搭載するコンパクトなタブレット。筆者はそんなに手が大きくはないのですが、片手で無理なくつかむことができました。326gと軽く、電子書籍を読むにもちょうどよさそうです。

▲Xiaomi Pad Miniは、縦向きにすると片手で持てるサイズ感。ディスプレイの解像度は3K(3008×1880)。フロントカメラは800万画

Xiaomi 15T Proと同じDimensity 9400+を搭載しており、AIツールを用いて、文章作成や画像編集などを行うにも最適。カラバリはグレーとパープルの2色。価格は8GB+256GBが7万4980円、12GB+512GBが9万3980円となっています。

▲ライカ印のトリプルカメラを搭載。高倍率ズームで撮ることが少ないのであれば、Xiaomi 15Tで十分に満足できそうだ

「REDMI Pad 2 Pro」は約12.1インチの大画面を搭載するタブレット。1万2000mAhの大容量バッテリーによって長時間利用できることも魅力。カラバリはグラファイトグレー、シルバー、ラベンダーパープル。価格は6GB+128GBが3万9980円、8GB+256GB(10月28日発売予定)が4万6980円。ペン入力がしやすいマットガラスバージョン(8GB+256GBのみで4万9980円)も発売されました。

▲REDMI Pad 2 Proは純正のキーボード(7880円)も用意されている

▲リアカメラが800万画素で、フロントカメラは500万画素と、カメラのスペックは低め

また、外出先で便利な5G対応モデルも10月28日に発売予定。8GB+256GBのみで5万8980円となっています。

さらに、子ども向けのタブレット「REDMI Pad 2 Play Bundle」もリリース。スタンド付きカバーや、お絵描きができるスタイラスペンも同梱されています。4GB+128GBのみで、価格は2万6980円。

▲11インチ画面の「REDMI Pad 2 Play Bundle」には、スタンドやペンも付いている

 

■最先端の性能の備えたロボット掃除やチューナーレステレビも発表

今回発表されたスマート家電の中で、筆者が最も気になったのがロボット掃除機。Xiaomiの日本市場向けとして最もハイスペックな掃除機として発表されたのが「Xiaomi ロボット掃除機 5 Pro」。最大20000Paの吸引力でミリ単位の細かい埃まで吸い取り、ブラシの改良により髪の毛やペットの毛もカットしながら効率より吸引するように進化。モップによる水拭きにも対応し、汚れを検知して、吸引と水拭きを自動で切り替えることも可能。

トリプルカメラとAIで空間を認識し、上部に搭載された昇降式のレーザーは、ソファやベッドの下などに入るときに自動で格納される仕組み。掃除を終えるとベースステーション(ドック)に戻り、自動でゴミが収集されるだけでなく、モップが洗浄され乾燥される機能まで備えています。まさに全てをおまかせできる仕様で、価格は10万8000円。

AIによる障害物回避や汚れ検出など、一部の機能を省いた「Xiaomi ロボット掃除機 5」(8万9800円)と、ベースステーションがなく、標準的な機能だけの「ロボット掃除機 S40」(2万5800円)も同時に発売されました。

▲左がロボット掃除機 5、右がロボット掃除機 5 Pro

▲ロボット掃除機 S40の吸引力は10000Pa。一般的なロボット掃除機と同等の性能を備えつつ、2万円台で購入できる

チューナーレステレビのラインナップには、最先端のQD(量子ドット)-Mini LEDを採用した「Xiaomi TV S Pro Mini LED 2026シリーズ」も追加。最大輝度は17000nitsで、リフレッシュレートは144Hz、「ゲームブーストモード」では288Hzになるとのこと。OSはGoogle TVで、多彩なアプリやサブスクリプションサービスを利用可能。Duolingo VisonとDolby Atmosにも対応しています。価格は55型が9万9800円、65型が14万9800円、75型が17万9800円です。

▲従来のAシリーズも2026年モデルへと進化し、チューナーレステレビのラインナップが強化された

▲会場では、今回発表された製品に実際に触れることができた

 

■常設店舗の拡張とカスタマーサポートの強化も発表

Xiaomiは今年の春、Xiaomiの製品に実際に触れて購入できる「Xiaomi Store」を2店舗オープンさせました。第1号店の「イオンモール浦和美園店」はグランドオープンの初日に約5000人が訪れて、1000万円以上の売り上げを記録したそう。その後も、当初の予想を上回る売り上げを続けているそうです。

9月26日の発表会では、Xiaomi Storeの店舗展開を加速させていくことも発表されました。11月には埼玉県越谷市に「イオンレイクタウン kaze店」、千葉県千葉市に「イオンモール幕張新都心店」を出店。さらに年内に東京23区内の商業施設で開店させる準備も進めているそうです。来年には大阪市と名古屋市での出店も予定。将来的には、全国に広げていきたいとのこと。

▲首都圏に年内、新たに3店舗のXiaomi Storeを開店させることを発表

▲来年上半期に大阪と名古屋にも出店予定

Xiaomiのスマホを対象にした有料の保証サービス「Xiaomi Care」も開始。メーカー保証対象外の落下・水濡れなどの故障でも、最短翌日に交換端末を発送してくれるもので、利用料や端末交換の自己負担金は機種によって異なります。例えば、Xiaomi 15Tの場合、1年一括プランが5880円、2年一括プランが9980円、端末交換が1万円となっています。

▲カスタマーサービスを強化することも発表

さらに、伊藤忠グループの中古スマホ売買「にこスマ」とも提携。Xiaomi公式サイトやXiaomi Storeでスマホを購入する際に、不要になったスマホ「にこスマ買取 for Xiaomi」に買い取ってもらい、端末購入の実質的な負担を抑えられる趣向。Xiaomiが日本市場に参入してから、まもなく6年ですが、カスタマーサポートの体制も整ってきたようです。

▲発表会で登壇し、Xiaomi Japanの近況を報告した副社長の鄭 彦氏(右)と、新製品のプレゼンテーションを行ったプロダクトプランニング本部 本部長の安達晃彦氏(左)

 

■EVの日本市場投入はまだだが、ミニカーを発売

中国では予約が殺到するほどの人気となっているEVは、いずれ日本でも発売したいという意向はあるものの、現時点では「具体的な計画はない」とのこと。その理由として、Xiaomi Japanの副社長・鄭 彦(テイ ゲン)氏は「安全基準の問題や、日本ではまだEVの普及率が低く、充電できる場所も少ない。まだ日本の市場について勉強している段階」と話していました。

▲展示コーナーで最も注目を集めていたのはスポーツカータイプの電気自動車「Xiaomi SU7 Ultra」。「グランツーリスモ7」に登場することが決まっている話題のEVだ

▲Xiaomi初のEV「SU7」は発売後15か月間で30万台を超える納車を記録、今年6月に発売された最新の「YU7」は発売後3分で予約が20万代を超えたという

XiaomiのEVが日本で発売される日を待ちきれない! という人に向けて、実車を忠実に再現した1/18のダイキャストモデルも発売されました。

▲Xiaomi SU7のダイキャストモデル(左)は1万4800円、Xiaomi SU7 Ultra(右)は1万6800円

Xiaomiの急成長ぶりを見ると、日本でXiaomiのEVが走るのを見かける日が来るのも、そんなに遠くないようにも思えてきます。今後の動向にも注目しましょう。

>> Xiaomi

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

 

 

 

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