<GoodsPress Web 編集部員が買ってみた!使ってみた!>
突然ですが、みなさんは左手デバイスを使っていますか? 左手デバイスとは、簡単に言えば右手でマウス操作をするように、左手で何らかの操作を可能にするガジェットのこと。認知度の高いところで言うと、TourBoxやElgatoの「Stream Deck」が有名です。これらに共通しているのが、“よく使うショートカットキー”を1つのキーに設定できるという点。
例えばコピー(Mac:Command+C/Win:Ctrl+C)やペースト(Mac:Command+V/Win:Ctrl+V)、元に戻す(Mac:Command+Z/Win:Ctrl+Z)あたりは、日常的に使っている人も多いはず。ただ、普通は2つ以上のキーを同時に押す必要がありますが、それを1つのキーだけで済ませられるのが、左手デバイスの分かりやすいメリットです。

それなら一度試してみるか、ということで、左手デバイスの中でもキー数とホイールの両方を備えたHuion「Keydial mini K20」(実勢価格:9999円)を購入。原稿執筆と動画編集を中心に使ってみました。
■そもそもどんなデバイスか
▲青矢印の中央のキーに突起があり、ブラインドタッチにも対応。ただし少し存在感が薄い
改めて「Keydial mini K20」は、左手で操作するための入力デバイス。右手でマウスを使いながら、左手でキー操作や調整操作を行うことを前提にしています。
物理キーは18個にホイールを1つという構成。各キーには、ショートカットキーだけでなく、単独キー(A、Shift、Enterなど)、マウス操作、システム操作、音量調整といった機能を割り当てられます。アプリごとに設定を切り替えられるプロファイル機能にも対応しており、Mac/Windowsの両方で使用可能です。

充電式のため定期的な充電が必要にはなりますが、スペック上では最大70時間連続使用とのこと。寝る前にかならず充電しているのでスペック通りに使えるかは未検証ですが、少なくとも丸1日使えるので問題はありません。
また、 Bluetooth 5.0対応なので、デスク上がコードでゴチャつかないのが嬉しい。キーを押してからの入力までのラグもありません。スマホ程度のサイズ感で持ち出しやすく、ミニマルなデザインも相まって外出時でも使いやすい。
▲スマホよりやや大きめのサイズ感
左手デバイスとしては、キー数が多く、できることの幅も広いタイプ。そのぶん、どう使うかを考えずに導入すると持て余す可能性もあります。
■ホイールは便利。ただし期待しすぎると肩透かし

Keydial mini K20の特徴として外せないのが、物理キーとは別に備えられたホイールです。
- ズームイン/ズームアウト
- 上下スクロール
- 数値の増減
- カーソル移動
といったホイールの動作にピッタリの操作を割り当てられますが、基本的には物理キーと同様。単独のキーもショートカットキーもOKなので、自由度はかなり高いです。さらに、最大3つまで機能を設定でき、ホイール中央のボタンを押すことで切り替えが可能です。
▲専用アプリを使ってキー配列を設定できる。ダイヤル速度でホイールの刻みを調節
もうひとつ重要なのが「ダイヤル速度」。1〜5段階で調整でき、数字が小さいほど細かく、大きいほど大雑把に動きます。細かく詰めたい調整と、大きく動かしたい操作を使い分けられますが、使用するアプリによっても調整幅は変わるので必ずしも0.01刻みのように細かくは詰めきれないので注意が必要です。
▲キーボードショートカットを割り当てても同じ効果が得られるが、Adobeユーザーにとっては専用項目があるのは分かりやすい
回したときにカチカチとしたフィードバッグがあって誤操作はしにくい気はしますが、反応性がイマイチ。1クリック分回しても1回分の反応がない場合が多く約2.5クリックで1回分の反応というなんとも微妙な設定。なのでホイールをフル活用できる左手デバイスを探しているなら別の選択肢を考えてもいいかもしれません。
また、Mac環境での検証になりますが、横スクロールはホイールには割り当てられません。個人的にはこの機能を期待していたので、使えなかったのは正直残念でした。
■物理キーの数は妥当?

物理キーは18個ありますが、正直なところ、すべては使い切れていません。実際に使ってみると、「設定できる数」と「無意識で使える数」は別物。筆者の場合、最終的に常用しているのは12個ほど。それ以上になると、配置を意識しないと押せなくなり、効率が逆に下がってしまい、結果として使わなくなりました。「Keydial mini K20」は、キーが多いからそのまま便利、というタイプのデバイスではありません。自分が普段使っている操作が何個あるのか、その数が現実的に覚えられる範囲かどうか。そこを考えたうえで検討するのが良さそうです。
▲筆者のカスタマイズ。アプリごとに切り替えるプロファイル機能は混乱の元なので未使用
筆者はショートカットキーを6個、単独キーを6個と配置できているので、妥当な数かと思っていますが、こればかりは人によるところ、使ってみないと分からないところでもあるので一概に言えません。
■決定版とは言い切れないが確実に効率はアップした
正直に言うと、誰にでも無条件でおすすめできるデバイスではありません。普段からショートカットをそれほど使わない人や、操作を覚えること自体が負担になる人にとっては、オーバースペックに感じる可能性があります。あとはホイールを使っての細かい調整や操作をしたい人も別の選択肢があるかも知れません。
一方で、
- 日常的に複数のショートカットを使っている
- 原稿執筆や編集作業で細かな調整を繰り返している
- いちいちマウスから手を離す操作やマウス操作での微調整にストレスを感じている
- Enterなどキーボード右側のボタン操作を左手で行いたい
こうした人にとっては、作業の流れが確実に変わります。特に3つ以上のキーを同時に押すショートカットを多用しているなら抜群に作業が早くなるはず。ボタンひとつでできる快適さを知ってしまうともう元には戻れません。
▲ホイールを多用したい人は上下ひっくり返したポジションが使いやすい
ホイールは期待していたものではなかったですが、個人的には買ってよかったと思っています。少なくとも、コピペや元に戻すといった定番操作に加えて、EnterやBackSpace、Shift、Spaceを左手の最小限の動きで扱えるようになっただけでも、作業の快適さは確実に上がりました。
■余談:動画編集ではどうだったか
ちなみに筆者の場合、動画編集のために購入したような側面があります。なので、動画編集時の使い勝手も紹介しておきます。
動画編集は、Final Cut Proでの使用を前提にしていますのであしからず。結論から言うと作業の手数が減ったし、手元を大きく動かさずに作業ができるって思った以上に快適。
ブレード(Command+B)や切り貼りに直結する操作を近い位置にまとめることで、素材の分割と整理がテンポよく進みます。マウスを握った右腕をキーボードに戻す回数が減るだけでも、体感的なストレスはかなり軽くなりました。ちなみにホイールに期待していた横スクロールも、Shiftキーを配置することで対応。やっていることはこれまでのキーボードのShiftを押しながらマウススクロールと変わりませんが、最小の指の動きでできるようになったのは嬉しい。
一方で、加減が必要な操作はホイールが担当。タイムラインの拡大・縮小や、フレーム単位の細かい調整は、ダイヤル速度を低めに設定してホイールで行うのが相性良し。ただ、明るさなどのパラメーター変更は刻みが大きすぎてあまり使っていません。残念…。
総じて、動画編集における「Keydial mini K20」の強みは、切る・選ぶといった確定操作をキーに、拡縮やフレーム移動をホイールに任せられること。この役割分担をイメージできる人なら、編集作業の流れは確実に整います。
>>Huion
<取材・文/山口健壱(GoodsPress Web)>

山口健壱|キャンプ・アウトドアと動画担当。2年半ほどキャンプ場をぐるぐる回って、回り回ってGoodsPress Web編集部所属。“キャンプの何でも屋”としてキャンプを中心にライティング、動画製作、イベントMCなどを行う。工数の多い動画編集をどうにかして圧縮できないか四苦八苦しています。
【関連記事】
◆バックパックにもトートにもなる約151g「薄軽バッグ」で買い物後のストレスが半減
◆観光もできる“仕事バッグ”が出た!アッソブの新作で今話題の“ブレジャー”を始めてみない?
◆大人が手にしたいカジュアルさが魅力。デニムの風合いを生かしたグレゴリーのコラボバッグ!
- Original:https://www.goodspress.jp/reports/710949/
- Source:GoodsPress Web
- Author:GoodsPress Web
Amazonベストセラー
Now loading...