高いモノには“理由”がある。希少な素材、職人の手仕事、使うほどに深まる満足感。価格だけを見れば驚くかもしれない。けれど、その背景を知れば納得し、手に取れば、さらに欲しくなる。大人の物欲を刺激するラグジュアリーな上質プロダクトを厳選した。
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<Part.1 街へ出かけよう>
休日の街歩きこそ服装の差が出る。ジャケット、シャツ、靴まで、何気ない外出を格上げしてくれるのは、仕立てや素材に理由のある銘品だ。気負わず着られるのに、佇まいはきちんと上品。ランチへ、買い物へ、ホテルのラウンジへ。大人の街時間を豊かにする上質なワードローブがここに。
1. 本格的なナポリ仕立てを、既製で味わえる最高級ジャケット
ディージーピー
「ウールシルクリネン チェックジャケット」(29万7000円)

『若い世代にもオーダーの魅力を知ってもらいたい』というストラスブルゴの想いから始まったプロジェクトです。ナポリのファクトリーで仕立てたジャケットは、まるでオーダージャケットのような着心地を味わえます(ストラスブルゴ プレス 安次嶺時生さん)
ナポリの名門サルトリア、サルトリア ピロッツィの既製服ラインとして誕生した「DGP」はストラスブルゴのみで展開されるコレクションだ。今シーズンの注目株はウール、シルク、リネンをブレンドしたチェックジャケット。ナポリのサルトリアらしい軽やかで柔らかな着心地を備えながら、独自のパターン技術により、端正でシャープなシルエットを実現。後ろ姿までスマートに見せる構築的なフォルムが魅力的だ。コンパクトなアームホールながら可動域も広く、快適な着心地を味わえる。
▲背中のラインを美しく見せる立体的なパターンが特徴。コンパクトなアームホールで端正な見た目を保ちながら、腕の可動域も確保している
2. ナポリの色気と品格を宿す、イタリアンカラーシャツの王道
ルイジ・ボレッリ
「ニシダ シャツ」(5万3900円)

第2ボタンの位置が他のシャツに比べて低いため、首元を開けると、襟の返りが美しく決まります。鎖骨から首筋にかけて、ナポリシャツらしい色気を演出してくれる一枚です(ルイジ・ボレッリ トーキョー青山店 ストアマネージャー 豊田和徳さん)
イタリアの高級シャツといえば、真っ先に名前が挙がるのが、ナポリの「ルイジ・ボレッリ」。特にブランド創業初期から存在する衿型「ニシダ」を採用したこのモデルはその醍醐味を味わえる一枚だ。ナポリ近郊の島に名がつけられた衿型はイタリアンカラーとセミワイドカラーの要素を併せ持ち、ノータイでもタイドアップでも美しく決まる。素材はコットンとリネンを混紡したポプリンで、さらりとした肌触りと涼しげな風合いを備える。コンパクトながら適度なゆとりを持たせたEVボディにより、動きやすさと美しいシルエットも両立する。
▲価格の理由は、見えない部分にまで手間を惜しまない縫製にある。肩まわりのイセ込みや後付け袖や手縫いのボタン付けなどハンド工程は8カ所に及ぶ
3. 都会の機能美を体現した漆黒の万能バックパック
ヴァレクストラ
「アソルート バックパック」(37万4000円)

バックパックの前面には、着物から着想を得たオリガミ風の合わせを取り入れたジップ式ポケットを装備しています。プレミアムな素材と機能、デザイン性を高次元で融合させた大人のバックパックです(スタイリスト 若梅)
高価なバックパックを買うなら、オンオフ兼用できるものがいい。ならば、余分な装飾性を削ぎ落としたミニマルデザインを旨とするミラノの名門に注目だ。都市生活者に向けた「アソルート バックパック」は、コレクション名の由来である“アブソリュート ブラック(絶対的な黒)”を体現するモデル。カーフスキンのハンドル、Vラインのロゴ、ファスナーの持ち手までブラックで統一する。素材には軽量かつ丈夫な再生ナイロン繊維のエコニールと上質なカーフスキンを使用。ヴァレクストラ流の機能美を味わえるバックパックだ。W34×H48×D11cm
▲背面にはブランド名の頭文字であるVを思わせるパッド構造を配置。衝撃吸収性を備えた背面パネルにより、PCやタブレットを持ち運ぶ日常使いにも安心感がある
4. 誕生80周年を迎えた名作を、希少なアリゲーターレザーで
ジェイエムウエストン
「シグニチャーローファー #180」(90万2000円)

アリゲーターレザーは希少で、近年は良質なエキゾチックレザーの入手がますます困難になっています。さらに手作業を含む180もの工程を経て製作されるため、大量生産が難しいことも価格の理由です(ジェイエムウエストン・ジャパン株式会社 PR担当)
ジーンズによし、スラックスにもよし。そんなローファーはワードローブの頼れる存在だ。中でもフランス靴の名門「ジェイエムウエストン」の「シグニチャーローファー #180」は、その頂点ともいえる一足。既製靴でありながら、ひとつのサイズに対して最大6つのウィズを展開し、足に合うフィットを選べる点もこのモデルならでは。本作はそんなブランドの象徴的モデルを希少なアリゲーターレザーで仕立てた特別仕様だ。エキゾチックな斑紋とクラシックなコインローファーの端正なデザインが相まって圧倒的な存在感を放つ。
▲光沢のあるアリゲーターレザーは華美に映りがちだが、このモデルではマットな風合いのレザーを使用しているため、着こなしにも取り入れやすい
5. 美脚パンツの名手が放つ、脚を細く長く見せる美脚チノ
インコテックス
「コットンツイル テーパード フィットパンツ『ZR541T』」(5万600円)

脚がすっきり見えるのに、はき心地はリラックス。そんな絶妙のバランスを実現するためにミリ単位でパターンを調整し、ディテールも作り込んでいます(コロネット マーケティング部 広報課 川﨑貴史さん)
美脚パンツの代表格といえば、スローウエア傘下のイタリアのパンツ専業ブランド「インコテックス」。豊富なモデルが揃うが、休日のお出かけからビジネス使いまで視野に入れるなら、チノ感覚で穿ける定番モデルが打ってつけ。ほどよい厚みとハリのあるコットンツイル生地はジャケットからポロシャツ、Tシャツまで合わせる服を選ばない。さらにワタリから裾にかけて徐々に細くなっていくテーパードラインが脚をすっきり長く見せてくれる。ドレスパンツ由来の上品さとカジュアルパンツのリラックス感を兼ねそなえた“使える”一本だ。
▲プリーツによって腰まわりにほどよいゆとりを確保。見た目のアクセントになるだけでなく、お腹まわりを自然にカバーし、座ったときの窮屈さも軽減してくれる
6. 最高級素材をブレンドした、スーツに似合う贅沢Tシャツ
サンスペル
「シルクコットン カシミアTシャツ」(各4万1250円)

スーツに似合うTシャツを目指し、素材の配合からジャージーの編み立て、首元のリブの見え方まで細かく調整しました。希少な素材使いだけでなく、この手間ひまを惜しまない作り込みが価格に表れています(サンスペル PR 浦野誉子さん)
勝負服になるTシャツが欲しいなら、英国の「サンスペル」の一枚を。上質なアンダーウェアやカットソーで知られる同ブランドは、映画『007/カジノ・ロワイヤル』でジェームズ・ボンドのためにポロシャツを仕立てたことでも知られる。4万円を超える定番Tシャツはシルク、カシミア、長繊維コットンをブレンドした素材を使ったもの。シルクの自然な光沢と美しいドレープ感、カシミアの贅沢な肌触り、長繊維コットンの強度と耐久性を兼備する。スマートなリブネックはジャケットの下にも美しく収まり、洗練された印象を演出する。
▲ライトなジャージーに編み立てることで、通年着られる快適な着心地を実現。長繊維コットンにより型崩れもしにくい。白、黒、ネイビー、ブラウンの4色展開
7. 繊維の宝石・カシミアを用いた最高級ジーンズの真打ち
モモタロウジーンズ
「#100 CASHMERE STRAIGHT 13.7oz」(13万2000円)

カシミアの糸はコットン糸と性質が異なるため、デニム生地として安定して織り上げるには織機の細かな調整が欠かせません。職人の技術と手間を要するプレミアムジーンズです(モモタロウジーンズ PR)
最高級のジーンズとは? そのひとつの答えを示すのが岡山・児島を拠点にする「モモタロウジーンズ」である。注目すべきはヨコ糸にカシミアを用いた特別なデニムを使ったこのモデル。肌に触れる面にカシミアの質感が表れるため、一般的なコットンデニムとはひと味違う柔らかなはき心地を味わえる。カシミアというと暖かいイメージが強いが、素材本来の放湿性により蒸れにくく、季節を問わずはくことができる。シルエットはオーソドックスなストレートフィットで、股上はやや深め、膝下にかけて緩やかにテーパードする時代に左右されないシルエットも魅力だ。

▲13.7オンスのしっかりしたデニムながら、はき心地は軽く柔らかい。本格的なジーンズの表情とカシミア混デニムならではの快適さを見事に両立している
8. 職人がひと針ずつ刺しゅうする、限定BBキャップの第2弾
ニューエラ
「サシコギャルズ コラボレーション 59FIFTY」(11万円)※現在は完売

1点ずつ手作業で施される刺し子が見どころです。大量生産のキャップでありながら、職人の手間ひまと技術が宿ることで一点モノの価値が宿ります(エディター 押条良太さん)
ベースボールキャップの代表格である「ニューエラ」が、日本古来の刺し子を現代的に再解釈する岩手県大槌町の職人コミュニティ「サシコギャルズ」とコラボレーション。今年3月に発売された第1弾は即完売し、その反響を受けて6月27日より第2弾が数量限定で発売。今回は刺繍デザインを変更し、ニューヨーク・ヤンキース、ロサンゼルス・ドジャース、サンディエゴ・パドレスの3球団の59FIFTYと9TWENTYが登場。大量生産のキャップに手仕事の温度を宿した特別なコラボレーションだ。


▲メイン写真は第1弾のもの。第2弾はチームカラーやロゴデザインが映えるよう、刺し子の配色を調整。合計6種をラインアップする
©™/©2026 MLB
9. 洒落者を魅了する一生モノのレザーサンダル
ユッタ ニューマン
「アリス」(8万2500円)

全工程をニューヨークの工房で職人が手作業で行っています。革の裁断からソールの成形、仕上げまで時間をかけて作るため、大量生産品にはない履き心地と経年変化を楽しめます(株式会社シードコーポレーション PR・販促チーム 福村沙織さん)
ニューヨークで1994年からサンダルを作り続ける「ユッタ ニューマン」は、ドイツ出身の職人、ユッタ・ノイマン氏が設立したレザーグッズブランド。現在も彼女と子供、数人の職人によってすべての製品が工房で手作りされている。中でも「アリス」は、ブランドを象徴する定番中の定番だ。アッパーには、オイルを含ませて仕上げた厚みのある牛革、ラティゴレザーを使用。タフでありながら足になじみやすく、履き込むほどに艶と深みを増していく。シンプルな見た目ながら、日常使いから旅先まで長く愛用できる“一生モノ”のサンダルだ。
▲サンダルは一つひとつ手で曲げられたアーチサポートが特徴。カーブしたソールが土踏まずを支えることで長時間の歩行でも足が疲れにくくなる
10. タックインに映える、メッシュベルト界の一等星
ジェイアンドエムデヴィッドソン
「ブレイデッド ベルト」(5万3900円)

手編みのメッシュレザーを3本連ねる製法は難度が高く、編める職人の数も年々減少しています。生産に時間もかかるため、希少性はますます高まっています(八木通商 PR 川田千晶さん)
近年、Tシャツやシャツの裾をパンツに入れるタックインがトレンドだ。となるとベルトの重要性が高まるが、夏なら軽快なメッシュベルト、それも1984年に英国で創業したレザーグッズブランドのものがベストチョイスとなる。同ブランドのメッシュベルトは、編み地のボリュームを抑えたフラットな見え方が特徴で、ジーンズやチノはもちろん、スラックスやジャケパンにも自然になじむ。さらに、アールを描くバックルや剣先のプンターレが、さりげない装飾性をプラス。これ1本巻くだけで、着こなしに品格と洒落感を添えてくれるのだ。
▲ブランドのアーカイブから着想を得た、細いメッシュレザーを3本連ねたデザイン。素材にはしなやかで上品な表情を持つアニリンレザーを使用する
※2026年6月5日発売「GoodsPress」7月号84-87ページの記事をもとに構成しています
<取材・文/押条良太 スタイリング/若梅>
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