偽のApple Pay課金で電話へ誘導する詐欺〜iPhoneでの見分け方と対処法

iPhoneでWebサイトを閲覧していると、Apple Payで高額な支払いが完了したかのような画面や、Face IDによる認証を装った画面が突然表示される詐欺が報告されました。

実際には、課金も認証も行われておらず、表示される画面はすべて偽物です。利用者に電話をかけさせ、Appleサポートを装って個人情報やカード情報を聞き出すことを狙っています。本物のApple Payとの見分け方や、偽画面が表示されたときの対処法を解説します。

偽のApple Pay課金で電話させる手口

報告された偽画面では、App Storeで657ドルの支払いが完了したように見せかけ、その下に「Face IDで本人確認中」と表示されます。金額や取引番号には、あらかじめ設定された固定の文字列が使われています。そのため、どの利用者にも同じ内容が表示される点が特徴です。

処理中を装うスピナーは約2.8秒で消えます。利用者が取引の詳細を開くと、ブラウザの音声合成機能を使い、「不正な請求があった」と読み上げます。ブラウザの「戻る」を押すと、ページを離れるのは危険だとする警告が重ねて表示されます。利用者を不安にさせ、表示された番号へ電話するよう急かす仕組みです。

この手口では、課金も生体認証も一切行われていません。画面や音声は、すべてWebページ上で作られた演出です。利用者を慌てさせ、偽のサポート窓口へ電話させることを目的としています。

急増する「偽警告」への相談

偽の警告を表示し、サポート窓口へ電話させる手口は、日本でも「サポート詐欺」として以前から多くの相談が寄せられています。情報処理推進機構(IPA)が2026年4月から6月に対応した相談は、全体で3,832件にのぼりました。前の3カ月と比べて、約8.5%増加しています。

なかでも、ウイルス感染などを装う偽警告に関する相談は1,428件と最も多く、前期から約23.7%増加しました。容疑者の検挙が報じられたあとも、相談件数は再び増える傾向にあるようです。偽の警告で不安をあおり、電話へ誘導する流れは、今回報告された手口にも共通しています。

Appleサポートをかたる別の手口としては、盗まれたiPhoneの持ち主からパスコードを聞き出す事例も報告されています。日本で知られてきた偽警告は、パソコンの画面に表示するものが中心でした。今回の手口はiPhoneとApple Payの画面を模し、スマートフォン向けに設計されている点が特徴です。

本物のApple Pay/Face IDとの見分け方

本物のApple Payと今回の偽画面は、どこで見分ければよいのでしょうか。主な違いは次の通りです。

項目本物のApple Pay今回の偽画面
認証画面iOSのシステムが表示する支払い画面Webページ上にHTMLで再現
決済までの操作内容を確認し、Face IDなどで認証認証なしで「完了」と表示
サポート番号決済画面には表示されない電話番号を目立つように表示
ページを閉じる操作操作を妨げる警告は表示されない警告を重ねて離脱を妨げる

大きな見分け方の一つは、Face IDの画面がWebページ内に表示されているかどうかです。本物の生体認証画面はiOSが表示するため、閲覧中のWebページ内に埋め込まれることはありません。

本物のApple Payでは、利用者が支払い内容を確認し、Face IDやパスコードで認証してから決済が完了します。認証操作をしていないのに「支払い完了」と表示された場合は、偽画面を疑いましょう。サポート窓口の電話番号が大きく表示されることも、本物の決済画面にはない特徴です。

表示されたときの正しい対処

偽の課金画面が表示された場合は、次のように対処してください。

  • ページ内のボタンやリンクを押さない
  • Safariのタブ一覧から該当のタブを閉じる
  • 表示された番号には電話しない
  • 実際の課金状況は購入履歴で確認する

ページ内のボタンやリンクには触れず、Safariのタブ一覧から該当のタブを閉じましょう。ページを離れるか確認する画面が表示された場合は、離れる選択肢を選びます。表示された番号へ電話せず、個人情報も入力しなければ、偽のサポート担当者に重要な情報を聞き出される被害を防げます。

本当に課金されたか不安な場合は、設定アプリやApp Storeのアカウント画面から購入履歴を自分で確認しましょう。iOS27には、対応アプリが利用者の操作状況から詐欺の兆候を検知し、警告を表示できる新しい仕組みも加わります。ただし、Web上に表示されるすべての偽画面を自動的に遮断する機能ではありません。

相手に遠隔操作を許可したり、指示されたソフトをインストールしたりした場合は、まず端末のインターネット接続を切り、該当するソフトを削除してください。そのうえで、別の安全な端末からApple Accountや銀行口座などのパスワードを変更し、必要に応じてカード会社や警察にも相談しましょう。

偽警告を使った詐欺は、iPhoneの画面まで巧妙に再現するようになっています。被害を防ぐには、画面の指示に従って慌てて電話をかけないことが重要です。

Photo:Malwarebytes


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