スタートアップのPortobelは、食品生産者が消費者へ直接配達をサポートできるようにビジネスをシフトする支援を行っている。
Portobelのメイン投資家はHeroic Venturesで、創業者のRanjith Kumaran(ランジス・クマラン)氏は過去に、ファイル共有のHightail(OpenTextが買収)やポイント還元のPunchTab(Walmart Labsが買収)を創業している。
クマラン氏によると、彼と共同創業者のTed Everson(テッド・エバーソン)氏とItai Maron(イタイ・マロン)氏は、安価なインターネット接続デバイスを使ってデリバリーのプロセスを改善することを最初の目標にした。乳製品やそ他の生鮮食品の生産者たちとそのテストを始めたとき、顧客たちは「こういう品物をモニターできるのであれば、配達もできないか?」と聞かれるようになった。
そこで2019年に同社は、自社によるデリバリーも始めた。そのためにはもちろん、倉庫やドライバーを管理しなければならない。クマラン氏によると、その工程は「卸売のパレットをD2Cのデリバリーに変えたもののようになった」という。
しかもパンデミックの間は衛生にも配慮し、倉庫の労働者とドライバーにはマスクなどの防御用の装備を身につけさせた。またドライバーは、配達の合間に手を消毒させるようにした。
Portobelは現在、サンフランシスコのベイエリアとロサンゼルスのオレンジ郡地区で事業を行っている。パンデミックは同社のサービスに対する需要を拡大させ、サービスを提供する世帯数は2020年4月以降、3倍に増えた。
しかしスーパーマーケットは健在だし、今でも利用者は多い。また、スーパーマーケットは食料品の配達サービスもオプションで行っている。そんな状況で、なぜPortobelは成長できたのだろうか?
クマラン氏は、D2Cのモデルの方が生産者と消費者の両方にとってメリットが大きいと考えている。生産者にとっては安定して大量の注文があり、消費者にとっては卸から買うことになるため、欲しいものを何でも購入することができる。
デリバリーに関して、食料品をオンラインで買った場合はそれらが荷造りされて最寄りの店へ配達されると彼らはいう。しかしネットショップの品揃えがどれだけ豊富でも、地元の商店はeコマースの効率的なデリバリーに向けて最適化されていない。「通路が荷物でふさがり、デリバリー業務のための専用スペースがないため、サービスの規模を拡大することもできない。食料品の配達には今後、予測できない機会がいろいろあるが、それらにも対応できない」とクマラン氏はいう。
Portobelの顧客にはサンフランシスコのMoo Cow Marketがいる。Moo Cowの創業者であるAlexandra Mysoor(アレクサンドラ・ミズール)氏は、「パンデミックはリテールに新しい波をもたらし、現在、商業の古い形と新しい形が混在するようになった。そんな状況の中でMoo Cow Marketのような企業は、Portobelなどのおかげで事業を拡大し成長することができる」と声明で語っている。
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画像クレジット:Portobel
[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/06/06/2020-06-05-portobel/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Anthony Ha
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