複数のクラウドプロバイダ間でデータの取得・処理・保存ができるサーバーレススタートアップKoyeb

長年、Online SAS(Online.net)が展開するパブリッククラウドサービスのScalewayで働いていたYann Léger(ヤン・レジェ)氏、Édouard Bonlieu(エドアール・ボンリュ)氏、Bastien Chatelard(バスティアン・シャトラー)氏が創業したフランスの新しいスタートアップであるKoyeb(コイェブ)を紹介しよう。Koyebはサーバーのインフラにとらわれずにデータをさまざまな方法で操作できるようにするサーバーレスのスタートアップだ。

クラウドサービスプロバイダの競争が激しくなっている中、Koyebはその競争を利用しようとしている。同社のサービスは複数のクラウドサービスプロバイダと統合しており、厄介な作業を任せることができるのだ。

クラウドプロバイダ大手のDigitalOceanが、管理するオブジェクトストレージバケットに大量のビデオを保管しているとしよう。あなたはそのビデオを再エンコードして新しいデバイスに最適化したいと考えるかもしれない。Koyebはバケットからデータをインポートし、ビデオを再エンコードし、新しく作られたファイルをバケットにアップロードすることができる。

しかしKoyebは、複数のサービスとAPIの組み合わせでさらに一歩先へ進んでいる。クラウドのプラットフォームは賢くなり、サーバーを稼働させてデータを保管することだけに止まらないサービスを提供している。

例を挙げれば、Google Cloudの音声認識エンジンであるSpeech-to-Text APIは間違いなくAmazon Transcribeより優れている。Koyebを利用すれば、複数のクラウドを利用するワークフローを手作業でセットアップすることなく、AWSのS3バケットからビデオファイルを取得し、ビデオファイルのオーディオをGoogle Cloudで文字に起こし、その結果をAWSのS3バケットに保存することができる。

S3互換のオブジェクトストレージプロバイダから別のところへデータを毎日コピーして冗長性を持たせることから、APIコールでデータ処理をトリガーすることまで、Koyebのユースケースはたくさんある。あらゆる処理が自動でスケールし、ワークフローが完了すれば稼働時間に対してそれ以上課金されることはない。

データソース(入力と出力)との統合やすぐに使えるAPIがすでにいろいろと用意されている。コマンドラインインターフェイスまたはKoyebのAPIを使って、複数の処理をすべてウェブのインターフェイスで構成できる。

Koyebはステルスから姿を現したばかりで、すでに製品のアップデートに取り組んでいる。例えば将来的にはDockerコンテナやカスタム関数を使えるようになり、さらに多様なワークフローを組めるようになるだろう。滑り出しは上々だ。

画像クレジット:Taylor Vick / Unsplash

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(翻訳:Kaori Koyama)


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