家電女優・奈津子の恋する家電デザイン|Shark®︎


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一切の妥協なし。
暮らしに寄り添うシャークの掃除機は、
格好良いだけじゃない

米国売上No. 1の掃除機ブランドShark(以下:シャーク)は、今夏で日本市場への参入が2年を迎える。家庭内テストを重ね、消費者のニーズに徹底的に応える同社の深い魅力と、新製品のコードレススティック掃除機の開発秘話へと迫る。

コンパクトなのにパワフルで、隅々まで使える。
日本のためだけに開発された、
暮らしに寄り添う新しいコードレススティック掃除機

左側2台(メタリックグレイ・ロイヤルブルー)はあらゆる床に対応するCS401J、右側2台(ルビーレッド・ノルディックブルー)はフローリング専用に開発されたCS200J。日本家庭にマッチさせやすく、これから流行る色の中で選ばれた4色が採用されている。

Shark EVOPOWER System
実勢価格:3万円(CS200J)
                  4万5000円(CS401J)

CS401JとCS200Jではヘッドの仕様が異なる。共に隙間にも入れ込みやすい薄さを持ちながら、上位モデルではシリコン素材のフィンをつけたことで床との密着性を上げ、高い吸引力を実現した。

シックな印象のロイヤルブルー、和洋どちらにも合うルビーレッド。充電台・アタッチメント・バッテリー2つが付属。(CS200Jではバッテリー1つのみ)充電台ではアタッチメントが全て収納でき、使用していない方のバッテリーが常時充電可能。両モデル共に、アタッチメントは手を伸ばさなくとも上部のボタンを押すだけで着脱ができる。

奇抜なだけじゃない、シャークの製品に込められた
地道な物づくり精神とは。

日本市場への参入が今夏で2年を迎えるシャークニンジャ株式会社。「掃除機の神様」と呼ばれた前任のゴードン・トム氏からバトンを受け取り代表取締役に就任した古屋氏へ詳しく話を聞いた。

(写真右側)古屋和輝氏。多くの外資系企業に勤めた後、シャークニンジャ株式会社のマーケティングディレクターとなる。今年1月に同社の代表取締役へ就任した。(写真左側)本連載の筆者・奈津子。EVOFLEXとEVOPOWERを愛用している。

僅か2年でこれほど支持していただけるようになるとは想定していませんでした。掃除機市場は、既に国内の強いメーカーさんが沢山いますので、お客様に受け入れていただくには時間を要するだろうと推測していたんです。ところがEVOPOWERは昨年コードレスハンディクリーナー市場で台数シェアが1位となり、2019年は当初の販売目標の3倍の出荷を達成したんです。この結果は私達にとって大きな自信に繋がりました。」

ファッショナブルな見た目でありながら強力な吸引力を持つEVOPOWERは、美しい4つの基本カラーに加えて伝統工芸である臥牛窯と、スターウォーズとのコラボレーションも行なっている。アーティスティックな様は、個人的には家電という枠組みを越えた型破りなプロダクトという印象が強い。ヒットの要因はどこにあったのだろうか。

ハンディクリーナーのEVOPOWERは基本カラーのブラック、グレイ、ライトピンク、アクアブルーの他にスターウォーズ(左側2種)と臥牛窯(右側2種)との限定モデルも発売。想定以上のヒットを記録した。

 「お客様へ物欲を抱かせることが出来たのが要因の1つではないでしょうか。カラバリの多さもコラボレーションモデルに関しても、何年間も使うものだからこそお客様に本当に気に入った物を選んでいただきたいという想いがあります。面倒な掃除の時間をいかに楽しいものへ変えられるのかを大切にしているんですね。また、これは当社の全ての製品に通じることですが、お客様からの信頼度が非常に高いのも特徴です。購入後の修理依頼や返品等の苦情が少なく、お客様のお問合わせは購入前のお客様からのご質問が中心となっています。見た目の良さだけでなく、品質の面でも評価していただけているのだと思います。

新製品のEVOPOWER Systemは、縦に軽やかに伸びるフォルムがEVOPOWERと少し似ている。実際に使ってみると余計な力をほとんど必要とせず、ハンディクリーナーのような汎用性の高さも兼ね備えていた。凛とした佇まいは他メーカーの掃除機とは一線を画しているように思う。

今年4月に発売された充電式サイクロンハンディクリーナーCH951J。髪の毛が絡みづらいブラシロールを搭載したミニモーターヘッドを付属し、EVOPOWERよりも広めの吸引口で車内やファブリック素材のゴミも強力吸引

 「EVOPOWERのヒットを受け、この長所を引き継いだ新しいコードレススティック掃除機を日本のためだけに作ろうということで開発したのがEVOPOWER Systemです。吸引力の高さはもちろんのこと、日本家庭に見合うよう“できる限り小さい空間に納めること”を重要視しました。せっかくのアタッチメントも、押入の奥へ仕舞われてしまうと意味がありませんので、充電台とアクセサリードッグに全てを収納できるようにしたんです。プロトタイプの完成後は、これまでの開発過程と同様に120世帯へ各6週間ずつ配布し、実際に使い込んでいただいた意見を基に改善を重ねました。お客様からはメーカーとして教えていただくことが非常に多く、それらのフィードバックを製品づくりへ反映させるスタンスは創業時から変わりありません。

以前のEVO FLEXでは2つのブラシを並べていたがEVO POWER Systemでは1つにまとめることに成功。柔らかいブラシにシリコン製のヘラをつけたブラシレスパワーフィン構造で更に高い吸引力を実現した。

日本家庭が求める使い勝手の良さと、吸引力。両者をその美しい外観へ詰め込むためにはどのような壁があったのだろうか。

 「今回は形状を米国本社のデザインチームが、カラーを日本のデザイン事務所が担当しているのですが、実は当初サイズが今よりも2倍近い設計だったんですね。土足文化で敷地の広い米国では、カーペットに砂利が混じることもあるので掃除機は大きく重いものがパワフルであるという印象が強いのです。しかし、狭くて裸足文化がメインの日本ではそれは受け入れられません。ですから米国のチームとはかなり細かい点までじっくり相談をしながら、時には日本の家庭へ実際に訪問させていただく機会を設けながら、どんどん小型化させていきました。無事に最適な形状が決まった後は、ダストカップ内の気流制御やパーツのミリ単位での配置決めなどエンジニアリング側が泣きながら試行錯誤していましたね。特に、ハンドル持ち手の裏側にある突起の付いたブーストボタンは、指をかけるとちょうど良い位置で押せるようになっていて、目で確認しなくても分かるようにしているんです。このような細やかな部分までギリギリまで粘る姿勢は作り手としての執念を感じました。

日本市場への参入が3年目に突入するシャークは、今後どのような戦略を計るのだろうか。「“人々の生活を支える”というミッションを軸にして、お客様自身でさえ気がついていないような潜在的なニーズを掘り起こし、深く理解し、そこにアプローチしていける製品を引き続き提案していけたらと思います。シャークならではの創造的な物づくりの楽しさがチームの原点になっていますので、他メーカーさんのヒット商品へ付随するのではなく、更に磨かれたオリジナリティーを追求していけたらと思います。」朝起きてから会社へ行くのが楽しみで仕方ないんです、取材終わりにそうこぼした古屋氏の眼差しには希望の光が満ち溢れていた。独自路線を進むシャークのこれからにも目が離せない。


text : 奈津子
photo : 下城英悟(GREEN HOUSE)

家電アドバイザー・タレント
奈津子
家電をこよなく愛するタレント。数々のレビュー執筆やメディア出演を行う。Instagramは「natsuko_kaden」。「開運!なんでも鑑定団」に出演中。


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