この数週間、スマートホーム用バーチャルアシスタントの世界では、ほぼすべてのメーカーから製品のリニューアルや拡大が発表されている。Apple(アップル)はHomePod Mini(ホームポッドミニ)を、Google(グーグル)は待ちに待ったGoogle Home(グーグルホーム)の最新モデルを発表し、Amazon(アマゾン)は、Alexa(アレクサ)を住まわせるスピーカーの種類をさらに増やしてきた。
そして米国時間11月10日、この分野で競合するスタートアップから新たな製品が追加された。Josh.ai(ジョシュ・エーアイ)は、専門業者が取り付けを行い、さまざまなスマートホーム製品を管理できるようにするスマートアシスタントというニッチな製品を開発しているが、11月10日午後に新製品を発表した。
このデバイスの名前はJosh Nano(ジョシュ・ナノ)。高級住宅向けというニッチ市場を狙ったもので、50セント硬貨よりわずかに大きい(直径3cmほど)、目立たない製品だ。本体はほとんどが壁の中に埋め込まれ、PoEにより電気配線を通じて中央ユニットに有線接続される。このデバイスにはマイクが4基付属している。スピーカーは内蔵されておらず、家庭のホームサウンドシステムに直接統合できるようになっている。Joshでは、Sonos(ソノズ)などの企業と提携しているが、その他にも主要なAVレシーバーのメーカーとの互換性を誇っている。その他は、光による視覚的なフィードバック、多目的タッチセンサー、心の落ち着きが欲しいときにマイクをオフにする物理スイッチといった程度で、多くの機能を持たない。
この新型ハードウェアの狙いは、業界標準の時代遅れなタッチスクーンから脱却して、家庭用のスマート機能を目立たなくすることにある。Josh.aiは、スマートホーム製品を基本機能だけに絞り込むことで、より多くのユーザーが、新製品が出ても現在使っている製品が古臭いつまらないものにはならないと安心して購入できるようにしたいと考えている。同スタートアップは、このデバイスの予約受付を行っている(色は黒と白の2種類)。出荷は2021年初頭を計画している。
このデバイスは、同社がJosh Core(ジョシュ・コア)と呼ぶ製品を必要とする。基本的に、ユーザーの住宅内でJoshが対話するあらゆるデバイスのハブとなる小型サーバーだ。これにより、スマートホーム製品同士が、外部への要求を最小限に抑えつつ確実にローカルで対話できるようなる。同スタートアップは、壁に埋め込まれたハードウェアに専用のスピーカーを統合する従来製品Josh Micro(ジョシュ・マイクロ)も引き続き販売する。
Josh.aiは、ハードウェアの取り付け事業者と直接提携するかたちを取っているが、ソフトウェア事業としての拡大も行ってきた。顧客に同社のテクノロジーを1年、5年、永久の各期間ごとにライセンスするというものだ。料金は、取り扱う住宅の規模に応じて異なる。「スモール」は、15部屋以下の住宅が対象となる。ハードウェアに関しては、費用はまちまちだとJosh.aiは話すが、最も多い事例で、平均的なコストは1部屋あたり500ドル(約5万3000円)前後だという。
大手テック企業は、当然のことながら大衆向けの製品を開発する。Josh.aiなどのスタートアップから見れば、この現実は、10億人のユーザー共通の需要に応える以外の製品を開発する道を示している。実際、同社のセールスポイントは、顧客の多くがグーグルやアマゾンやアップルのデバイスは購入せず、家の中のフィードバック用マイクを有線接続しているという事実から導かれたものだ。
同スタートアップの現在の事業は95%が住宅向けだが、商業的なシナリオでそのテクノロジーを活かす方向での拡大にも彼らは興味を示している。会議室や、エレベーターなども考えられると同社は話していた。
カテゴリー:ハードウェア
タグ:スマートスピーカー、スマートアシスタント、スマートホーム、Josh.ai
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(翻訳:金井哲夫)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/11/11/2020-11-10-josh-ai-launches-a-nearly-invisible-amazon-echo-competitor-thats-the-size-of-a-coin/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Lucas Matney
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