Dell(デル)の新型ディスプレイは、ビデオ会議に対応したシンプルだが頼りになるソリューションを求める声の高まりに応じるものとなった。スマートな飛び出し式のカメラと、さらにあまりスマートではないTeamsボタンを備えている。この新型ディスプレイにはいくつもの進歩的な機能が盛り込まれているが、それでもオフィスでの使用をしっかり念頭に置いて作られている。
Dellの新しい24インチ、27インチ、34インチのVideo Conferencing Monitor(ビデオカンファレンスモニター)は、大枚を投じることなく、スイッチ1つで簡単に会社をビデオ対応体制にしてくれるソリューションという、多くの企業の願いを叶える目的で作られたことは明白だ。
なかでもおもしろい機能は、上部に取りつけられた飛び出し式のカメラだ。これは世界初というわけではなく(数年前に見たことがある)、Dellにとっても最初ではない。しかしオールインワンシステムとは別のディスプレイ単体製品としては初であり、おそらくこれまでで最高のものだ。
カメラは5メガピクセル(1080pをやや上回る、ほぼ3K)という平凡な解像度であるため、光学的に背景をぼかしたいとか、照明をよくしたいと思うなら、自分でカメラをセッティングすべきだ。だが、仕事の通話ならまったく問題ない。使わないときは本体に格納されるため、プライバシーを気にする人にも安心だ。
もう1つ気づきにくいことだが、この方式が好ましい理由として、ディスプレイ本体のベゼルに制限されないという点がある。これなら、高性能なレンズや大きなセンサーを組み込むことも可能だ。私はカメラの詳細情報をDellに求めた。ずば抜けた性能は期待できないが、画面の余白にカメラモジュールを詰め込むよりは、スペースに余裕があるほうがいいに決まっている。
画面の下には、感じのいいフェルトで覆われたスピーカーバーがある。出力は、激しい音楽には向かないが、ビデオ通話の音声をクリアに聞くには十分だ。
そのスピーカーバーの左端にはちょっとおもしろい、実用的かどうかはわからない、いくつかボタンが並んでいる。通話、音量、ミュートの他に、Microsoft(マイクロソフト)のTeamsのためのボタンが目につく。
みなさんがどう感じるかわからないが、私には無用の存在だ。その理由は、単にTeamsを使わないからではない。
これは私だけのことかも知れないが、ちょうどいい位置に調整して置いたディスプレイに、音量を変えたりビデオ通話に出たりするたびに、わざわざ手を伸ばして操作するという考え方が好きになれない。よくよく気を遣ってそっと操作しても、その度に画面が揺れる。これらのボタンを使うとしても、特定のブランドのビデオ会議システムのためだけのボタンはほしくない。ビデオ会議プラットフォームは山ほどあるのに、使用を限定されている感じがする。
むしろ、アイスホッケーのパックぐらいなものに、それらのボタンと会話用のモノラルスピーカーとマイクが内蔵されていたなら、そっちに喜んで金を払いたい。ところで、ノイズキャンセリングはソフトウェアに任せておいたほうがいいだろう。大抵のビデオ通話アプリにはノイズキャンセリング機能がある。それと内蔵のノイズ対策機能が干渉し合わないとも限らないからだ。
もちろん、これは間違いなく製品としてもっともシンプルなソリューションだ。またおそらく、マイクロソフトとDellが共同で作り上げたものだ。飛び出すウェブカメラには赤外線カメラも含まれており、つい最近までその存在に気づかなかった顔認証ログイン技術のWindows Hello(ウィンドウズ・ハロー)に対応している。
これは明らかに、Dellとマイクロソフトがすでにそのエコシステムの中にいる企業顧客を意識したものだ。だが、Dellのディスプレイを愛する私からすれば、飛び出すカメラはいいが、サウンドバーとTeamsボタンはいらない。Dellよ、お前の愛はどこに?
この新型ビデオ会議用ディスプレイは2021年2月から発売される。価格は24インチタイプの520ドル(約53000円)から、27インチタイプの720ドル(約7万4000円)、さらに画面が湾曲した34インチタイプの1150ドル(約11万8000円)までとなっている。
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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Dell、ディスプレイ、CES 2021
画像クレジット:Dell
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(翻訳:金井哲夫)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/01/06/2021-01-05-dell-monitors-embrace-video-calls-with-pop-up-webcams-and-teams-buttons-built-in/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Devin Coldewey
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