東京大学発IoTスタートアップ「ソナス」は6月15日、関西電力の41階建て本社ビルをはじめとする7棟の拠点建物に、地震モニタリング用の無線振動計システムを導入したと発表した。
この無線振動計測システムは、配線工事が不要なため1日で設置可能という。またソナスの試算によると、機器のコストも従来の有線システムの1/10に圧縮できるという。41階建てという大きな建物でも、複数のノードを経由してパケットを送るマルチホップ方式によって、単一のネットワークでカバーできる。
さらに、「同時送信フラッティング」と「細粒度スケジューリング」という技術を高度に組み合わせてソナスが独自開発した無線通信規格「UNISONet」(ユニゾネット)により、「安定」「省電力」「拘束」「双方向低遅延」「データロス」「時刻同期」「ネットワーク内多数収容」という7つの性能が同時に実現されている。「有線システムに匹敵する『抜けのない』『時刻同期のとれた』高品質データが収集可能」であり、これが関西電力が提示した「配線工事が不要で設置が簡単、機器のコストも安価でありながら、通信品質を保ち、広範囲計測やデータロスレス、時刻同期も実現」という条件を満たし、導入が決まった。
またソナスの無線振動計測システムは、建物の常時微動のような微弱な振動や、モーターなどの故障の予兆として現れる異常振動の計測にも使われている。
関西電力の担当者は、「通信性能の実証に加え、トライアルから設置まで短期間で丁寧にご対応いただいたことも、スムーズな導入に至ったポイントです」と話している。
関連記事
・日本全体での防災・減災の強化を目指すOne ConcernがSOMPOと複数年の戦略的パートナーシップ締結
・テクノロジーと災害対応の未来2「データとAI」
・AI防災・危機管理ソリューションのSpecteeが水害発生時浸水範囲のリアルタイム3Dマップ化に成功
・理経の防災訓練用VRがEpic Gamesの開発資金提供プログラム「Epic MegaGrants」に採択
・グーグルがAndroidスマホを地震計にする技術を発表、世界最大の地震検知ネットワークを作り出す
・職場向けの置き菓子サービス「オフィスグリコ」が全国で利用可能になる「どこでもオフィスグリコ便」の受付開始
・東大発の無線通信技術で“IoTの足かせ”なくすーーソナスが3.5億円を調達
カテゴリー:セキュリティ
タグ:IoT(用語)、地震(用語)、ソナス(企業)、東京大学(組織)、防災 / Emergency management(用語)、BCP / 事業継続計画(用語)、日本(国・地域)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/06/17/2021-06-15-sonas-vibration-measurement-system/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:tetsuokanai
Amazonベストセラー
Now loading...