FBIは自前でiPhoneロック解除が可能〜それでもAppleに要請する理由とは


 
Appleは頑なにiPhoneのロック解除を拒否していますが、そもそも連邦捜査局(FBI)は何故Appleに頼む必要があるのか?と疑問視する人も多数います。
 
何故ならペンサコーラ銃撃事件の犯人が使用していたiPhone5とiPhone7のロックを解除することも十分に可能なツールが、サードパーティにより既に開発されているからです。
 
さらに、ForbesによるとFBIは、iPhone11 Pro Maxのロック解除のために闇市で取引されているツールを使用したとも言われています。このiPhone11 Pro Maxは、有罪判決を受けた兄の出国を手助けしたとして罪に問われているバリス・アリ・コッチ容疑者のものでした。
 
コッチ容疑者の弁護士は、iPhoneは確かにパスコードでロックされていたとし、同容疑者はパスコードを明かさず、Face IDを使用させることもしなかったと述べています。
 
これを踏まえると、GrayKeyが使用されたことも頷けます。

GrayKeyは公的機関に使用されてきたツール

GrayKeyはGrayshiftが開発したもので、iPhoneのロックを解除する目的で法執行機関や調査員も使用しているといわれています。
 
GrayKeyの詳細は公表されておらず、Appleの最新OSやiPhoneで機能するのかも分かっていません。これにより、Grayshiftが利用している脆弱性に対応するのは、Appleにとって難しくなります。
 
フロリダ州ペンサコーラの銃撃事件の容疑者が使用していたiPhoneはiPhone5とiPhone7で、これは上記でも述べたように、サードパーティーの協力によりロック解除が可能です。
 
実際に、FBIが2015年のサンバナディーノ銃乱射事件の調査のためにiPhone5Cをアンロックしています。これと同じ手法で、今回のiPhoneもロック解除可能のはずです。

バックドアの義務付けが狙いか

では何故FBI、トランプ大統領そしてウィリアム・バー司法長官はAppleの助けが必要なのでしょうか?
 
最も考えられる可能性は、政治的な要因です。Appleや他のIT企業に、全てのハードウェア・ソフトウェアのバックドアを作るよう義務付けるために、法的機関を説得する材料にしたいのでしょう。
 
さらに、金銭的な面も考えられます。AppleがiOSとiPhoneにバックドアを作れば、FBIはGrayshiftのようなサードパーティーにお金を払う必要がなくなるからです。
 
 
Source:Forbes via 9to5Mac
(tamakuwa)


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