2020年Q1の世界PC出荷は8%減の5368万台、2016年以来の落ち込み

予想されたことではあるが、新型コロナウイルスによる工場の閉鎖やサプライチェーンの寸断で、PCの出荷台数が落ち込んでいる。調査会社Canalysがこのほど発表したレポートによると、2020年第1四半期(Q1)のグローバルのPC出荷台数は前年同期比8%減の5368万台だった。

2016年以来の大きな落ち込みとなり、出荷台数上位5社のうち、特にAppleの落ち込みが21%減と大きくなっている。

・好調の前四半期から一転

レポートでは、感染を抑制しようと多くの都市で外出禁止措置が取られ、リモートワークやオンライン教育の導入でPC需要は大きかった、と指摘している。にもかかわらず出荷台数が減ったのは工場の閉鎖などにより生産やロジスティックが影響を受けたからだ。

その結果、2020年Q1のデスクトップ、ノートブック、ワークステーションなどの合計出荷台数は対前年同期比8%減の5368万台となった。2019年第4四半期は対前年同期比5%増だったことを考えると、急ブレーキがかかったことが明白だ。

・1位はLenovo

Canalysはまた、メーカー上位5社の出荷台数も明らかにし、それによると最も出荷台数が多かったのはLenovoで、1283万台だった。マーケットシェアは23.9%とほぼ4分の1を占めるが、それでも対前年同期比では4.4%減だ。

2位はHPで1170万台を出荷し、対前年同期比13.8%減。そして3位は1049万台を出荷したDellで、上位5社の中で唯一、対前年同期比1.1%と成長した。

落ち込み幅が最も大きかったのが4位のAppleだ。出荷台数は321万台で対前年同期比21%減、マーケットシェアも2019年Q4の7%から6%に落とした。5位はAcerで、対前年同期比12.6%減の312万台だった。

Canalysは、中国でのPC生産は戻りつつあるが、第1四半期で見られたPC需要は弱まり、すでに始まっている景気後退と相まって第2四半期以降はさらに厳しい数字なることが予想される、としている。

Canalys

(文・Mizoguchi)


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