Wi-Fi内蔵型スマートロック「August Wi-Fi Smart Lock」の新モデルレビュー、価格は2万7000円

ここ数年、新製品を発表していないAugust(オーガスト)だが、そんな中、2020年のCESで発表されたAugust Wi-Fi Smart Lockの販売が始まった。前世代のAugust Smart Lock Proに代わってオーガストの新たなフラッグシップ商品となるAugust Wi-Fi Smart Lockは、同社が展開するコネクテッドロックの最新世代で、機能満載のモデルである。デザインが改良され、Wi-Fiも搭載されている。オーガストはこれまで、既設のサムターンとデッドボルトを簡単に取り換えるタイプのロックでスマートロック市場を牽引してきたが、今回のAugust Wi-Fi Smart Lockにはあらゆる点でこれまでの評価をさらに押し上げる改良が施されている。

デザイン

共同創業者の1人にYves Béhar(イヴ・べアール)氏が名を連ねるオーガストのデザインはもともと評価が高い。今回のAugust Wi-Fi Smart Lockもベアール氏がデザインを監修したため、非常にオーガストらしいデザインに仕上がっているが、見た目も触れたときの質感も以前と比べてさらに上質になっている。筆者がレビューしたサテン調ニッケル仕上げタイプもおしゃれで高級感があり(色はブラックも選べる)、手動で施錠・解錠するときに握る外縁部分の独特な手触りも心地いい。また、施錠中かどうかがひと目でわかる新機能として、少し隆起した「ポインタ」という部分が新たに追加されている。

スマートロックのデザイン

しかし、前世代モデルAugust Smart Lock Proのデザインから最も大きく変化した点は、かなり小型化されたということだ。オーガストによると、実際に体積比が45%減、奥行きは20%減とのことだが、その差は歴然と見て取れる。Smart Lock Proは比較的大きかったため、一部のドアには取り付けることができなかった。そのため、小型化によって実用性も機能性も向上したわけだが、それだけでなく見た目もかなり改善され、住宅のインテリアやエクステリアにもなじみやすくなった。

Wi-Fiを内蔵してもこれだけの小型化が実現できた理由の1つは、CR2電池を採用したことにある。Smart Lock Proで使用していた単三電池と比べたら取り扱う店はかなり少ないが、それでもドラッグストアやAmazonなどで簡単に手に入る。

サイズ以外でも設計がすばらしく、手で回せば物理的にドアを施錠・解錠することも簡単にできる。取り付けも前世代と同じく非常に簡単で、手先が特に器用でなくても設置できる。サムプレートを取り外すときに錠前の反対側を仮止めしておくマスキングテープまで同梱されており、専用アプリを見れば、既設のデッドボルトのメーカーに応じてどのサイズの同梱アダプタを使えばよいかが簡単にわかる。筆者が自宅のサムターンをこの製品に交換してみたところ、すべて完了するまでに5分しかかからなかった。

機能

オーガストの技術の核心は、スマホからドアの施錠・解錠ができることである。August Wi-Fi Smart LockではWi-Fiが内蔵されたため、今までよりはるかに簡単にこの技術が使えるようになった。オーガストの従来製品はBluetoothにしか対応していなかったため、Wi-Fiに接続するにはブリッジとなるConnectドングルを別途購入し、家の中のコンセントに差し込んでBluetoothでロックと接続する必要があった。

Connectが不要になったため、セットアップ時にWi-Fi Smart Lockをインターネットに接続すれば、オーガストのスマホ用アプリでどこからでもロックを操作できるようになった。オンラインであればいつでもスマホの画面からドアの施錠と解錠ができるし、他の人に操作の権限を付与するなど、他にも多くの機能を利用できる。

オーガストの製品では、友人にEメールで仮想キーを提供することができる(仮想キーを使用する友人もアカウント登録が必要)。ロックの操作が不要になった人からは権限を取り消すこともできるため、この機能はAirbnbホストに重宝されている。また(いずれまた旅行ができる状況になったときの話だが)自宅にいるペットのエサやりを隣人に頼みたい場合や、自分がいないときに家族に自宅に入っていてもらいたい場合などにも便利だ。さらに、この機能は同居人と共有できるため、同居人が無制限の操作権限や管理権限を持つオーナーになるように設定することもできる。

August Wi-Fi Smart Lockには自動施錠機能もついている。ドアを閉めてからすぐ、あるいは一定時間の経過後に自動的に施錠されるように設定できる。この機能を使うには、セットアップ時に同梱のDoorSenseという磁気センサーをドア枠に取り付ける。

自動解錠については、筆者が試したところ大抵はスムーズだったが、玄関前に来てスマホのAugustアプリで「Welcome home」通知が表示されたのにドアが自動で解錠されず、スマホ画面でアプリを開いてボタンを押さなければならないということが何回かあった。しかし、全体的にはきちんと機能している感じがするし、買い物袋で両手がふさがっているときなどには非常に便利な機能である。

性能

スマートロックの動作

August Wi-Fi Smart Lockでは、デザインが刷新されてWi-Fiが内蔵されたが、中核機能は従来のオーガスト製品からあまり変わっていない。性能については、少なくとも前世代モデルと同程度の信頼性が備わっていると思う。筆者が専用アプリを使って家の内外から何度も施錠と解錠を試してみたところ、一貫してスムーズに機能した。

オーガスト製品はまた、Alexa、Google Home、HomeKitなどの音声アシスタントにも対応している。筆者はHomeKitを試してみたが、解錠がうまくいかなかったことが少なくとも1回あり、動作が少し不安定な感じがした。しかし全体的には、Augustアプリから直接操作する場合より少し反応が遅いものの、スムーズに動作する場合の方が多かった。音声コマンドで解錠することも可能だが、その場合は専用アプリで認証コードを登録しなければならない設計になっている。誰かがドアの外から大声でAlexaに話しかけて解錠するといった不正操作を防止するためだ。

施錠や解錠が行われるとプッシュ通知を受け取れるようにするオプションのほか、ドアの開閉ステータス、手動・自動・リモートでの施錠・解錠の履歴など、ロックの使用履歴をすべて保存するオプションも利用できる。誰がいつどのように自宅に入ったのかを確認できるため安心できる。

総合評価

コネクテッドロックを長年作り続けて高い評価を受けてきたオーガストは、その実績が買われ、2017年にYaleなど数々のブランドを抱える世界有数の錠前メーカーAssa Abloyに買収された。買収後初の新製品となるAugust Wi-Fi Smart Lockは、オーガストならではの製品開発力が依然として健在であることを感じさせる製品である。簡単に手ばやく取り付けられて人間工学的にも優れており、美しいデザインと高い互換性を誇るAugust Wi-Fi Smart Lockは、スマートロックとして非常に優秀な製品である。特に自動施錠・解錠機能によって、使い走りから犬の散歩まで、毎日の外出が大きく変わる。ちょっとした便利機能が使えるだけで、何気ない日常の動作がこんなにも楽しくなるなんて驚きだ。

August Wi-Fi Smart LockはAugust.comとBest Buyで販売されており、価格は249.99ドル(約2万7000円)。5月17日からは他の小売店でも販売が開始される。

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Category:ハードウェア

Tag:スマートロック August ガジェット

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(翻訳:Dragonfly)


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