手洗い後に手をかざすと衛生状態を自動で判定する手指衛生管理ソリューション

米ニューヨークで2017年に創設されたPathSpot(パススポット)は、手洗い後の手の衛生状態をリアルタイムで判定できる手指衛生管理ソリューションを開発している。

手洗い後の手に細菌やウイルスが残存していないか2秒で判定

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、食中毒の89%は従業員の手に残存した細菌が原因とみられる。食中毒予防において、適切な手洗いは不可欠なのだ。

PathSpotのソリューションは、従業員が手洗いした後、手洗い場のそばに設置された専用スキャナーに手をかざすと、可視蛍光分光法とアルゴリズムにより、食中毒を引き起こす細菌やウイルスが手に残存していないか、2秒以内に判定する仕組み。

判定結果は専用スキャナーのスクリーン上で表示され、細菌やウイルスが残存している場合は、再度、手洗いするよう促す。手洗いの履歴や分析データはクラウド型プラットフォームで保存され、管理者は、従業員の手洗いの頻度や精度を常時モニタリングできる。

導入から30日で食中毒リスクを75%軽減

PathSpotのソリューションは、飲食店、社員食堂、食品加工工場、梱包施設、農場など、幅広い分野で導入でき、導入から30日で、手洗いの頻度を3倍に増やし、食中毒リスクを75%軽減。

PathSpotによれば、97%の従業員が「食品の安全性について日常的により意識するようになった」と答え、管理者の89%が「従業員への手洗いの指導や手指衛生の管理に要する時間を89%削減できた」と述べている。

PathSpotでは、2020年5月、スターバックスが出資する投資ファンドValor Siren Venturesから650万ドル(約7億円)の資金を調達した。新型コロナウイルス感染拡大に伴って米国で衛生管理への意識が高まるなか、ソリューションの販路を拡大していく方針だ。(文 松岡由希子)

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