Apple Watchの「心電図アプリ」がまもなく使えるようになるとの噂が出ていますが、2020年7月1日時点では認可されておらず、日本国内で同アプリをアクティベーションすることは出来ません。「心電図アプリ」が使えるようにになるまでに、どのような申請手続きが必要なのかを確認してみます。
認定・登録外国製造業者リスト掲載は認可へのサインか?
医療機器や医薬品の審査・承認などを行う、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA;Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)が公開した「認定・登録外国製造業者リスト(令和2年6月1日現在)」にAppleが掲載されていたことで、「心電図アプリ」の認可が近いと予想されていましたが、現在のところ日本でアクティベーション可能になるとのアナウンスはまだなされていません。
日本国内で「心電図アプリ」が使えるようになるには、Appleが外国製造業者を対象とした審査を受け、承認を得た後に、医療機器としてクラス分類に応じた申請手続きを行い、PMDAもしくは登録認証機関から、同アプリの認可を取得する必要があるようです。
医療機器のクラス分類
医療機器は安全上のリスクや目的に応じて4つのクラスにわけられています。「心電図アプリ」が上記図表の「心電計」相当と判断された場合、Apple Watchと「心電図アプリ」の組み合わせは、「管理医療機器 クラスII」に分類される可能性が高そうです。
「心電図アプリ」認証までの流れ
「心電図アプリ」がクラスIIに分類されるとすれば、Appleは同アプリについて登録認証機関による認証を受ける必要があります。
Appleが認定・登録外国製造業者リストに掲載されたことは、医療機器に該当する製品の認可取得に向けて、本認証を取得しようとする、図表中の「申請者」の資格を得たことを示しているのかもしれません。
医療機器プログラムに該当する?
「心電図アプリ」は、FDA(米国食品医薬品局)でも「ECG App」として認可を受けていますので、日本でもアプリ(ソフトウェア、プログラム)として新しい医療機器プログラムに該当すると予想し、認証されるまでの流れを確認してみます。
参考までに、ECG App(心電図アプリ)のFDAへの申請では、2018年8月13日の申請から約1カ月後の、9月11日に認可されています。
アプリ(医療機器プログラム)として認可取得するまで
「心電図アプリ」が医療機器プログラムに該当するのであれば、既に医療用ソフトウェアとして認可されている「画像診断装置ワークステーション」の認可例が参考になりそうです。
医療機器プログラムに該当する場合、認証基準に収載される必要があるようです。これに収載されれば、登録認証機関などによる認証手続きへと進むようです。
医療機器プログラムの認証
クラスⅡ医療機器認証基準において、「心電図アプリ」は「認証基準あり」に該当すると判断されれば、登録認証機関による認証が行われるようです。
しかし、既に認可された実績のあるクラスⅡ医療機器とは異なると判断された場合は、「その他の管理医療機器」として、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の承認を受ける必要があるようです。
心電図アプリの有用性は明らかそうだが
Apple Watchの「心電図アプリ」の記録により、受診時には12誘導心電図測定でも確認できなかった虚血性心疾患の兆候を発見できたとの報告もあるなど、本アプリの有用性は幅広く報道されています。
ただし、Apple Watchと「心電図アプリ」によって、心房細動が検知され通知される確率は約40%〜70%だったとの報告もあるだけに、医療機器として認証を得ようとする際は、これらの検知率の誤差や有用性が、認証機関もしくは承認機関から指摘される可能性もありそうです。
外国製造業者として登録・認定された後も、「心電図アプリ」が認可されるまでは多くの手続きが残っているようです。外部から進捗状況を確認することは出来ませんが、認可取得に向けて順調に進んでいることが期待されます。
本記事は、公開された医療機器認可プロセスをもとに、独自に予想した内容であるため、実際の認可・認証では申請する機器によって手続きが異なる可能性があります
Source:医療機器産業連合会, 医薬品医療機器総合機構(PMDA), 経済産業省, 京都府, 厚生労働省, FDA(米国食品医薬品局)
Photo:Healthcare IT News
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- Original:https://iphone-mania.jp/news-298723/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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