Apple共同創業者のスティーブ・ジョブズ氏が、今から30年前の1990年にリモートワークの時代を予見するような発言をしている、とジャーナリストのジョン・エリクマン氏(@JonErlichman)が取り上げています。
スティーブ・ジョブズ氏、柔軟に変化に対応できる組織を語る
スティーブ・ジョブズ氏は、1990年にテレビのインタビューで、以下のように語っています。
ビジネス環境が変化のスピードが年々速さを増している中で、マネジメントの階層構造をそこまで速く変化させることはできないことが分かってきました。
私たちは、毎週新しいボスのもとで働くわけでもありません。地理的な配置をあまり素早く変更することもできません。毎週のように人を全国に移動させるわけにもいきません。しかし、電子的な組織なら、そうした変更が可能です。
今、優れたユーザーインターフェースを持つコンピュータを高度なネットワークで相互接続することで、15分の準備で、共通のタスクに取り組む人々のグループを作り出せるようになりつつあるのです。
これらの人々は、地理的にどこにいるかに関係なく、非常に効率的に一緒に働くことができます。そして、階層組織の誰のために働くかに関係なく、必要な期間だけ存続し、そして消滅します。
私たちは、企業を電子的に非常に素早く再構成できるようになっているのです。
Steve Jobs in 1990 on working remotely:
“We’re finding we can reorganize our companies electronically very rapidly and that’s the only type of organization that can begin to keep pace with the changing business conditions.”pic.twitter.com/nChrHgvlyc
— Jon Erlichman (@JonErlichman) July 8, 2020
1990年当時、ネットワーク接続率はわずか0.5%
誰でもどこでも高速インターネットが利用可能な2020年の現在なら、ジョブズ氏の言葉は当たり前のことに聞こえるかもしれません。
しかし、ネットワークに接続できていたのは世界人口のわずか0.5%だった1990年当時、ジョブズ氏が語った内容を、遠い未来の夢物語と受け止めた人も多かったかもしれません。
新型コロナウイルス感染症の影響で、世界的にリモートワークが急速に拡大しましたが、それを実現可能にしているのは、高度なネットワークで相互接続され、優れたユーザーインターフェースを持つパソコンやスマートフォン、そしてSlackやZoomといったコミュニケーションツールです。
従業員どうしの交流を重視していたジョブズ氏
ジョブズ氏は、インタビューでリモートワークの可能性を語っている一方で、従業員どうしの交流からひらめきが生まれる、クリエイティブな仕事は一人でするものではない、という考えの持ち主でした。
その思想は、約13,000人の従業員が働く、巨大なApple Park内部の構造に反映されています。
Appleは、新型コロナウイルス対策で全従業員を在宅勤務としていましたが、シリコンバレーのテクノロジー企業の中では比較的早い段階で従業員をオフィスに戻しています。
Bloombergのマーク・ガーマン記者は、Appleには対面でのミーティングや、製品を手にとって試すハンズオンを重視する文化があると指摘し、ハードウェアがビジネスの中心ということもあってリモートワークにあまり積極的とは言えない、と述べています。
ジョブズ氏のインタビュー全編の動画は、こちらで視聴可能です。
Source:Cult of Mac
Photo:Duncan Sinfield/YouTube
(hato)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-300415/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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