マイクロソフトの「Surface Pro」シリーズは、フル機能のWindowsが動くタブレット型PCだ。ペン入力に対応しており、オプションのキーボード付きカバー「Surfaceタイプカバー」を装着することでノートPCのように使うことができる。今回は、第10世代CoreプロセッサーやUSB Type-Cコネクタ、Wi-Fi 6などを搭載して順当な進化を遂げた最新モデル「Surface Pro 7」の使用感やパフォーマンスをレビューしていこう。
第10世代Core iプロセッサーを採用して性能を強化
Surface Pro 7は、OSにWindows 10 Home 64bit、ディスプレーに12.3インチのタッチ対応液晶パネルを採用し、5MP(500万画素)のフロントカメラとWindows Hello顔認証対応カメラ、8MPのオートフォーカス機能付き背面カメラを搭載する2-in-1 PCだ。
液晶ディスプレーは2736×1824ピクセル(267ppi)と変則的な解像度となっているものの、縦横比が3:2と一般的なノートPCよりも縦方向に広く、電子ブックや電子コミックスなどを見開きで楽しむのに便利だろう。
Surface Pro 7のサイズは292×201×8.5mmとなっており、フットプリント(占有スペース)はA4サイズ(297×210mm)に近い。Surface Pro 7自体の重量はCore i7搭載モデルの場合約790g、別売のSurfaceタイプカバーが約310gとなっており、合計の重量は1kgを超える。
CPUに第10世代Core i搭載、Wi-Fi 6(11ax)をサポート
前モデルとの大きな違いは、CPUに第10世代のインテルCore iプロセッサーを採用し、無線LANがWi-Fi 5(11ac)からWi-Fi 6(11ax)に、外部端子がMini DisplayPortからUSB Type-Cに変更された点。USB Type-Cは外部映像出力やPower Deliveryにも対応しており、外付けディスプレーに画面を表示したり、モバイルバッテリーなどから給電したりすることも可能だ。
直販サイトでは以下のような構成から選択でき、最小構成時の税込み価格が10万9780円、また全部盛りで税込み29万5680円となっている。
- CPU: Core i3-1005G1/Core i5-1035G4/Core i7-1065G7
- メモリー容量: 4GB/8GB/16GB
- ストレージ容量: 128/256/512GB SSDおよび1TB SSD
- ボディカラー: プラチナ/マットブラック
- 重量: i3/i5の場合775g(ファンレス仕様)、i7の場合790g(ファン搭載)
Core i3とCore i5を選んだ場合はファンレス仕様となり重量は775gに、Core i7を選んだ場合はファン搭載となり重量は790gになる。いずれもバッテリー駆動時間は公称値で最大10.5時間だ。
今回は、CPUがCore i7-1065G7、メモリーが16GB、ストレージが512GB、ボディカラーがマットブラックという構成で、オプションのSurfaceタイプカバーとSurfaceペンも同時に試せた。
ボディはマグネシウム製だけあって上質な手触りで剛性も高い。背面パネルは下半分がキックスタンドとなっており、無段階で自由な角度に調節できる。Surface Proタイプカバー装着時は、キックスタンドをある程度開くことで膝の上でも十分安定して使用することが可能だった。
Core i7-1065G7は、4コア8スレッドのプロセッサーでIntel Iris Plusグラフィックスを内蔵したもの。統合型グラフィックスとしては、一般的なインテルUHDグラフィックスよりもかなりパフォーマンスが高い。実際、グラフィックス性能をはかるベンチマークでは、インテルUHDグラフィックスの倍近いスコアが出ており、負荷が中程度のPCゲームなら快適にプレイできるという結果だった。
ストレージの性能をCrystalDiskMarkでチェックしてみたところ、PCIe接続のSSDを採用しているだけあって、シーケンシャルリード(1MiB Q8T1)が2000MB/s超と非常に高速。実際、電源オフの状態からOSが完全に起動するまで10秒とかからないほどで、アプリの起動やスリープ・休止状態からの復帰も高速だった。
バッテリー駆動時間は公称値で10.5時間となっているが、バッテリーベンチマークソフト「BBench」での計測では9時間23分という結果になった(Surfaceタイプカバーを装着した状態で、電源モードは推奨に、明るさは40%に設定し、BBenchは「60秒間隔でのWeb巡回」と「10秒間隔でのキーストローク」にチェックを入れて満充電状態から電池残量3%で自動休止するまでの時間を計測)。これだけ持てば普段使いには十分すぎるといえるだろう。
ペンの描き心地やキーボードの操作感も良好
オプションのSurfaceペンは傾き検知や4096段階の筆圧検知に対応した本格的なもの。純正アクセサリーということもあってSurface Pro 7との相性は抜群で、視差や遅延もほとんどなく滑らかな描き心地を実現している。
実際にざっくりとスケッチして確かめてみたが、筆圧の違いによる濃淡の差や、ペンを傾けたときの線幅の広がりなどが自然で、紙に描くような感覚で操作することができた。ペン先の感触もソフトでカチカチせず、スムーズに線を引くことが可能だった。
個人的にはデフォルトのペン先でまったく問題を感じなかったが、別売で3種類のペン先がセットになった「Surfaceペン先」も用意されているので、描き心地にこだわりのある人も安心だ。
Surfaceタイプカバーは一部のキーをのぞき、キーピッチが約19mmあり、キーストロークも十分確保されている。タイプカバー自体が薄いため膝の上などでタイピングすると若干キーボード面のたわみが気になることもあるが、操作に支障をきたすほどではない。打鍵感がよく、長時間のタイピングも快適に行えた。
普段使いのタブレットとノートPCを1台にまとめたい人に最適
第10世代Core iプロセッサーやUSB Type-Cポート、Wi-Fi 6を採用し、パフォーマンスと使い勝手がより一層向上したSurface Pro 7。オプションのタイプカバーやペンを一緒に購入すれば、タブレットとしてもノートPCとしても使いやすく、テレワークから趣味のお絵描きまで幅広く活躍してくれるはずだ。
今回はパフォーマンスに優れたCore i7搭載機を試したが、Intel Iris Plusグラフィックスを内蔵しながらファンレスを実現したCore i5搭載機や、普段使いには十分な性能ながら11万円を切る価格を実現した良コスパのCore i3搭載機も魅力的。好みや利用シーンに合わせて、自分に最適な構成を選んでみてほしい。
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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Microsoft Microsoft Surface レビュー
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/08/15/microsoft-surface-pro-7/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Yu Yamaguchi
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