これは御しやすい。もっと動画が撮りたくなるDJIの新スマホ用ジンバル

一時期は各社から大量のアイテムが登場したスマートフォン用ジンバルの世界。構造が追求され尽くされたことと、スマホ側のデジタル手ブレ補正技術の向上から、昨年くらいから完成の域にあると感じていたら…DJIさん、やりますなあ。スマホの脱着がめちゃくちゃカンタンになるマグネットマウントシステムで、「こっちのジンバルはもっと使いやすいぞ」とアピールしてきました。

DJI
OM4
実勢価格1万6500円

旧モデルのストレスを低減してきたOM4

ジョイスティックおよびシャッターボタン、電源/モードボタンが備わったコントローラ。側面には充電用のUSB Type-C、給電用のUSB Type-Aポートがある。

2016年。スマホはiPhone 7が中心にあったころ。スマートフォンで4K動画が撮れると一部に血湧き肉躍る祭りが開催された同時期に、DJIからスマートフォン用ジンバル「Osmo Mobile」が発表されました。すでに他社からライバル製品が登場していましたが、OSMO Mobileのいいところは重量バランスの調整がしやすく、撮影用のアプリも(比較的)完成度が高かった。専門の知識が必要だった電動ジンバルを広く知らしめた、キャズムを超える商品でした。

以後DJIはバッテリーの脱着機構をなくしたぶん大容量化したOSMO Mobile 2、アーム部を折りたたんでコンパクトに収納できるOSMO Mobile 3をリリース。特にOSMO Mobile 3の完成度は高く、バッテリーが消耗しない限りはコイツを使い続けよう。と思っていたのですが。

8月末に新たにリリースされた「DJI OM4」の作りを見て、これは買わねばとヨドバシカメラにレッゴージャスティーン。グリップやコントローラは旧モデルと差異がない。撮影機能はアプリ次第だから、アプリがアップデートしたら同じものが撮れるはず。スペックリスト上のモーターパワーや対応スマホも変わっていない様子。

それでも買ってみたくなったのです。脱着式クリップを採用したDJI OM4を。

改善箇所は1つ。でもその1つがなによりも大きい進化

グリップ背面にはトリガーボタンがある。押し続けるとロック、2度押しでセンター、3度押しで自撮りモードになる。

スマホ用ジンバルは、コントローラとバッテリーが備わったグリップ、スマホを挟み込むクリップとアーム、バランスを撮り自由な角度で保持するモーターで構成されたアイテムです。

左側面にはズームレバーがある。デジタルズームとなるため、画質は劣化しやすい。多様は禁物。

前述したように、OSMO Mobile 3と、DJI OM4は大半が酷似しているというか、色違いの同じパーツを使っているんじゃないかと思わせるエクステリアとなっています。

磁気スマートフォンクランプとジンバル本体は、マグネットで固定される。

大きな違いが見えるのはクリップ部。OSMO Mobile 3はモーターに直結した大型の樹脂製クリップを用いていましたが、DJI OM4は金属製の小型薄型クリップ(磁気スマートフォンクランプ)。ほう! これは大きな改善ポイントですよ!

クリップ部分が小型化され、中央側面部にボタンがあるスマホでも使いやすくなった。

スマホのサイズが大きくなると同時に、本体サイドの中央部分に電源スイッチを持つモデルが増えてきたのですが、OSMO Mobile 3や他ジンバルのクリップだと電源スイッチの半分以上を覆ってしまい、画面のON/OFFがやりにくくてストレスに。自動ロックの時間を短くして、顔認証もしくはディスプレイの指紋認証でロック解除ができるスマホならいいのですが、撮影のために設定を変更するのは面倒だし、マスク装備期間である令和2年において顔認証のロック解除は使いづらいところがありますし。

ちょっとでも角度がずれているとしっかりとは固定できず、ただしい角度ならガッチリとハマる強力なマグネットを使っているのも頼もしい。DJI OM4を勢いよく振っても外れる気配はなく安心ですし、撮影の合間に電話がかかってきたときは磁気スマートフォンクランプごとスマホを取り外して、電話にでられます。これはナイスアイディア。

DJIグッジョブ、はまだ続きます

スマホ本体に直接貼れる磁気リングホルダーと、貼る位置を定めるガイドシートが付属する。

DJI OM4には金属製の小型薄型クリップのほかに磁気リングホルダーが付属しています。コイツはスマホ本体の背面に貼るマウントパーツと言うべきでしょうか。クリップ部がないから、より軽量なジンバル撮影システムが作れます。スマホ本体を手で持っているときに落としにくくなる&机に置いたときのスタンド代わりとなるリングがついているのもポイント。

もともと、指を通せる&スタンド代わりになるスマホリングは商品化されていたじゃないですか。その仕組みをジンバルのマウント部にもってくるあたり、DJIの目利きの良さが具現化されていますよね。

Osmo Mobile 3からではあるが、ミニ三脚が付属するところもDJIグッジョブ。

モーター側のパワーとキャリブレーションのセッティングによりますが、GoProなどのアクションカムもカンタンに装着できるようになると思うんですよね。実際に一部のYouTuberがDJI OM4+GoProでの撮影実験をレポートしていますが、意外と成功例が多い!

またDJI OM4のマウント部が公開されたら面白い。バイクや自転車用のホルダー、棚やテーブルに固定できるマウントなど、ジンバル以外の展開も期待できます。非公式でほかのメーカーが乗ってきて、アリババやAliExpressで販売しそうですし、楽しみでなりません。

分身パノラマ、ダイナミックズームなど、面白い撮影機能が多数使えるアプリ、DJI Mimoと連携。ローアングル撮影、くっきりとした夜景撮影も得意分野だ。


ただし気になるところもありました。対応スマートフォンは重量230g前後・厚さ6.9~10mm・幅67~87mmとなっていますが、重量209g・厚さ8.8mm・幅76.68mmのRedmi Note 9Sではうまくバランスがとれなかったのです。何度キャリブレーションをしてもダメ。センターが出ない。ズレる。Redmi Note 9Sはレンズ部がグッと飛び出している形状ゆえに、重心がセンターではなく斜め前方向へかかってしまいそう。このあたりがトラブルの原因なのでしょうか? なおOSMO Mobile 3+Redmi Note 9Sの組み合わせでは問題なし。DJI OM4+iPhone 11 Pro、DJI OM4+P30 Liteでも難なくセンターがとれたことを記しておきます。


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