リサイクルロボットシステムのメーカーAMP Robotics(アンプ・ロボティクス)は、北米の廃棄物処理を行う上場企業Waste Connections(ウェイスト・コネクションズ)から最大規模の発注を受けた。
今回受注した機械学習に対応したロボットリサイクルシステム24基は、いくつもの資源回収施設で、容器、繊維、残留物の処理工程で使用されると同社は話している。
AMPのテクノロジーは、原材料処理用に再生されたプラスティック、ダンボール、紙、缶、紙パックなど、さまざまな容器やパッケージの回収に役立つ。
同社の技術は、高密度ポリエチレンとテレフタル酸ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンの違いを区別できる。またそのロボットは色、透明度、不透明度、さらに蓋、タブ、クラムシェルパック、カップといった形状による分類ができる。パッケージに記されたブランドの判別も可能だ。
現在、AMPのロボットは北米、アジア、ヨーロッパで展開され、最近になってスペインにも導入された。米国内ではカリフォルニア、コロラド、フロリダ、ミネソタ、ミシガン、ニューヨーク、テキサス、バージニア、ウィスコンシンで使われている。
パンデミック前の2020年1月、AMP Roboticsは同社に投資を行なっている都市開発企業Sidewalk Labs(サイドウォーク・ラブズ)と協力して、トロントの250世帯が暮らすアパート1棟の住民に、そのリサイクル行動に関する詳細な情報を提示する実験を計画した。
対象となったアパートと廃品回収業社の協力を得て、Sidewalk Labsは、廃棄物をCanada Fibers(カナダ・ファイバーズ)の資源回収施設に送り、Canada Fibersの従業員とAMP Roboticsとでゴミの分別を行なう。分類、仕分け、記録を終えると、Sidewalk Labsはアパートの住民に連絡をとり、リサイクルがどれほどできているかを伝えることにしている。
Sidewalkによると、電子メール、オンライン・ポータル、建物の掲示板を使って、3カ月間にわたり2週間に1度、住民にその情報を知らせるという。
住民からすれば、リサイクルできるものとできないものの理解を深めるよい機会であり、Sidewalk Labsはその情報が住民のリサイクル習慣を向上させると期待している。ゴミの中身を見られたり分類されたくない人は、実験に参加しなくてもよい。
Waste Connectionsのようなリサイクル業社には、業界の問題に対処してくれるロボットの商品化は大歓迎だろう。一時は安定していたこの業界も、貿易戦争と失業率の低下で状況が逆転してしまった。2年ほど前、中国は世界のゴミ捨て場としての役割を終わらせ(Yale Environment 360記事)、外国から受け入れる資源の種類に関して、厳しい基準を設けるようになった。その結果、リサイクル施設の経費は増大し、廃棄物分別のさらなる効率化が迫られることとなった。
同時に、失業率の低下により、リサイクル可能な資源とゴミとの分別を基本的に人の手で行わなければならない施設は、作業員不足に苦しんでいる。
AMP RoboticsはSequoia Capital、BV、Closed Loop Partners、Congruent Ventures、そしてAlphabet(アルファベット)のスピンオフであり、テクノロジーと新しい基盤整備計画に投資するSidewalk Infrastructure Partnersの支援を受けている。
カテゴリー:ロボティクス
タグ:AMP Robotics、リサイクル
画像クレジット:Abdulla Al Muhairi / Flickr under a CC BY 2.0 license.
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(翻訳:金井哲夫)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/11/17/2020-11-16-sequoia-backed-recycling-robot-maker-amp-robotics-gets-its-largest-purchase-order/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Jonathan Shieber
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