生産者と消費者をつなぐ国内最大級の産直アプリ「ポケットマルシェ」(Android版・iOS版)を運営するポケットマルシェは12月21日、シリーズBエクステンションラウンドにおいて第三者割当増資を実施したと発表した。引受先は、農林中央金庫。
同調達は、2020年8月に行った8.5億円の資金調達に続くもの。シリーズBラウンドは、合計調達額9.9億円で終了し、今回の調達により累計調達額は15.5億円となった。また、あわせて農林中金と連携し、全国の生産者にネット直販の機会を提供していく。
ポケットマルシェは、生産者が消費者に食材をインターネット上で直販できるサービスを提供しており、2020年12月時点で約3800名の生産者と約25万名の消費者が登録している。今回「強い一次産業を実現する」という想いが一致したことにより、農林中央金庫から資金調達を実施するとともに、生産者の登録促進などで連携していく。
調達した資金は、「生産者の登録促進」「生産者の販売力強化」「プロダクトの改善」に使用する予定。生産者の登録促進においては、農林中金と連携し、全国の生産者にネット直販の機会を提供する。生産者の販売力強化では、ネット直販に関する教育コンテンツを充実させ、登録生産者の販売力強化に取り組む。またプロダクトの改善では、生産者および消費者の利便性を高めるべく、UI/UXを中心にプロダクトを改善する。
生産物の価値を発信し、コミュニケーションの中でファンを獲得して安定的な販売を実現するために、インターネットを利用した直販は有効なものの、「消費者にインターネットで直販をしている農家数の割合」は、2019年時点で0.56%と極めて少ない状況にある(「農林水産省 農業構造動態調査 / 確報 平成31年農業構造動態調査結果」)。2019年の農業就業人口の平均年齢である67.0歳(「農林水産省 農業労働力に関する統計」)、2017年の漁業就業人口の平均年齢である55.6歳(「農林水産省 漁業就業動向調査」より各階層の中位数を用いた推計値。65歳以上の場合は「70」を使用)に対して、ポケットマルシェ登録生産者の平均年齢は44歳(「登録生産者数2000名の「ポケットマルシェ」が生産者を対象としたアンケート結果を発表」)という。このことから同社は、特に高齢の生産者によるネット直販実施が進んでいないことが推測されるとした。
ポケットマルシェは、農林中金の持つネットワークを活用し、全国の生産者にネット直販の機会を提供することで、一次産業の成長を促進。高齢の生産者に対するネット直販のサポートも強化していく。またすでに、大分県や鹿児島県で、農林中金と連携して生産者による新規出品を実現しているという。
ポケットマルシェは、全国の農家・漁師から、直接やりとりをしながら旬の食べ物を買うことができるプラットフォーム。提供は2016年9月。約3800名の農家・漁師が登録し、約9000品の食べ物の出品と、その裏側にあるストーリーを提供。新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに消費者の食への関心が高まり、ユーザー数が約4.8倍、注文数はピーク時に約20倍となり、現在約25万名の消費者が登録、「生産者さんと繋がる食」を楽しんでいる。
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カテゴリー:フードテック
タグ:漁業、資金調達(用語)、食品(用語)、農業(用語)、ポケットマルシェ(企業)、日本(国・地域)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/12/21/poke-m-raises/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Takashi Higa
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