線維芽細胞を用いた心臓疾患の治療方法の研究・開発を手がけるメトセラは1月4日、第三者割当増資による総額約13.2億円の資金調達を完了したと発表した。2020年4月に完了したシリーズB-1ラウンド(総額4.3億円)に加えて、B-2ラウンドでは新たに約8.9億円を調達した。引受先は、リードインベスターの東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)、ベンチャーキャピタルおよび事業会社など。
また、2020年12月25日付けで、UTEC取締役/パートナーの宇佐美篤氏が社外監査役に、UTECプリンシパルの小林宏彰氏が社外取締役に、それぞれ就任した。
調達した資金により、グローバル展開も視野に、製造プロセスの効率化、後続パイプラインの創出、およびアカデミアや企業との戦略的連携を強力に推進する。
メトセラは2016年の創業以来、心不全を対象とした新たな細胞療法の研究開発に取り組んできた。同社リードアセット「MTC001」は、VCAM1陽性心臓線維芽細胞(VCF)を用いた細胞治療で、非臨床試験において損傷した心臓組織の再生を促すなどの、良好な治療効果を確認している。
今回の資金調達を通じ、MTC001の第I相臨床試験の実施体制をさらに強化可能となった。MTC001は、医療機関の負担を軽減したワークフローとシンプルな製造プロセスを実現した細胞治療。患者本人の心臓から低侵襲に採取された組織をもとに製造を行うことで、製造や安全性において他の技術に対して大きなアドバンテージを有しているという。
関連記事
・同種由来iPS細胞由来心筋細胞シート実用化を目指す大阪大学発の「クオリプス」が約20億円調達
・細胞治療に向けた細胞量産技術開発に取り組む「セルファイバ」が1.05億円を調達
・免疫システムの完全なマッピングを目指すImmunai、細胞療法と癌免疫療法に新しい道を拓く
・新型コロナ対応の細胞療法の早期治験を米食品医薬品局がCelularityに認可
・英国のバイオテックスタートアップMogrifyが革新的な細胞療法を市場投入へ
カテゴリー:ヘルステック
タグ:医療(用語)、細胞療法、資金調達(用語)、メトセラ、日本(国・地域)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/01/04/metcela-fundraising/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Takashi Higa
Amazonベストセラー
Now loading...