SpaceX(スペースX)は、初の完全民間有人宇宙飛行ミッションの計画を発表した。高価な銀河系旅行の打ち上げは、2021年第4四半期の実施を予定している。このミッションには、SpaceXの宇宙船Crew Dragonと打ち上げロケットFalcon 9が使用され、決済プラットフォームShift4 Payments(シフトフォー・ペイメンツ)のCEOであるJared Isaacman(ジャレド・アイザックマン)氏が選ばれた3名のメンバーとともに乗船し、アイザックマン氏と彼の会社およびSt. Jude Children’s Research Hospital(セントジュード小児研究病院)がスポンサーを務める。これも製品の採用を推進する方法の1つだ。
ミッションはInspiration4と呼ばれ、すでにデジタルの世界では大きく注目されており、カウントダウンタイマー付きのウェブサイトもある。4人乗りの座席のうち2つはセントジュード病院に贈られ、その1つは小児病院の前線で働くヘルスケアワーカー(すでに決まっているが、アイザックマン氏が彼女は多様な選択肢の1人であると言った以上は明かされていない)に、もう1つはセントジュードに寄付した人たちによるオンラインコンテストの参加者から選ばれる。最後の1席はShift4のeコマース向けオンラインプラットフォームでビジネスを構築した起業家に渡る。
アイザックマン氏はセントジュード病院に1億ドル(約105億円)を寄付することをInspiration4キャンペーンの一環として約束しているほか、キャンペーンを通じた寄付でさらに1億ドルを集める見込みだ。アイザックマン氏は16歳の時にShift4 Paymentsを開業し、現在、年間2000億ドル(約20兆9800億円)以上の取引が行われているが、同氏は他に民間空軍を創設、指揮していたこともあり、後に大手国際民間軍事企業のBlackstoneに売却した。アイザックマン氏の会社は米国空軍のためにパイロットの訓練を行い、彼自身も商用および軍用飛行機の訓練済みパイロットとして認定されている。
アイザックマン氏は、宇宙船Dragonの指揮官を務める。宇宙船は完全自動で飛行するが、緊急時にはある程度の専門知識を持つ者が船内にいる必要があるので、理に適った選択だ。アイザックマン氏のパイロットとしての経歴と大富豪であることを考え合わせると、この役割の有力候補である。
ミッションの性質上、事前の民間宇宙飛行士訓練があり、軌道メカニズムや無重力操作などの指導も受ける。フロリダ州のケネディ宇宙センターから飛び立ち、地球軌道を複数(約90分間に1回)周回し、宇宙船は複数日間、宇宙に留まる。SpaceX創業者のElon Musk(イーロン・マスク)氏は、最終的にはジャレド(・アイザックマン)の判断になるが、会社は2~4日間を想定していると語った。その後、地球の大気圏に突入し大西洋に着水してSpaceXクルーに回収される。当ミッションではこのフライトのために現在国際宇宙ステーションにドッキングしているSpaceXのDragonカプセルを使用するつもりで、打ち上げに関するNASAの承認と協力を取り付けてある、とマスク氏は語った。
以前SpaceXは、宇宙船DragonがNASAから有人飛行の認定を受けたあかつきには、民間ミッションを実施したいという意向を明らかにしていた。今私たちは最初の専用民間ミッションの打ち上げが迫っていることを知ったわけだが、それはVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)の準軌道宇宙循環機による日帰りツアーをはじめとする他の民間宇宙旅行計画を追い抜くかもしれないということでもある。
フライトはどの軌道を目指すのかを尋ねられたマスク氏は、「強調したいのは、どこへ行きたいかを決めるのは、本人次第だということだ。私たちはそこへ連れていく」とはぐらかし、アイザックマン氏が近日中に決定して発表するとつけ加えた。別の質問で、乗組員はどんな装備を持ち込めるのかと尋ねられると、マスク氏は再び船長に委ね「過ごす時間に安らぎをあたえるものがあれば、ちょっとすてきですね」とアイザックマン氏は語った。
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カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceX、Falcon 9、Crew Dragon、民間宇宙旅行
画像クレジット:SpaceX
[原文へ]
(文:Darrell Etherington、翻訳:Nob Takahashi / facebook )
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/02/02/2021-02-01-spacex-is-aiming-to-fly-the-first-all-civilian-human-space-mission-by-the-end-of-2021/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Darrell Etherington,Nobuo Takahashi
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