菌糸体(真菌類の構造繊維)を消費者向けの健康的な代替肉に変えるMeati(ミーティ)は2021年夏からの大々的な展開に向け準備中だ。
共同創業者のTyler Huggins(タイラー・ハギンズ)氏は、米国各地の選ばれたレストランにホールカットステーキと鶏肉プロダクトのサンプルを、初の商品であるジャーキーとともに提供することを予定している。
ハギンズ氏にとってプロダクトの立ち上げは、従来の肉より優れた代替物として機能性菌類食品を商業分野で幅広く受け入れられるようにする、長い道のりにおける1歩だ。
「これを会話の始まりに使いましょう。2オンス(約56グラム)であなたが毎日摂取すべきタンパク質の50%、食物繊維の50%、亜鉛の半分が摂れます。栄養という点でこのプロダクトに匹敵するものはありません」とハギンズ氏は話した。
そして肉からマッシュルームへの移行も地球にとっては良いものだ。
Meatiは今夏、試験プラントを稼働させ、Perfect Dayのミルク代替品、Atlastの肉代替品、EcovativeとMycoWorksの革代替品など、マッシュルームを活用する一連の動きに加わる。
菌糸体を活用したプロダクトをマーケットに持ち込もうとしている他のテック企業について「私たちは間違いなく同じ動きをとっています」とハギンズ氏は述べた。
しかしながら、すべての菌糸体が同じように作られているわけではない、と同氏は指摘した。ハギンズ氏がユニークと言った、「最もハッピーな状態にキープして」菌を成長させる方法をMeatiは持っている、と同氏は話した。同社によると、それは最高の栄養価と最高の成長効率を意味する。
両親がバイソン牧場を所有し、畜牛地帯で育ったハギンズ氏にとって、目標はTボーンやリブアイに取って代わるのではなく、高級ブリトーや他の迅速にサーブする肉の切り身に使う肉や鶏肉とすることだ。
「同じ種のカット肉に対して、我々は勝ちます。挑むための時間をいま稼いでいます。超高級路線でいこうとは思っていません」とハギンズ氏は話した。
同社の投資家のキャップテーブルにはかなり勇足の料理会社がすでに含まれている。Barack Obama(バラク・オバマ)元大統領の栄養政策担当上級顧問、Michelle Obama(ミッシェル・オバマ)夫人の「Let’s Move!」キャンペーンのエグゼクティブディレクターを務めたSam Kass(サム・カス)氏で知られるAcre Venture Partnersや、シカゴの高級料理店Alineaもそうだ。
しかしハギンズ氏はMeatiが日々使う代替肉となることを望んでいる。「これは毎日のタンパク質だと人々が思うようになって欲しいのです」と述べた。
Meatiは未来の代替肉が従来の牛肉や鶏肉と価格的に競争力を持つと考えているが、消費者の食欲を刺激するために同社はまずジャーキーから始める。
「Meatiのおいしいジャーキーは白紙のキャンバスです。当社はビーフジャーキーのような味をつけて提供を始めます。しかし、展開を初めてすぐに菌糸体のジャーキーだと言おうと思います」とハギンズ氏は話した。
同社は現在、ハギンズ氏と共同創業者のJustin Whiteley(ジャスティン・ホワイトリー)氏が30人のスタッフを率いている。創業者2人は当初、バッテリー代替品としてMeatiに取り組み始めた。調査に基づき(ハギンズ氏が菌糸体、ホワイトリー氏が高度なバッテリーを担当)、2人はリチウムイオンバッテリーのための菌糸体ベースの電極で助成金を受け取った。
「我々はより良いバッテリーを作るために菌糸体の化学組織を微調整しようとしていました。そして何か栄養価があり、食べることができるものを作っていることに我々は気づいたのです」とハギンズ氏は話した。
また、バッテリー会社はそれを欲しなかった。
Acre、Prelude Ventures、Congruent Ventures、Tao Capitalから調達した2800万ドル(約30億円)を手に、Meatiは市場参入する準備ができている。また、同社は菌糸体を育てる施設の広大なネットワークを構築するために借入資金へのアクセスも持っている。TrinityとSilicon Valley Bankから1800万ドル(約19億円)を借り入れたばかりだ。
「2年前、この業界のほとんどの企業には、施設を建てるために借金する能力はありませんでした。VCから資金を調達できることができ、そして負債による資金調達をするだけのマーケットがあることを考えたとき、フードテック業界にいられるのはエキサイティングです。これまで以上に開発は急展開するはずです」とハギンズ氏は話した。
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カテゴリー:フードテック
タグ:Meati、代替肉、菌類、タンパク質、資金調達
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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Nariko Mizoguchi)